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本を読み、溝を彫る

今日は、毎週1冊課題に指定された本を読んで感想を発表するという授業を大学で受けてきました。名作と言われていようとも自分では興味を持って進んで購入できるか分からないものも、毎週毎週強制的に読むことになります。しかも先生の趣味に合わせられたチョイスなので、何だか官能的かつ強烈でパンチの効いたものばかり読む羽目になっていたりもするのですが……そんな自分の既存の価値観の壁をぶっ壊して広げさせてくるものを読むのもすごく勉強になります。作者の思想を文字から汲み取って解剖するのはとても面白いです。

そして今日、私はその授業で、ハッと気づいて涙も出てくれば立っていられなくなるほどの経験をしてきてすごく落ち着かないのですが……それとは別に気づいたことがありました。



私にとって、本を読むという行為は、鋼板に針でガリガリ溝を彫るようなものでは?

本を読む。

鋼板に溝が彫られる。

自力では決して描けなかった未知の紋様が、ガリガリ、ガリガリ、文字から受け取ったうねった感情がそのままに針を導いて、ガリガリガリガリ、

そうして私の心を構成する鋼板に刻まれた細い一筆書きに、思考の素になるインクを一滴、思った通りの色のインクを一滴垂らせば、毛細管現象でスルスルとインクは紋様全体に行き渡る。

今までは自分の心がこんな動きをするだなんて思いもしなかったのに、否応無しに脳に飛び込んでくる文字が、言葉が、文章が、展開が、結末が、作者の意志が、痛みを伴わせながらも躊躇無くガリガリガリガリガリガリ私の心の鋼板を開拓し、思いがけない紋様を見せてくれる。劇的です。心に垂らされたインクが辿る溝が、本を読むたびに新しく彫られていく。また後からインクを垂らすたびに、新しい溝、その溝と交点を共有する溝と、私の心の鋼板に彫られた溝を自由に縦横無尽にインクはスルスル進み、1冊分の紋様だけではなく、今までに読んだあらゆる本によって彫られた全ての溝をランダムに進み、その時その時一度きりしか見ることができない紋様を見せてくれるかもしれません。

新しい心の動かし方、動かされ方を、本は暴力的にも美しく教えてくれる。


ワタワタして落ち着かない頭を整理するために書き殴ったので多分後で修正すると思います、お恥ずかしいですが、ここまで読んで下さりありがとうございました。

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