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自分と対話するということ


最近わたしの周りで話題のこの本を読んだ。

「日記を書く」ということを通じて新たな自分を見つめる物語。タコやヤドカリなど海のいきものが出てきたり、イラストがたくさんあったり、子供でも読みやすい寓話として描かれている。

私はこの一年、自分との対話を大切にしたいと思って過ごしてきた。だからなるべく書ける時は日記を書いたし、本を読んで大切にしたいと感じた言葉をノートにメモしたり、自分なりにいろんなことに取り組んでみた。

けれど、自分が書く日記はどこか嘘っぽく、本当の自分の気持ちとは遠いところにあるような気がしていた。リアルな自分の気持ちとの乖離をずっと感じていた。読書ノートも続けてはいるものの、書いて満足して、自分の血肉になっている実感があまりなかった。

自分と対話するということは、自分と向き合うということ。忘れてしまいたいことに目を背けるのではなく、むしろじっくり見つめなくてはいけない。それが苦しくて面倒くさくて、書くことが億劫になることもあった。

そうして苦し紛れに書いた日記は結局自分と対話したことにはなっていなかったし、ただ書いて考えたつもりになっていただけで何も考えていなかったのと同じなのだということを、この本を読んで突きつけられた。私の日記が嘘っぽいのはそういうことだったんだ、ととても腑に落ちた。

今まで自分がやってきたことが何の意味もなかったとは思わない。けれど、もっと違う方法がある、と気づかせてくれる本だった。読み終わった後、早速日記を書こうとノートを開いたらするすると言葉が出てきて、ペンを持つ手が止まらなかった。自分の頭の中が整理された気がした。「これが自分との対話なんだ」と感じることができた。書き上がった文章は自分の本当の気持ちだった。

文章を書くということ、言葉を使うということ、考えるということ、これは日々の努力の積み重ねが必要なこと。これから日記を書き続けて、本当の自分が見えてくるといいなと思う。自分のことをわかってあげられる一番の理解者でいられるように。

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