就活に必要なものはまつげパーマ
長年の不登校で自己否定が相当強かったわたしは、高校で自虐キャラを身につけて少しナルシストになった。
ナルシストになってしまった以上、「就職できそう」と思われていたかったし、自分でもそう思い込みたかった。
そのためにわたしがやったことは4年間でとにかく自信をつけること。
地方進学で一旦実家は出ていたものの、関東には戻ろうと思っていたので、就活は戦(いくさ)だとわかっていた。
満員電車、知らない土地、イレギュラーなスケジュール、締切、初対面の人、人、人。
その全てと戦わなければならないのだ。
通学だけでもプレッシャーだったよわよわ星人なわたしは長い目で計画を立てた。
「就活する時に自信を持った自分でいられるように4年間過ごそう」
部活やサークルは承認欲求が満たされ自信に繋がったけれど、それよりも目に見えて媚びれる履歴書を作ろう!と決断し行動したことがわたしの自信になっていった。
研究室のリーダーになってみたり、TOEICを受けたり、ボランティアをしてみたり、何十種類ものバイトをしたりした。そうこうしているうちに、一時的に肩書きになるような軽いライターのお仕事や留学の切符も手に入るようになった。段々やりたい事に対策を練って挑めるようになり、「あぁこれの延長線上に就職採用があるんだな」と気づくことが出来た。
でも、就活中はそれでも自己否定に陥ってしまった。鬱っぽくなったことがない人は鬱になるかもしれないという不安と戦わなくていいから羨ましいとか、就職できなかったらどうやって生きていこうとか、何社も受けていないうちからどうでもいいことを考えていた。
そんなわたしが引きこもらずに就活を終えることができたのはまつげパーマのおかげだ。
学生時代から、容姿を変えると周りの目線が変わるのはわかっていた。急にイメチェンするのは恥ずかしかったから、節目節目に変えてきた。(知っている友達も多いかもしれないが就活から逆算して在学中にプチ整形もした。)
まつげはわたしの背中を一番最後に押してくれた。緊張する面接の朝、鏡を見たワイシャツ姿のわたしはまつ毛が上がっていた。それだけでメイクが楽しかった。
会場に到着する前、最後に見るのは自分のまつげだった。
最後に見る鏡でテンション上げられたらもうこっちの勝ちだなと思う。無理やりでも気持ちをつくって臨まなければいけない時もある。
今後就活生に会うことがあったら、まつげパーマと眉毛サロンをゴリ押ししていくと思う。勿論、就活成功できそうな実力や自信、実績があるのが大前提だけど、みんなそれでも不安だから…。
「先輩、就活って何したらいいですか?」
「うーん、まつげパーマかなぁ。」
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