めしやの孫

私、孫1は今、海外住まい。

日々おばあちゃんのレシピを思い出そうにも記憶がどんどん薄れて来ている。おいしかったのだ。今だって参考にしているのだ。けれども。

中身が思い出せなくて、日本語もこっちの言葉も全てが中途半端になって来て、色んな記憶で自分を信じ切れずに曖昧混沌としている中にも、おばあちゃんの食べ物はおいしいものの代名詞で登場するのだ。

最近は、最新のミーハー話をおばあちゃんにしようと思った瞬間に、あ、そういえば、もう面と向かっては話せないんだって気付いて悲しくなった。

頭では分かっているのだが、まだ認識出来ていない。

でも、悲しいと思うよりも、おばあちゃんの人生は偉大すぎて、あっさりし過ぎて、やり切った感があって。賞賛したいのだ。

近くにいてくれそうで、なのにとっくにこの世の事なんか忘れて、あの世でおばあちゃんが一番輝いていた時代の姿を取り戻して新しい冒険をきっと楽しんでいるのだ。

おばあちゃんとは私が思うだけで、ひとりの人間として本人が一番楽しい時間はいつだったのだろう。

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