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人類学者がみる団地の暮らし

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人類学者である比嘉夏子と水上優が、UR都市機構とのプロジェクトで実施している団地のフィールドワークについて執筆していきます。
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記事一覧

第1回 そこに住みながら、わかろうとする

こどもの頃、団地に住んでいた。 学校から帰ったあとに遊ぶ友達はほとんどが「団地のこども」…

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第2回 新しい住民になるということ

私たちのフィールドワークは「賃貸契約」からスタートした。 契約を行うために、印鑑証明や登…

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第3回 自治のなかにある余白と、ちいさな創意工夫

新しい土地で暮らすには、そこに生活するうえでのさまざまなルールを身につけていく必要が生じ…

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第4回 拡張する井戸端

私たちは今回「団地」を調査している。団地で営まれる暮らしや、そこで息づいている様々なこと…

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第5回 「祭りのまえ」から「祭りのあと」まで

私が団地に住んでいた子どもの頃、夏祭りはひとつの大きな楽しみだった。やぐらが組まれ、屋台…

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第6回 歩くスケール、車のスケール

今回は建物や周辺環境が、団地に住む人にどのような影響を与えているのかを考えてみたい。「団…

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第7回(最終回) 「住む」フィールドワークの可能性

今回私たちが実施した団地のフィールドワークプロジェクトは、おかげさまで予定の期間を終え、無事に幕を閉じた。あらゆるフィールドワークがそうであるように、もっと長く滞在すればもっとわかることも増えていったであろうし、様々な人との出会いも増え、そこでの関わりをさらに深めていけたに違いない。そういった意味で未練がないといえば嘘になる。とはいえ限られた期間と状況のなかで「住む」という選択をし、その目線で行ったフィールドワークだったからこそ、気づけたことはあったはずだ。団地に住むフィール