異国に思いを馳せる

子どもたちを連れて近場のショッピングセンターへ買い物に行った。私のお目当ては異国のお菓子。コーヒーに合うお菓子を買い集めるのが最近のブームなのだ。特に手作り感のあるクッキーが好きである。市販のものは市販の味と食感がしてどうにも苦手なのだ。だから私は海を超えた先の未知のお菓子に多大な期待を抱いている。「可愛い缶箱に入ってるクッキーが欲しいなあ」などと期待に胸を膨らませて売り場へ向かった。



クッキーの種類が少ない。キャンディーやビスケットは沢山あるのに。何だよ何だよ品揃え悪いなあ、なんて文句を言ったところで品数が増えるわけではないので、選ぶ程のラインナップでもない中からオランダ産のピーナッツのクッキーを手に取る。ついでにスウェーデン産のアーモンドのビスケットも。ついでについでにどこか産のミントキャンディーも追加。ナッツ類って慎ましくありながら風味や食感がしっかりあって大好き。ちなみに胡麻も香ばしくて好き。もし森の中で生きる動物になるならリスになりたい。私は毎食木の実でも飽きずに食べられる気がする。可愛い缶箱に入ったクッキーは買えなかったけれど、お目当ての外国産のお菓子が手に入って一先ご満悦の私である。まだ食べていないのだけど大層美味しいに違いない。ナッツ類が入ってるお菓子は総じて美味しいと決まっている。間違いない。



そうそう、こういうお菓子は食べるのだけでなく、視覚情報でも楽しむのが私流である。特にデザイン。日本で売っているものより温かみのある可愛いデザインのものが多いように思う。とか言ってみるが、単純に外国っぽいな~と思って眺めているだけだったりする。とりあえずその「異国っぽさ」を楽しむのだ。あの国の人たちはこういうパッケージのお菓子をボリボリ食べながらコーヒーを飲むのだなあと、その国の人たちの生活に思いを馳せる。何というか、自分の家のテーブルの上にある異国のお菓子は何故かそれだけ浮いているように思えるのだ。その産地の人の家のテーブルの上にあれば馴染んで見えるのかもしれない。こういうものが当たり前に食卓にある家ってどんな感じなのかなあと想像するのが堪らなく楽しい。私は海外旅行というものをしたことがないので、オランダもスウェーデンもどのような風土でどのような人柄の人が住んでいるのか知る由もないのだが、逞しい想像力を駆使して勝手にその国の情景を思い描くのだ。そう、私にはポピーの花畑や風車が見える。それが正解かどうかはまるで分からないのだが。



私にとっての外国とは、最近流行りの転生した世界のようなものだったりする。まるで別世界ということだ。だからその異世界のお菓子が、唯一私にとってその世界と自分の世界を繋げてくれる大切な代物なのだった。いつか行ってみたいなあ、オランダ、スウェーデン。美味しいお菓子が沢山ありそうだ。まだ買ったお菓子食べてないけど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?