宮﨑駿の今みているもの #君たちはどう生きるか 感想
かへっかへっかへっ
スタジオジブリの最新作を見に行きました。7月14日封切で現在17日。すでに話題になりついったーを見ているとネタバレを踏みそうで怖い!とついったーにつぶやきました。
ちょうどその時お友達から見に行きません?!とお誘いを受けたので超特急で開けられる日を探して見に行きました。面白かった。
エンドロールで流れる米津玄師のかすれた歌声に「この人の声って民謡にぴったり合うんだな~」と心地よさを覚えながらも、久石譲の名前を見つけてドバっと涙が出てしまいました。奇しくも遺作になってしまったのかしら…。ぽろんぽろんと序盤から響くピアノの効果音が美しくて音楽誰がやっているんだろうと気になってました。美しい音楽をありがとう…。
宮﨑駿のような徳の高い(作品を作る)人が、アラナインティというカジュアルに「お迎え来ないかな~」とか発言する年になって作ったものとして、なるほどちょっと駿さんが見ている「あの世」と少年期の思い出と現在の自分とをドンドンドン!と技巧を凝らして混ぜて作った素敵ワールドなのかな~
と思ったけどまだ82歳だったので全然元気かもしれない、あと3作ぐらい作ってほしい。というのが全体的な感想です。
これは考察で何かが得られる作品というより、あるがままのジブリの世界観を感じるアトラクションではないかなと思います。楽しかった。何もわからんけど。ほんとなんもわからん。考えていく端から何もかも矛盾している気がするけど、それでいいんだろうな~と思えるぽわんとした後味の良さ。
あおさぎ可愛いよあおさぎ🐧
ジブリワールド特有の「きも・かわいい・カミ様」がいっぱいいてよかったです。むしろ「これを書きたかったのでは…?」と思うくらい豊かでたくさんでよかったです。謎でしたけど。深く考えないほうがいいタイプの「カミ様」なんだと思います。宮﨑駿、残りの余生は「きも・かわいい・カミ様」をたくさん描いて生きてくれ…っていうくらいたくさん描きたいんじゃないかな…というパッションを感じました。新「カミ様」の「わらわら」はちょっと現代みを感じましたが、それでもひょこっと生えてくる手足がジブリだな~と思いました。ぬいぐるみが欲しい。
あと久しぶりに「もののけ姫」のアシタカの系譜のジブリ男子を見て、友達と別れて家に帰るにつれてどんどんときめきの気持ちがわいています。最近死んでいたと思っていたのに…ジブリ男子の顔が好きだ、寡黙で雄弁ながらもどこか据わった目も凛々しい眉毛も好き、美しい見目なのに「死の匂いがするね」とか言われちゃう寂寥感を抱えている。そしてケガや呪いで苦しみ冷や汗をかきながら力強く獲物を見据え、寝床を飛び出す無鉄砲さ。恐怖って感情ご存じありませんか? 痛覚あります? って聞きたくなるくらいわが身を顧みない勇敢さ。はあ~好きだ~めっちゃショタなんだけどさあ~
大人になると宮﨑駿の性癖がわかっちゃうんだね…ふふ…と優越感に一瞬だけ浸りましたが、いやこれは私の性癖がねじ曲がっただけじゃない? もう戻れない純粋にアシタカやパズーをかっこいいと思っていたあの頃には…。という時の流れも感じました。無念。
これは意地悪な批評なのですが、本作の主人公の「眞人」と呪術廻戦の「真人」と同じ名をつけられたキャラクターの対比が面白いなと思いました。「まことの人」。呪術の「真人」はとことん人の愚かさや醜さを具現化し嘲弄する存在であり、たいして君たちはどう生きるかの「眞人」は死の匂いをまといながら好きなのかもわからない義母を追って危険に身をさらし、であったばかりの謎の生き物を「友達」と呼ぶ存在なのです。「まひと」という名に込められた呪いと希望の差に、戦後ずっとアニメを作り続けてきたスタジオジブリと、現代を映す鑑の一つであろう作品を出しているジャンプ編集の……徳の差を感じたって言ったらかなり意地悪でしょうか?
そもそも徳ってなんやねん……って思うんですけど、映画を見たあとに「おもしろいものを見た~」「心地よい~」「ふわあ~」っていう気持ちに純粋になれるのは徳が高いと思うんですよね。最近後味べべべって作品多いからなおさら…。
あと、ぬるぬる動くアニメを見慣れた現代人として、久しぶりに「静」のアニメを見てすごく落ち着く気分になりました。美しい海や草原の景色、豪華な調度品の並んだお屋敷、なぜか虎の屏風で迎えられる玄関、塔の俯瞰と見上げる角度の景色、白いペリカンが空一面を埋め尽くすように空を飛び、色とりどりのインコが羽ばたいていく。仕事場の雑多で賑やかな空間。繊細で大胆で麗しい景色を背景に、人々が物語を織りなし、言葉を交わしていくのを見るのは、絵本を映画に描き出したような豊かな世界観でした。
正直、そこそこ大人になった身として、なんでもかんでもぬるぬる動くアニメはどこ見ていいかわからないし疲れるな~と最近思っていたので、一枚一枚の絵が充実しているジブリはそれこそ実家に帰ったような安心感でした。生成AIでなんでも動画にできる時代だからこそ、これからもっと一枚の絵、世界観を大事にしたアニメーションが大切にされるといいな~と思います。はかない夢のような気もしますけど…。
完全ジブリ新作大いに楽しみました!ちまたではいろんな過去作のオマージュや伏線回収が…とか言われていますが、そんなに私は感じなかったです。ジブリ節だ…好き…実家…と抱きしめたいくらい。
とにかく、この映画を見て何か具体的に考察や感想を言える人すごくない?!もしくは何かのこじつけじゃない?!と思いました。どうか世間の人、SNSのウケを目指して的外れなことなど言わないように…何をいっても的外れになりそうだなこの映画…と願いますが無理な気がする。SNSの感想なんて信用するんじゃないよ!(湯ばあば口調)
ここまで読んだ人はすでに映画を見た人だと思いますが、まだ見ていない人が万が一いましたら素敵なジブリ男子がいるので見てください~!!!!たぶんあれはアシタカの子孫だと思います。
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