会社の評価制度について考える【496/500】
2023年上期も残りわずかとなりました。株式会社はこの亀谷です。
現在、上期の評価作業中ということもあり、本日は「社内の評価制度」について考えていることをざっくばらんに書いてみます。
時代の変化が大きいため、会社が仲間に対して汎用的な納得感のある評価制度を設計して、運用していくのが、とても難しい時代になってきています。
働く人にとっては、会社で働くにあたって明確な評価指標は存在するべきなので、それをどう作りあげるかというのが、ここのところの私の課題なのですが、なかなか自分が納得いくものが出来ません。
もし、うちの評価制度は良いですよ。という方がいれば、是非参考までにご意見お聞かせください。
では、始めます。
現在の評価制度と課題について
現在のうちの会社の評価制度は、かなりの部分を私がマニュアルで動かしています。
マネージメントレベルをベースとした職級一覧表は公開していますが、都度の評価は、実際に近くで働いているマネージャーが部門評価を行い、その結果を元にして私が一人ずつ面談を行い、数字による実績、業務レベル、会社の方針への理解度、仲間からの評価の情報を集め、そのデータを元に評価を行うという形になっています。
まだ25人くらいの組織なので、変にテンプレート化してしまうよりは、ずっと実態にあった評価になっていると思っているのですが、かなりフレキシブルな運用になっているため、評価される側にとっては不明瞭な部分が存在すること。人数が増えたときに対応しきれない。というところがデメリットとしてあり、どのように汎用的な制度として制度化すべきかを常に悩み続けています。
会社全体で使えるテーブルを作るというのは、業務内容も異なるため難しいと考えており、それであれば業務内容に応じてテーブルを作る方向で考えようとすると、それはそれで課題が出てきます。
最終的には決めの問題だというのは理解していますが、評価というのは出来るだけ正確にされるべきものであり、納得感のある状況の中で働いてもらいたいと考えると、時代の変化にも耐えうる評価制度を決めるというのはとても難しいです。
評価が難しいと思う4つの評価点
評価を固定するのが難しいと考える要素は大きく4つあります。
①個人評価と組織評価の配分
会社の作業はチームで行われているので、単純に数字を生み出している人が偉いにはなりません。
フロントとスタッフとで、フロントがとってきた業務であれば、そこにインセンティブはあるべきですが、そうではなく会社として作りだした業務に関しては、単純にフロントだけを評価することは出来ません。
フロント一人だけで全ての業務が完遂できるわけではないので、協力するスタッフに対しても、その業務に応じた敬意が払われるべきであり、そこの配分をどのように考えて調整するかが問題となります。
②ジェネラリストとスペシャリスト
これも最近、私の中ではジェネラリストとスペシャリストに関してはどっちが先なのかが分からなくなってきてしまいました。
ジェネラリストは幅広く業務対応できる人であり、スペシャリストは専門領域に特化している人だというのは分かるのですが、ここも人によってジェネラルの幅もスペシャルの幅も違ってピンキリで説明が難しいのです。
例えばデザインをする人をデザイナーだと考えた時に、ディレクションが出来て、自分でも作れます。さらに動画も静止画もどちらも対応可能です。という人がいたとします。この人はジェネラリストでしょうか?スペシャリストでしょうか?
制作という部門で切るとジェネラリストですし、会社全体で見るとスペシャリストになってきます。
コンサルとか広告運用とかでも同じ問題が起きていて、同じ部署内でもやることが多岐にわたっているので、単純にスキルに対してジェネラリストとスペシャリストを判別するのが難しい時代になってきています。
③スキルの価値の変動と時間的制約
時代の変化によってスキルの価値が変動しやすい世の中になってきました。
今年は人じゃないと出来ないけど、来年は人じゃなくても出来るよね。とか、
新しい技術革新によって、技術自体が使えなくなりました。とか、
これを持っているから大丈夫。みたいなスキルが減ってきています。
さらにプレイヤーとしては労働時間も決まってしまっている以上、時間的制約による最大値も決まってきます。
それを乗り越えるために組織を動かすことでレバレッジがかけられるマネージメント側に移れば良いじゃないか。というのが一般論なんですが、ここに上のジェネラリストとスペシャリストの考えが掛け合わされると単純に評価がしにくくなります。
制度設計をすると考えた場合にも、単純にテーブルに対して業務スキルをただ言語化するだけでは駄目で、時代による変化を織り込んだ対応を考えさせる要素も検討しておかなければいけないと思っています。
④自社にとっての希少性
人材の評価は市場の原理を元にされるべきだと思いますが、需要と供給を考えた時に、会社にとっての希少性という要素も会社に残ってもらうためには評価していかなければなりません。
会社の方針に対して高い理解度を持っている。
会社の中では希少なスキルを持っている。
などがこれにあたりますが、ここは業績に対しての影響度をどう考えるのかが難しいポイントで、テーブル化がしにくい要素になってきます。
会社の方針を明確にし、納得してもらえる評価をするために
まぁ、これ以外にも一般化しにくいけど評価できる評価できない細かいことでいっぱい悩むのですが、評価者としては一緒に働く仲間に対しては納得のいく評価をしてあげたいですし、さらに将来へ繋げるためのキャリアアドバイスまでして評価を終えたいと思うわけです。
そのために、まずは潰さなければいけないのが、一般的な評価というよりも、会社の目指すところと状況から起きる変動値への理解を得ておくことかなぁと思います。
会社もない袖は振れないので、最終的には働く仲間への報酬は、会社の業績と連動していなければなりません。
業績・スキルに応じた説明は、その成果を元に話すことが出来ます。
テーブルとして一般化しにくい要素は、その組織ならではの特殊な状況だと考えると、そこは事業計画、日々の情報発信を通じて理解度を上げる努力が必要なのでしょう。
うちの会社は在庫やサービスをもたない広告会社である。という特性上、そんなに会社に対して余剰資金を留保する必要はありません。
それよりも、仲間の大切な時間を会社に使ってもらう以上は、ひとりひとりに対して、市場よりもより良い環境と条件を提示できるような運営をしていきたいなぁ。と思っています。
ここまで書いていると、今の状況が現状はベストなんじゃないかとも思いますが、会社という形態にしてしまっている以上、そうも簡単にはいきません。
この会社の評価に関する深堀を私自身がやめてしまっては、会社としてあるべき姿への理解度も落ちますし、さらに先には進めないと思いますので、時間はかかりそうですが引き続き状況を因数分解して、出来る限り考えをまとめて一般化できる方向へ向かっていこうと思います。
それでは皆様、良い週末を!