【米国市場】ナスダック・S&Pが続伸、withコロナ化が加速

米国株式市場ではナスダック総合(.IXIC)とS&P総合500(.SPX)が続伸。国内で新型コロナウイルス感染者数は増加しているものの、安全かつ有効なワクチンが開発され、新たなロックダウン(都市封鎖)措置は回避されるとの期待が追い風となった。

ダウ平均株価(.DJI)は小反落。航空機ボーイング(BA.N)が1.6%下落し、ダウへの重しとなった。
米疾病対策センター(CDC)によると、米国の新型コロナ新規感染者数は4万3644人となったものの、ワクチン開発を巡るニュースが市場のセンチメントを押し上げた。

製薬ファイザー(PFE.N)は3%強上昇。独ビオンテック(22UAy.F)と共同開発中の新型コロナワクチンが、初期段階の臨床試験(治験)で有効性や十分な忍容性(副作用への耐用性)を示したことが買い材料となった。
ビオンテックの米上場株(BNTX.O)は一時18.9%急伸したものの、終盤にかけて下げに転じ、3.9%安で取引を終了した。

インバーネス・カウンセルのチーフ投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「ファイザーのニュースが株価押し上げを主導した。コロナの治療やワクチン開発、安全な経済再開に向けた明るい材料だ」と指摘した。

朝方発表された6月のISM製造業景気指数が4カ月ぶりに上昇し、2019年4月以来の高水準となったことも好感された。同指数は52.6と、景気拡大・縮小の節目となる50を超え、市場予想の49.5も上回った。
一方、企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが発表した6月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が236万9000人増加した。予想の300万人増には届かず、新型コロナウイルス禍からの回復には時間がかかることが示唆された。
2日発表される6月の米雇用統計が注目される。

午後に入り公表された6月9─10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨からは、新型コロナ感染拡大に起因する景気後退(リセッション)からの回復に向け、FRBがあらゆる手段を行使することに広範な合意があったことが分かった。

フェデックス(FDX.N)は11.7%急伸。新型コロナ流行を受け、宅配需要が急増し、3─5月期の利益と売上高が市場予想を上回った。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.15対1の比率で上回った。ナスダックでは1.19対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は105億7000万株。直近20営業日の平均は134億6000万株。

トランプ大統領、マスク着用を表明

トランプ米大統領は1日、新型コロナウイルス感染拡大の防止に向け、他の人と近い距離にいる時はマスクを着用すると述べた。
トランプ大統領はFOXビジネス・ネットワークに対し「マスク着用を支持する」とし、「他の人との距離が近い場合、当然マスクを着用する」と述べた。
ただ、マスク着用を全国的に義務化する必要はないとの考えを示した。

今日の私見

トランプ大統領が遂にマスクについて表明。
withコロナの世界が浸透しつつあることを象徴している。

明日はいよいよ米雇用統計の発表である。
ADPの雇用統計は予想には届かなかったが、
感染者数が増加している6月が悪い数字でなければ米経済の底打ちしたと安心感が生まれる可能性がある。
一方で、ここまでの株高は米経済のV字回復の期待だ。
経済回復が遅くなることを裏付けられた、と認識されれば、株価は再び売られるだろう。

恐怖指数(VIX)は7時じてんで28.62と30を下回っており、若干楽観的になっていると思われるため、ポジティブサプライズがなければ、上値を跳ねることはないと予想するが、如何に。

出典

ロイター 7/2 米株はナスダック・S&Pが続伸、コロナワクチンへの期待で

ロイター 7/2 トランプ氏、マスク着用を表明 全国的な義務化は不要