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ゲーム業界を目指す学生に向けるunity1weekのすゝめ

一昔前に比べれば、ゲーム制作もだいぶ民主化し、ゲーム会社に入らずとも個人で十分ゲームを制作できる時代になりました。それでもゲームクリエイターは、依然として学生にとって一定の需要(と夢)がある職種・業界のようです。

今回は業界を目指したい学生にフォーカスを充てて、unity1week(Unity1週間ゲームジャム)への参加をオススメする記事です。なお、ゲーム業界を目指す学生以外にもunity1weekは勧めます。

■Unity 1週間ゲームジャム とは?

その名の通り、1週間でunityでゲームを作るイベントです。 unityroom上で定期的に(大体年3~4回くらい)行われる、unityroomが最も賑わうイベントです。ちなみに、unityroomは全部小文字が正式名称で、Unity 1週間ゲームジャムは頭文字が大文字です。なんで?

正式名称は上述の通りですが、やや長いので、unity1weekという名称が使われることが多いです。公式タグも #unity1week です。更に略してu1wと呼ばれることもまた多いです。 

基本的なイベントの概要は公式にあるので、それを読めばいいと思います。

2017年より始まり、2023年現在、24回開催されている歴史あるイベントです。回数を重ねるにつれ、参加者数も増加し、今では毎回300作品以上のゲームが登録される、一大イベントとなっています。
国内のゲームジャムではもしかしたら最大規模かもしれない。

■unityroomとは?

丸くなった新unityroomロゴ の文字つきどこ??

先述したように、unity1weekはunityroom上で行われるイベントです。
なのでunityroomについても軽く触れておきます。

unityroomはnaichi氏を主とした数名の開発メンバーにより運営されている、
unityで作られた作品を投稿する事が出来るサイトです。無料で利用可能です。基本的にはゲームの投稿が殆どですが、ゲーム以外のアプリ(ツール等)も投稿可能です。

この記事の筆者も多数投稿しています(ダイレクトマーケティング)。

(ところでトップページとか作者ページはnoteにサムネでないのな)

◆unityroomの作品で遊ぶには

……説明要らない気もするが。unityroomのトップページにアクセスして、サムネイルアイコンをクリックすれば作品のページに飛びます。あとは各々のゲーム説明に従って遊びましょう。

◆unityroomに作品を投稿するには

……これもそこまで説明要らない気がするが。まずは作者登録をしましょう。現行バージョンのunityroomでは、twitterアカウントかgoogleアカウントがあれば即座にログイン可能です。まあ今の一般的なwebサービス系とだいたい同じ。(ところで直近でTwitterAPIの有料化どうこうで騒ぎになってますが、今の所以前と変わらずtwitterからのログインが可能……なのか? 不安な方はgoogleアカウントの方でログインしましょう。

作者登録直後は、作者のホームページがランダムな文字列となります。
必須ではありませんが、任意の名前に変更した方が良いでしょう。
プロフィールを編集 -> アカウント の項目から変更可能です。

作品の投稿は、右上の「ゲームを登録」ボタンから始めます。
……あとはまあ画面の指示に従って進めてください。

尚、必然的にunity側ではwebGLの形式でビルドする事が求められます。
webGLは独自の仕様も多いので、投稿した作品はちゃんとページ上で動作を確認しましょう。

こちらの記事で、webGLの投稿時にやらかしがちなミスをまとめています。

■unityroomの問題点(?)

基本的には便利なサイトですが、いくつかの懸念事項はあります。

◆unityで作った作品以外は投稿できない

まあ当たり前ですけど。
unity以外のツールで作った作品に関しては他の投稿サイトを使いましょう。

◆サイト自体にそこまで強い集客力はない

一応運営も、より人気のあるゲームサイトを目指しているようですが、
2023年現在、そこまでユーザ数が多いサイトとは言えないのが実情です。
少なくとも、「ゲームを投稿しただけでいっぱいのユーザに遊ばれる」
ようなサイトではないです。ただ投稿しただけでは閲覧数2桁程度で止まってしまうケースも多いかと思われます。

もし自分のゲームを多くのユーザに遊んでほしいと思うならば、
他のSNSでもしっかり宣伝した方が良いでしょう。

◆アセットバンドルなどのリソースの置き場がない

現時点で一番仕様的に痛いのがここかなと。アセットバンドルを置くスペースなどは設けられていないので、アセットバンドルを利用するアプリを投稿したい場合、外部のサーバーを用意し、そこからロードする必要があります。もちろんクロスドメインの問題も解決する必要があります。

実はNCMBのファイルストアを用いることでぎりぎりできなくはないですが……NCMBはCDN形式を用いていないため、アセットバンドルを置く運用には適していないとされています。

ていうか公式で思いっきり名指しで適していないと言われています。
過去になんかそういう事例があったんだろうか  
あまりおおっぴらにやるべきではないです。

■unity1weekの流れ

では実際にクリエイターとして参加する立場で、
unity1week開催から終了までの流れがどのようなものか書きます。

◆製作期間

12:00、日付の変わり際にお題が発表されます。
それではお題に合わせてKIAIでおつくりください。
ここでは1週間でのゲームの作り方は説明しませぬ。

……だとあまりに無責任な突き放しすぎるので、少しだけ書きますと

・とにかく出しましょう。unity1weekは遅刻に寛容(すぎるかも?)です。理論上は評価期間終わっても出せます。とにかく完成させましょう。作品というのは完成させたときにはじめて世の中に存在するのです。

・unityroomの項でも述べましたが、webGLへのビルドと動作確認はマメにやりましょう。エディター上では動作してもwebGL上だと独自の仕様により意図した動作にならない、というケースはままあります。

大事なので再度掲載する! こちらの記事に、webGLにゲームを投稿するときに陥りがちなケースをまとめています。

先人のやらかしから学べ(後述するu1w共有会の1登壇の光景)

◆評価期間

なんとかゲームを完成させて、unity1weekに作品を投稿!
はい、お疲れさまでした……!
とはなりませぬ。 

評価期間です。つまりお互いのゲームを遊んで評価する期間です。
自分のゲームを投稿し終えたら、他の人のゲームを遊びましょう。
そして評価しましょう。

どのゲームで遊ぶかは好きにやりましょう。
サムネで「面白そう!」と思ったやつでもいいし
(逆説的に言えば、「面白そうに見えるサムネ」のリファレンスになる)
自分の作品を評価してくれた人のお返しプレイでもいいし
(unity1weekには自分の作品を遊んでくれた人がわかる機能があります)
単に自分の好きなゲームジャンルを探して遊んでもいいし、
修羅の全作プレイ に挑戦してもいいかもしれません。
まあ最後はオススメしないけど。死ぬから。

ところでシステム的な評価は☆をポチポチすればできますが、
後学の事を考えると、感想を言語化することをお勧めします。
プレイしたゲームの「ここが楽しかった」「ここはこうしたほうがいいと思った」などの点を文章の形でまとめることで、自分へのフィードバックになります。副産物で文章力も上がるかも。

ただ、unityroomにもコメント機能がありますし、実際にunity1weekでも作品にコメントする人もいますが、(これは多分に主観を含めた感触ですが)いささか忖度が行き過ぎている空気を感じなくもないです。過去の色々な作品を眺めれば分かりますが……本当に……ポジティブなことしか書けない空気感は……正直……ある。

個人的には(それこそnoteなどに)感想記事を書くスタイルをお勧めします。自分のフィールドならある程度好きに書けますし。なんだかんだで作者は皆感想に飢えているので、公開すると結構読まれます。

自分も前回そこそこの分量書きました。

まあちょっと忌憚なく書きすぎたので
twitterブロック
されたりもしたけどね!! 

うるせえ誰かに嫌われることを恐れてたら
何も書かないのが正解になってしまうわ!!!!!!!!

◆終了後:unity1week共有会

20:00にイベント終了! 結果が発表されます。
これでunity1weekのイベント自体は終了となります。

しかし、まだ一連の流れは終わりではありません。

unity1week終了後少し後に、unity1week online共有会というイベントが
毎回開催されています。

その名前が示す通り、その回のunity1weekに参加した人から10人の有志が名乗り上げ、各10分でプレゼンテーションを行う企画です。開会、閉会の挨拶や中間休憩を含め、2時間、youtube上で行われます。ぜひリアルタイムで視聴してみましょう。アーカイブは残るのでリアルタイムに都合が合わない人も後から見てもOK。

つい先日、共有会の主催者張本人である青木とと氏による、これまでの共有会の内容をまとめた記事が公開されました。オフィシャルなので良くまとまっています。共有会の詳しいことはこれを読めばいいんじゃないかな。

その他、その回のunity1week参加の振り返り記事をnoteなどに書く作者も複数います。自分を振り返ることは未来の自分に繋がるので、余裕があれば書いてみるのも良いでしょう。

■unity1weekの何が良いか

unity1weekの流れを実直に説明しましたが、ここからは、unity1weekがなぜオススメなのかを挙げていこうと思います。

◆短距離走なので完走しやすい

unityで開発する学生を対象にしたゲームコンテストは他にもあります。unity公式が開いているユースクリエイターカップとかGC甲子園とか。

ただ、あれらは年単位で開催されているコンテストです。
つまり力の入った作品は1年……まではいかなくとも、数カ月は余裕で費やしているようなゲームがエントリーしてきます。

イテレーションが1年っていうのはかなり重いです。
参加できればヨシ! ではありますが、そもそもスケジュールの見積もり見誤って完成できなかったり、その後も芳しい結果が得られなかったら次の機会は1年後……となるわけで。

unity1weekは年に3・4回開催されますし、製作期間も(基本的には)1週間と決まっているので、かなりお手軽に参加できます。1週間って書くと難しそうに見えますが、実際は逆です。1週間で作れるゲームでいいんです。

年単位で開催されるコンテストが42.195kmのフルマラソンなら、unity1weekは1~2kmくらいの短距離マラソンです。日頃からランニングしてない人が42.195km走りきるのは無謀・蛮勇というものですが、1~2kmくらいならなんとかなるでしょう。そういう感じです。たぶん。

たとえ1週間で作られた小規模なゲームでも、ひとつのゲームを完成させ、不特定多数が遊べる形で公開したというのは大きな前進となります。

◆ポートフォリオになる!?

えー、身もふたもない話をします。

どうやらunity1weekで作ったゲームは、ゲーム会社にエントリーするにあたり、立派なポートフォリオになるらしいです。面接もunity1weekの作品から話が広がったりするらしい。実際に24卒の就活した某学生の経験談なので間違いない。

ブラウザに投稿した作品のアドレスをnotionにまとめたものがそのままポートフォリオになるなんて良い時代になったものです。
(CD-Rに焼いて郵送していた時代の人・談)

まあさすがに本当に習作レベル(unity default sky and cubes)だとアレかもしれませんが、ある程度の見栄えの作品が並ぶだけで、他の、業界を志望しておきながら作品が一つもない……あるいはポートフォリオにするためにギリギリ1作作った……みたいな学生より大きくリードできちゃうらしいです。なんて簡単なんだ!

というわけで、今大学2年以下の業界志望の皆さん! 次からunity1weekにいっぱい参加してポートフォリオを充実していきましょう!

※私のnoteで何度も書いていますが、物事の本末転倒には注意しましょう

◆同志をみつけられる

unity1weekは毎回数多くの作品が投稿されます。少なくとも300くらいは。
……ということは、300人近い参加者がいるという事です。もちろんこの300人全てが学生というわけではなく、趣味でゲーム開発をしている人や、本職(プロ)の方も多数います。

しかし、学生もやはり一定数はいます。もしあなたがゲーム業界を目指す学生であるならば、彼らは大事な同志です(そしてあなたも、彼らにとっての同志となります)。

……少なくとも口だけはゲーム業界目指すとか言って、
でもゲーム制作している様子が見られないワナビー共よりもな!!
(忌憚なきインプレッション

(いやでも実際曲がりなりにも本職経験である自分から見ても、ポートフォリオが皆無ないしはギリギリそれらしく仕立て上げた1作だけの学生と、unity1weekに継続して参加して、いくつもまとまった形のゲームを作った事がある学生を比較したら、ノータイムで後者とります。そういうものです。

ところで、unity1weekはunityroomと距離が近く、そしてこれらはUnityゲーム開発者ギルドとも距離が近いです。(どれもnaichi先生運営なので)
Unityゲーム開発者ギルドもまた、業界を目指すならば、是非入ってみたいコミュニティです。

ギルドについてまとめた記事はこちら(こうして記事同士を繋げていく)

■unity1weekの注意点

ところでunity1weekにも、いくつかの注意点があります。

◆モチベーションを外部要因に委ねてはいけない

それこそ共有会でも何回も言われている話だったりしますが。

unity1weekは評価制度があり、そこからランキングが発表されたりもしますが、unity1week参加の動機をそういった外部要因に委ねない方が良いとはよく言われています。理由は明快で、期待の結果が得られなかったときに気落ちして、最悪次回参加のモチベーションが下がったりしてしまうからです。

unity1weekに参加するときは、主観的な評価が出来る目的をもって
参加するのが良いと……

ぬったんが言ってた。 

丸ダイス先生も言ってた。 
このあたりのLTを見ればだいたいわかるでしょう!
どっちも共有会のオフィシャルまとめ記事でもオススメされてたし。

◆自身のステップアップの役には立ちにくい

もしあなたが上昇志向を持つクリエイターで、「自分の作品の足りないところや欠点がないか、他の人からレビューをもらいたい!」と思うなら、残念ながらunity1weekは役には立ちません。なんつーか……さっきも書きましたが、マジで忖度の塊みたいなコメントしか来ないんで……。結局自分がどうやったら成長するかは自分自身で見極めるしかない、というのがunity1weekの実情です。

unity1weekの参加者も色々なタイプがいるので、全体主義的に考えると優しい方に合わせるのは、まあ妥当な所ではあるんですが……俺個人としても、この部分は満足していないところがあり、(自分も他の人から忌憚ないインプレッションをもらって改善に繋げたいタイプなので)なんかいい方法を探したい……とは思っていますが。まあ難しい。

■(毎回何を書くか悩む)まとめ

以上、unity1week(とそれに付随するunityroomや共有会)を
説明する記事でした。

もし! あなたが! 業界を目指す学生ならば!
これほどまでに夢に到達するための、
確実性のある手段はないと言い切れます。

次回のunity1weekがいつになるかはわかりませんが(割と不定期開催)
是非参加してみましょう!!

学生じゃない人もこれを読んだなら参加しましょう!!

◆定型句

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