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欅坂46と平手友梨奈についての論考です。
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#橘川幸夫

Suzu Toyama『16 Sixteen』

 だるい日曜日、トムウェイツの声が聴きたくてSpotifyで聞いていた。 そうなんだ、僕は音楽というアートを聴きたかったのではなく、ヒトの声を聴きたかったんだ。リズムやメロディは、声を聴くための方便。正しい声は、正しいリズムとメロディを引き連れてくるのさ。  思えば、いろんな声を繰り返して自分の日常に流していたことがある。浅川マキ、ジャニス、ボウイ。たくさん聴いたけど、その時、その時に、女性の声を繰り返し聴いた記憶がある。ケイトブッシュ、矢野顕子、大貫妙子、森高千里、チャラ

「新しい学校のリーダーズ」

欅坂46ロスの中で、いろいろな音楽を聞いてみたが、「新しい学校のリーダーズ」に出会う。なんだか、平手友梨奈の分身が別の人生を生きたような感じすらする。 デビューは2015年。欅坂46がスタートした時と、まるで同じ。 4人のチームだが、センターのSUZUKAの誕生日は2001年11月29日。平手友梨奈は。2001年6月25日。身長も同じくらい。13歳からはじめて、もうすぐ20歳。

平手友梨奈。脱退。

織田奈那、佐藤詩織、鈴本美愉、平手友梨奈に関しまして 欅坂46のメンバーとして活動してまいりました織田奈那、鈴本美愉はこの発表をもちましてグループを卒業、平手友梨奈はグループを脱退致します。 在籍中はたくさんの応援をいただきありがとうございました。 また、佐藤詩織は本人からの申し出により活動を一時休止致します。活動再開の目途が立ちましたら改めてご案内致します。 Seed & Flower合同会社  昨年の秋に、欅坂46が新曲を出せなかった段階で、欅坂46の崩壊は多くの

「ひなましょう」の時代がはじまっている。

現代のお笑いの最高峰は、僕にとっては、ぺこぱでもナイツでもなく、「ひなましょう」だ。オードリーと日向坂46の組み合わせによる集団は、新しいお笑いエンタメの世界を切り開いている。オードリー若林は、ひなましょうを担当することによって、春日では不完全燃焼だった、新しいツッコミ・ボケの技が開花したように思う。深夜の13時30分はきついが、つい見てしまう(笑)。さて、ドロカツはどうなるんだろう。 欅坂46を散歩して/橘川幸夫の「欅坂46論」発売中

2019年紅白歌合戦「不協和音」(欅坂46)レビュー/坂道を降りていく者。

2019年紅白歌合戦「不協和音」(欅坂46)レビュー 1.坂道を降りていく者。  人は、日常の中に生きている。日々の何気ない時間の流れの中に小さな事件が散りばめられていて、穏やかな空気に包まれている。しかし、そうした平穏な日常は、「誕生」と「死」という、日常とは比べ物にならないような巨大な非日常にはさまれている瞬間(まばたき)のような人生だ。多くの人は、そうした非日常を意識することなく、日々のルーティンに追われて過ごしている。  しかし、少しの人間が、この掴みようのない

欅坂46 有明クリライ2016と「熱狂するクラスター」

 クリスマスの夜にabemaTVで3時間余りの番組を見た。デビューして1年も経たないのに、という文言は聞き飽きた。てち(平手友梨奈)の圧倒的な存在感と、21人の個性豊かなメンバーの団結力、秋元康の言葉によるシチュエーション設定能力、SONYミュージックらスタッフのプロデュース能力と教育能力は秀逸である。イントロの「大人は信じてくれない」の最後で、てちが「有明コロシアム、かかってこい!」という言葉は、ドスがきいてるとかそういう質のものではなくて、存在を賭けて語るものだけが出せる