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カローラツーリングにノックアウトさせられた話

ある日私が所属している部活動の活動で関西へ行き、そこから東京へ帰る時にトヨタレンタカーの片道GOを漁ってみました。
調べると多くのクルマが用意されているとはいえほとんどがヤリスなどのコンパクトカーである中、一台カローラツーリングの空きがあったのです。
片道GOは、どの車を借りようが、自ら返却前に払う燃料代以外に値段が変わるものでは無いので折角ならとカローラツーリングのハイブリッドモデルを借りる事ととしました。

私の車の価値観はまだまだ未熟です。それは絶対的な車に関する経験不足もありますし、22歳という年齢が故に人生という大きなスケールをもって車という物を考える事が出来ないという事にもよるでしょう。
とはいえそれなりに真剣に車に対して向き合ってきたつもりでした。自動車部に所属してジムカーナをしたりエンジンを載せ替えたり、自動車販売店でアルバイトをして車が売れてく現場を見て多くの車に乗ったり、それなりに大学生としては濃すぎるといっても良いくらい車に関して充実した時間を送ってきたつもりでした。
そしてこれらの活動の中で多くの車に触れてきました。タダで部活動に寄付をしてもらった軽自動車や、往年の名車と言われる国産スポーツカー、人々の生活を支える2トントラック、ハイエースからまた誰もが憧れる有名スポーツカーや、誰が扱い切れるんだと言わんばかりのパワーを秘めたサルーン。

車に関してそれなりの経験をしているという自負がありました。
話を冒頭に戻します。
関西から東京までハイブリッドのカローラツーリングで帰る事としました。TNGAの車で長距離をちゃんと乗る機会も無かったので多少ワクワクしていた事はありますが、たかがレンタカー。何も考えずに東京に着いてくれればいいやというようにそこまで期待をせずに乗った車でした。
しかしその期待は良い方向に裏切られます。私はモータージャーナリストでも、車の専門家でもないので車に関して細かい事は何も言いませんが、とにかく私の予想や期待を遥かに超えた車でした。それは1.8リッターハイブリッドの走りに関しても、ツーリングボディの実用性に関しても、そして恐らくトヨタなので耐久性に関してでも応えてくれる事でしょう。
この車でいいじゃん、いやこの車がいいよというのが東京まで乗って抱いた感想の総括です。
この瞬間、今まで膨大な時間やそれなりのお金をかけて積み上げてきた自らが必死に価値観を磨いてきたという事実を、このどこにでも走っているカローラツーリング、それもレンタカーにという、表現があってるかわかりませんが「コモディティ」側にいる車に崩された様な。表現が難しいですがこんなに遠回りをしたのに目の前に正解があったじゃんと感じさせられたというのがとても悔しかったのです。背伸びして最新の輸入車、それも最高のグレードに乗ってみたり、誰もが憧れるスポーツカーに乗ってみたり、もちろんそれらの車も良くて、欲しいと思わさせられる車でしたが、自分にとっての最適解と言うのか、全てを踏まえて欲しいと思える車がこんな近くにあったとは。狐につままれたような気になった、と言うのはこの様な時に使う言葉なのでしょうか。

どこにでもいるトヨタ車

カローラツーリングにトヨタの王者の風格を感じさせられました。何も期待しないで乗るトヨタ車って何気に凄いことが多いです(自社調べ)。先代のアルファードもまさにそうで、最初毛嫌いをしておりながらも乗ってみるとこれでいいじゃんという様に、トヨタの車が売れるのにはちゃんとプロダクトに理由があるんだなと認識させられます。

ポカンとさせられたカローラツーリングでしたが、このカローラツーリングの魅力に気付けたのはこれだけ言っておきながら、その遠回りをして得た車の価値観によるおかげでしょう。恐らく免許を取ってすぐカローラツーリングに乗ってもこの車いいじゃん!とまではいかないはずです。
だからこそ多くの車に触れていろんな世界を見るのが楽しいんです。新しい経験をすればするほど既存の経験の感じ方や見方と言うのも変わっていきますし、車は特にこれが顕著です。100年に一度の大変革の時代と言われる自動車、これに期待して自らの価値観を常にアップデートできるよう精進したいと思います。


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