見出し画像

文学フリマ攻略 接客術

履歴書籍のスーパー売り子「きなこ」に接客のコツを聞いてみました。
彼女は本当に売るのが上手で、弊サークルの売上の大部分を担っています。
私は、彼女の能力を高く評価しており、売り子として時給4000円で協力してもらっています。
(ちなみに文学フリマ東京36では弊サークルは2時間で100冊売り切りました。)それだけの価値が、彼女の接客にはあります。そんな彼女に今回は接客のコツを聞いてみましたので、皆さんにノウハウをシェアします。

接客前の準備
口角を上げて写真撮影の時の1+1=2の
口の形で発声

声が大きいからと言って、相手に伝わりやすい声な訳ではありません。声が大きくなくとも伝わりやすい声はあります。それが明るい声です。例を挙げると写真撮絵の時の「2」の口の形です。もちろんお腹から声を出しましょう。お腹からの声の出し方がわからない人は、横に寝転んで、天井を見ながら発声してみましょう。自然に腹式呼吸になるはずです。その状態で、口を「2」にして「こんにちはー」と練習してみましょう。

まず一番「いかに立ち止まってもらえるか」

履歴書籍の場合は「履歴書籍」という四文字熟語が目を引くので、挨拶をするだけで十分らしいです(光栄)。そうではない、長いタイトルの本や、タイトルから中身が想像し辛い本はキャッチフレーズが必要。それ故に、売り子には事前の商品理解の時間が必要です。

2秒で完結させる
そして一方向から双方向へ

キャッチフレーズは二秒で言い切れる文量がベストです。履歴書籍なら通り過ぎる人には「こんにちは、個人情報売ってます」となります。立ち止まった人には「読むだけでもいかがですか?」と試し読みを勧めます。その時に「お兄さん」「お姉さん」など「あなたに言ってます」という双方型のコミュニケーションに昇華させる。

双方向コミュニケーションになってから、
初めて本のディティールの説明ができる

履歴書籍の場合は、このタイミングで初めて「正規の履歴書には書けない、本当の履歴書です(以下続く)」とディティールの説明に入る。このタイミングの理想の分量は10~15秒程度。本の内容の大事なポイントは大きく明確な声で、全体的に抑揚をつけながら話す。お客さんの目線は本に行ってるはずなので、お客さんの様子を見ながら、体を正体に向けて話します。場合によってはお客さんの目に留まっているページの概要を説明しても良いです。うまくイメージできない人は自分が丁寧と思う接客を思い出してみてください。接客されるのが苦手な人でも丁寧と思う接客はあるはずです。要は必要なタイミングで最低限のコミュニケーションを行えることが丁寧な接客と言えるでしょう。

端的で抑揚ある話し方の例

端的に、結論から話しながら、大事なポイントで緩急をつけている良い例です。しかも決してテンションが高いわけではありません。この動画は内容も面白いですがプレゼンテーション能力の高さも伺える良い教材と言えるでしょう。


更に興味を持ってもらえたら自分の感想を述べる

お客さんが、ある程度本を読み進める段階にまで入ったら、自分の感想を伝えます。その時に、お客さんに共感してもらえる様なことを言います。例えば、履歴書籍の場合だと「普通だとこういう人生は体験できないですよね?」と問いかけて「そうですね」などの返答から会話を展開する。あまり話し過ぎると、読みたいのに読めないという良くない状態になるので、会話のラリーは1〜2回程度で良いです。

NGなのは反応に困る会話

自分が話したい感想だからと言って、お客さんに最初から情報量の多い会話を投げかけて、お客さんを聞き手に回しすぎてはいけません。大事なのは、お客さんから返答を引き出すことです。そして、返答は返事程度で大丈夫です。返答に困る内容の会話はせっかく持った興味を削いでしまいます。繰り返しになりますが、ここで大事なのはお客さんに合った会話の展開です。履歴書籍の場合だと、女性のお客さんには「元外見コンプレックスのモデルの履歴書」を勧めたり「モラハラ元カレの履歴書」などを勧めるなどカスタマイズしています。なので、企画段階の話になりますが、キャッチフレーズになる章立てのネーミングセンスも必要になってきたりします。

キャッチフレーズは事前に打ち合わせる

順番が前後しますが、キャッチフレーズの重要性を理解していただけたと思いますので補足します。上手い接客とは、キャッチフレーズをテンポよく出せる能力も重要になってきます。これは、熟練者でない限り、その場で思いつけるものではありません。むしろ熟練者程、常日頃から上手い説明のキャッチフレーズを練習しています。ですから、文学フリマ前に良いキャッチフレーズを、できれば複数人で打ち合わせるのが良いでしょう。キャッチフレーズが多すぎて覚えられない場合は、売り場にポップを作りましょう。お客さんからも分かりやすいですし、自分のカンペにもなります。

全員同じセールストークにする必要はない

正直、そのブースが全員同じセールストークをしていると、かなり気持ち悪いと思います。大事なのは、内容を自分で理解、納得し、腹落ちさせて、自分の言葉で語ることです。その方が人間味のある接客ができます。

買ってもらえなくても最後まで挨拶はしろ

してくださいではありません「挨拶はしろ」です。お客さんも貴重な時間を割いて判断してくれた結果、売れないことも多々あります。そんな時でも「ありがとうございます」や「またお願いします」など、最後まで声がけをしましょう。買わなかったお客さんや、これから買おうとしているお客さんも見ています。場合によっては後で戻って買いに来てくれるお客さんもいます。なので「挨拶はしろ」です。

買ってくれたら全力でありがとうございます

当たり前ですね。

以上!!!!
みんな良い文フリライフを!!!


この記事が参加している募集

文学フリマ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?