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ばけものフレンズ 第2話

1ー1 通学路

 メガネ、黒い影わるいものに通せんぼをされている。

メガネ「すみません… 通してくれませんか…」
メガネ「ダメか…」

 そこに、妖怪アンテナアホ毛が反応したナシが登場。
 メガネを見つけて声をかける。

ナシ「何やってんの?」
メガネ「ナシさん おはようございます 実は」
ナシ「どけよ」

 ナシの一言に、黒い影わるいものは消える。

ナシ「ほら 行くよ」
メガネ「はっ はいっ!」

1ー2 朝の教室

 メガネ、ナシ、ナナミで話をしている。

ナシ「だいたい ガネっちは弱すぎなんだよ」
ナシ「あんなの小学生でもビビらないって」
ナシ「もうちょっと強くなれよ」
メガネ「どうしたら 強くなれますか?」
ナシ「う~ん ナナミちゃんに特訓してもらったら?」
ナナミ「いいね ガネっち強化特訓!」
メガネ「ぜひ お願いしますっ!」
ナシ「このときまだ メガネは知るよしもなかった」
ナシ「この先に待つのは地獄だということを」
メガネ「不吉なナレーションを入れないで下さい」

1ー3 放課後

ナナミ「じゃあまず バンザイして」
メガネ「こうですか?」
ナナミ「そのまま動かないでね」

 ナナミ、メガネの体をいろいろ触る。

メガネ「…! ナナミん ちょっと…」
ナナミ「はいはーい ナナミんでーす」
ナナミ「もうちょっとで終わるから動かないでねー」
ナナミ「OK やっぱりそうだね ガネっちの今の体は」
ナナミ「動くのには向いてないね」
ナナミ「ちょっと 私の体をイメージして変身してみて」
ナナミ「分からなかったら 触ってもいいよっ」
メガネ「だ 大丈夫です!」

 そのやりとりを、ニヤニヤしながら見ているナシ。
 言われた通りナナミっぽく変身をするメガネ。
 眼鏡をかけたナナミ っぽいメガネになる。
 恥ずかしそうな表情をするメガネ。
 ナシM(コレは… アリだな)

ナナミ「どう? 体 動かしやすくない?」
メガネ「えっ 軽い!」
ナナミ「運動しやすい体にできれば 動きやすくなるし」
ナナミ「強くもなりやすいはず」
ナナミ「でも 私の体だと ちょっとピーキーかな」
ナナミ「逆に変なクセもつきやすいかも」

 ナナミ、ナシを見る。
 ナシが警戒けいかいするよりも早く手を出す。

ナナミ「ナッシー ちょっと触るよ」

 メガネの前で、壮絶なお触りシーンが繰り広げられる。

ナシ「ナナミちゃんに… 触られた…」
ナシ「もうナナミちゃんのお嫁さんになるしかない…」
ナナミ「ありがとうね やっぱりナッシーの体は」
ナナミ「運動に向いてるよ ガネっち」
ナナミ「ナッシーの体になってみて」

 メガネ、ナシっぽく変身をする。
 眼鏡をかけたナシ っぽいメガネになる。
 ナシ、メガネと目が合う。
 メガネ、恥ずかしそうな表情をする。
 ナシM(コイツ 私より女の子っぽいな)

ナナミ「ガネっち どう?」
メガネ「さっきよりも 動かしやすい気がします」
ナナミ「やっぱりね これで準備はOK」
ナナミ「ではこれから ガネっち強化特訓に入ります」
ナナミ「まずは目標 1週間後に私と試合をして」
ナナミ「1回でも私の体に触れたらクリアー」
ナナミ「そのために ガネっちには」
ナナミ「今日から3つのことをしてもらいます」
ナナミ「1つめ ナッシーの体をベースに」
ナナミ「変身を繰り返して 自分に合う体を見つけること」
ナナミ「2つめ トレーニングをして」
ナナミ「体を動かす感覚を覚えること」
ナナミ「3つめ ナッシー相手に」
ナナミ「実戦をすること」
ナナミ「それじゃ 頑張ろうっ!」

2ー1 特訓1

 ナシ、特訓の様子を手紙風につづる。

ナシNナレーション「拝啓 私へ」
ナシN「世の中は不思議なことでいっぱいです」
ナシN「なにがどうして こうなったのでしょう?」
ナシN「私の目の前で 私っぽいガネっちが」
ナシN「ナナミちゃんに お触りされています」
ナシN「ラブコメの波動はどうを感じます」
ナシN「私も混ざりたいです みんなで仲良く」
ナシN「キャッキャうふふ をしたいです」
ナシN「私は 決意しました」
ナシN「ガネっちをボコボコにするという決意です」
ナシN「実戦で 地獄を見せたいと思います」
ナシN「そうと決まれば あとは実行ヤルだけです」
ナシN「やってヤルですっ!」

2ー2 特訓2

 ナシ、腕組みをして仁王立ち。
 黒い腕を出して、ブンブン振り回す。
 メガネ、かわしながら進むが、
 すぐにグーパンチが当たってしまう。

ナシ「っ全然ダメ ダメ ダメダメダメダメダメ」
ナシ「そんなんじゃ100年経っても強くなれないって」
ナシ「ハイハイ へばってないで立つ!」
メガネ「はいっ!」

 立ち上がった瞬間、再度のグーパンチがヒット。
 メガネは意識を失う。
 ナナミ、メガネを抱えて保健室に移動する

ナナミ「ナッシーから見てガネっちはどう?」
ナシ「頑張りは認めるけど 私に触るだけで 100年はかかるよ」
ナシ「1週間は絶対に無理」
ナシ「ましてや ナナミちゃんに触るなんて」
ナシ「一生 ムリムリ」
ナナミ「そうかぁ 私は可能性あると思うんだけど」
ナシ「なんで?」
ナナミ「ガネっちの目 かな」
ナナミ「本気で強くなりたい目だったから」
ナシ「ふ~ん そうなんだね」
ナシ「気持ちだけじゃ なんともならないと思うけどな~」
ナナミ「じゃあ 賭ける?」
ナシ「いいよ モノは?」
ナナミ「高級な飲み物スタバのドリンク
ナシ「OK」

 メガネ、目を覚ます。

メガネ「すみません ナシさん どこが悪かったですか?」
ナシM(起きて第一声が それか マジだな)
ナシ「全体的にダメだから トレーニングだね」
ナシ「基礎をしっかり固めた方がいいよ」
ナナミ「私もそう思うよ」
メガネ「はいっ ありがとうございます」

 ナナミ、ナシに視線で(行けそうじゃない?)を伝える。
 ナシ、肩をすくめて(いやいや)を返す。

2ー3 特訓3

 ナシ、特訓の様子を見ながら、手紙風につづる。

ナシN「拝啓 私へ」
ナシN「慣れとは恐ろしいものです」
ナシN「あんな光景も いまではすっかり日常です」
ナシN「見た目はだいぶ ガネっちに戻りました」
ナシN「今日も2人は 骨格と筋肉について」
ナシN「キャッキャうふふ をしています」
ナシN「もう慣れました」
ナシN「しかし 実力の方は まだまだです」
ナシN「まあまあ マシにはなっていますが」
ナシN「残り時間で仕上げるのは厳しいです」
ナシN「私は 決意をしました」
ナシN「スパルタ教育です」
ナシN「地獄の先を 見せたいと思います」
ナシN「そうと決まれば あとは実行ヤルだけです」
ナシN「やってヤルですっ!」

2ー4 特訓4

 ナシ、メガネと実戦を行う。
 メガネ、ナシの激しい攻撃をかわし続ける。

ナシM(おーおー なかなか粘るじゃん)
ナシM(でもまだ よけるのがやっと)
ナシM(近づけなきゃ 意味ないから…)

 そう思った瞬間。
 メガネ、予想しないコースと早さで距離をつめる。
 ナシ、新しく黒い腕を追加して振り払う。
 メガネ、吹き飛び転がる。
 ナシ、冷や汗を浮かべる。

メガネ「…もう1回お願いします」
ナシ「いいじゃん やる気じゃん」
ナシ「聞くひまがあったら かかってきなよ」
ナシ「ナナミちゃんと約束は明日なんだからさ」

 ナシ、腕組みをやめて、メガネと相対する。
 メガネ、雰囲気が変わる。

ナシM(そんな目をしやがって)
ナシM(ちょっとゾクゾク しちゃうじゃんっ)

 メガネ、黒い腕をかわしながらナシに近づいていく。
 ナシ、向かって来るメガネを叩き落とす。
 なんども繰り返していくうちに、
 2人の距離がだんだん近くなっていく。

ナシM(前よりも打たれ強くなってる 動きもはやい)
ナシM(それに こっちを真っ直ぐ見てくる)
ナシM(って ガネっち こっちしか見てない!?)
ナシM(腕は? 予想してかわしてるのか)
ナシM(攻撃を読まれてるっ)

 メガネ、かわした腕を使ってナシの視線を切る。
 ナシ、メガネを見失う。
 ナシ、急いで視線を走らせる。
 次の瞬間。
 ナシの目に、メガネの真剣な表情が大きく映り込む。
 ナシにメガネの声が届く。

メガネ「タッチ」

 ナシ、メガネの手を確認する。
 その手はナシの胸に触れている。
 反射でメガネを殴る。
 メガネ、吹き飛び気絶する。
 ナシ、なにが起こったのかを遅れて理解する。
 恥ずかしさにしゃがみこみ、赤くなった顔を両手でおおう。

3ー1 決戦

ナナミ「ナッシー ありがとう」
ナナミ「おかげで ガネっちもかなり仕上がった」
ナナミ「それじゃ時間だね」
ナナミ「特訓の成果を ぞんぶんに見せてっ!」
ナシ「ナナミちゃん… 提案があるの」
ナナミ「なに?」
ナシ「ガネっちは強くなった でも」
ナシ「ナナミちゃんには絶対に勝てない」
ナシ「それはナナミちゃんもわかってるでしょ」

ナシM(それでも 私は ちょっと期待してる)
ナシM(ギリギリ 届くかもしれない 可能性に)

ナシ「だから2人にして」
ナシ「私とガネっち 2人でナナミちゃんに触れたら勝ち」
ナシ「どうかな?」
ナナミ「いいねぇ そっちの方が面白そう」

 ナナミ、七尾の姿本気モードに。
 動くために鍛えられたしなやかな体に、
 メガネとナシは緊張で息を飲む。
 2人とも、視線はナナミから外さない。

ナシ「ガネっち 隙をつくるから アドリブで近づいて」
ナシ「私の攻撃を読めるなら できるでしょ?」
メガネ「了解です」
メガネ「ナシさん」
ナシ「なに?」
メガネ「ありがとうございます」
ナシ「それ 負けフラグだから」
ナシ「だから 全部終わってから言って」
ナシ「それじゃ 行くよっ」

3ー2 決着

 体も精神もボロボロの2人。
 地面に大の字になり青空を見上げる。
 ナナミの強さに、お互いに「なんも言えねぇ」状況。
 そんななか、ナシは青空に向かって言う。

ナシ「やるじゃん ガネっち ……見直した」

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