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嘘の自分で空回りした話

父と兄が遊んでいたジェンガを右腕で勢いよく崩したことがあった。
確か5、6歳の頃。

私に好意を抱いている人の自尊心を傷つけることを言った。
これは20歳を過ぎてから。

私は興味本位に人のはらわたをえぐるプロだと思った。
いたずらっ子なんて生ぬるいものじゃなくなった。

光が強いとその分影も濃くなった。
あなたの見てる私は私なのかずっと疑問に思っていた。
疑問と、恋心は時間をかけてゆっくりと大きくなっていて(これを世間一般に重い女と言いますね、私はナイフで私を刺したくなる)、意味の無い言葉を意味があるかのように喋った。

だから言葉なんて要らないんだよ。
だって私はあなたの優しさと笑顔と温もりと匂いが好きだった。
私は別の言葉であなたに話しかければ良かった。

そして、先に幻滅したのは自分だろうと、自業自得だろうと私は私を問い詰める。

私が恋してるのはあなたとの記憶だけ。

もっと
信じていればよかった
ありがとうを言えばよかった
優しくしていればよかった
自分をもっと褒めてあげればよかった
こんなに好きにならなければよかった

人のこと好きになっても空回りするだけだよ。
だけど、どれだけ一人の人を好きになったとしても、私の本質は変わらない。
これは父が教えてくれた。

好きな人を信じられなくなったのは、前に好きだった人に都合よく使われたからですなんて多分あなたに言っても仕方がない。
後ろへ歩くより前へ歩いた方が数歩先まで見通せる。


気がついたら私は鳥かごに入って鍵をかけていた。
感情は1本の木から生えてきた何十本もの枝。
ひとつひとつ全て違う。

涙は乾いた。
未練だけ乾かない。
そのうち苔が生えてきそう。

勝手気ままな恋が出来た。
家族以外の他人の優しさを、素直さを知れた。
彼の心に身体の全てを投げ入れ、委ねた。
人間じゃなくなった。
1番の後悔はあなたを沢山傷つけたことです。

人を信じる人になるよ
ありがとうをちゃんと伝えられるようにするよ
優しい人になるよ
自分に沢山ご褒美をあげるよ
幸せになるよ


私はあなたに出会えて良かった。

傷つけて、そして傷つけられたと被害者のように涙を流さないと前に進めなかった。


最後まで自己中心的だね。
あなたが好きだった。

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