シンクロニシティ
一週間ぶりに三冠馬が誕生した。
2020年がはじまったとき
まさかこんな一年になるとは誰も思っていなかった。
世界同時鎖国が起こるなんて思っていなかったし、
表に出れない日が来るとは思っていなかったし、
まさに、世界が再起動されるような一年だった。
そんな中、歴史上初の、2頭の三冠馬が誕生した。
牡馬(男の子)コントレイル
牝馬(女の子)デアリングタクト
両者とも、無敗で三冠レースを駆け抜けたのだ。
過去の三冠馬は
男の子で言うと
1941年 セントライト
1964年 シンザン
1983年 ミスターシービー
1984年 シンボリルドルフ
1994年 ナリタブライアン
2005年 ディープインパクト
2011年 オルフェーヴル
2020年 コントレイル
女の子で言うと
1986年 メジロラモーヌ
2003年 スティルインラブ
2010年 アパパネ
2012年 ジェンティルドンナ
2018年 アーモンドアイ
2020年 デアリングタクト
三冠馬自体が滅多に生まれないのに
牝牡共に、三冠馬が生まれることは
おそらく一生見ることができないだろう。
(約10年に1回×約6年に1回としても約60年に1回位だしね)
それが『無敗の三冠馬』ともなればますます。
このありえない現象をリアルタイムで感じれたことは
とても素晴らしいことだけど、
ありえない時代には、ありえない出来事がたくさん起こる。
初代三冠馬、セントライトが三冠をとったのは1941年。
真珠湾攻撃の時だった。
2代目のシンザンが三冠をとったのは1964年。
その時代すべての人の心に刻まれた東京五輪がおこなわれた年だ。
前回、三冠馬が生まれたのは2011年、オルフェーブルだった。
そう、東日本大震災が起こった年だ。
絶望の掛け算がいくつも掛け合わされる中、
まるで震災で傷付いた国民を勇気づけるためかのように
黄金色に輝く栗毛の馬体が三冠レースを制覇した。
そして、今回、新型コロナウィルスにより、
過去最大級の世界異変が起きた。
その失われた何かを取り戻すように、
牝牡共に、無敗の三冠馬が誕生した。
人間が、へこたれそうな時、
不思議と馬から立ち上がれとメッセージがある。
2020年、牝牡共に無敗の三冠馬が誕生したのは、
そういうことなのかもしれない。
牝馬三冠を制したデアリングタクトの力を見出した
ホースマン岡田牧雄さんはこう口にする。
「デアリングタクトが無敗でいるのは好きじゃない。
無敗で強かった馬は印象にない。
本当に強い馬は必ずどこかで負けている。
人間だって負けない人生で成功した人は一人もいない」
「負けない人生で成功した人は一人もいない」
まさにそれが、彼らからのメッセージなのかもしれない。
京都の淀に、二つの花が咲いた。
指揮者のように奏でる大胆な戦略が光り、
澄み渡った空を、飛行機雲が駆け抜けていった。
2020年 W三冠馬の誕生である。
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