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[書評]Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR

はじめに

 OKRという手法についてどこか懐疑的な気持ちを持っていたのですが、上司が読んでいたのを見かけて、ちゃんと書籍から学んでみようと思ってこの本を手に取りました。

ざっくり3行でのまとめ

- 名だたる企業での結果をみる限り、OKRは発揮できればその効力は大きい
- 一方で、入れれば必ず効果を発揮する銀の弾丸のような手法ではない
- ある程度文化的な障害がなく、両輪としてCFRの支えが必要

この本の紹介

 Amazon, Google, Slack, Twitter, Uber...といった名だたる企業の成功に一役買って来たというOKRという目標の管理手法について書かれた本です。数多くの具体的な事例を紹介しつつ、OKRの効力の大きさはもちろんのこと、どういう風に扱っていくとより効果的ななのかについて書かれています。
 翻訳本ではありますが、独特な言い回しなども少なくかなり読みやすい部類かと思います。

この本のポイント

数多くの導入事例とともにOKRについて知ることができる

 Googleに教えた...とありますが、本書で紹介されているのはGoogleだけではありません。最初からOKRがうまく適用できなかった事例についても紹介があるため、OKRという手法についていろんな角度から知ることができると感じました。(個人的には、文化的障害がある時点では、うまく機能しないという点にはやはりか、と合点がいきました)

目標管理としての効率的な手法と見るのは一面的

 管理手法というと、どうしても効率の良さに視点がいきがちです。OKRも目標に対してそれを達成したとみなせる数値的な結果を追いかけていく、という一面だけを見るとただの効率化の一手段に見えてしまいます。

インプットのコストを減らしてアウトプットを相対的に増やすのではなく、同じインプットでもアウトプットを増大できるような仕組み作りなのかなと感じることができました。

具体的なOKRの内容について知ることができる

 これはポイントの1つ目と近しいですが、OKRの具体的な記載例を知ることができます。もちろんすべてが成功を確約された書き方というわけではありませんが、どういう風に書いたらいいかわからない、という場合にも参考にすることができます。

所感

 私がOKRを知ったきっかけは上司から書いてね、という流れだったので、「この手法はどうやらすごいらしく、私たちを変えてくれるようだ」という受け身な認識でした。しかし、本書を読み、どういう意図で用いられているのか、どういう理想を目指しているのかを知ることで、手法が私たちを変えてくれるのではなく、手法を使って私たちが変わっていく心持ちが必要だということに気がつきました。気づきを与えられた非常によい1冊になりました。

カバー写真について

 OKRが組織にとっての進むべきを示すものであり、またその進捗を測れる尺度でもあるということで、どこに向かっていて、今数値的にどのあたりなのかを示す、道路標識を選んでみました。素敵な写真をありがとうございます:)

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