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屋久島を学ぶ⑤森と山の日:羽神岳

屋久島を学ぶシリーズ 全10回中、5回目です。
やっと半分!!!

今回は、森と山の日。
森を散策しながら、羽神岳を登ります。

■羽神岳は道がない

羽神岳は白谷雲水峡に近い 1,228m の山で、道がないためルートファインディング&主に藪漕ぎになります。

この日も、地形の読み方のポイントや注意点を教えてもらいながら歩きます。自分なりに地図の地形を見て「こっちの方角かな?」とか「こう降りればいいかも!」と予測しますが、現実と全然違う…。
最初からうしろをついて行ってるだけで、正置(自分のいる位置と地図の方向を一致させる)をしてないからそうなるんだけど、仮に正置をしていたとしても、地形図の情報だけだと滝や崖にぶち当たっておりれないとか、わからない注意点もあることを学びました。

崩れやすいなどの環境特性と、経験と、地形図をあわせた3Dフィールドマップを頭の中に描きながら、その場から見えるものから新たに割り出してるんだなと感じました。ものすごいな…。わたしはまだまだまだだ…。
登山アプリは、記録用だったりルートをなぞるのにとても便利ですが、地形を読めた方がよりたのしいし、遊べる場が増えるし、身を守れる手段が増えるんだと再認識しました。


■森散策は魅力がいっぱい!

羽神岳へ向かうまでの森散策は魅力がいっぱいで、とってもたのしくなっちゃったーーー。今まででかなり上位に入る素敵な森かもしれない!!けれどそれもまた自然相手のことなので、どんどん変化していくんですよね。タイミングとか、たまたまの出会いもまた魅力のひとつだと思う。

タカサゴサガリゴケの楽園!
黄緑や深緑の苔が、元気よくもっさもっさいる!
地面にいるはずのツチトリモチが木の上に!?
立派っていうか…流動かっこよ杉!!
樹の中に住める!などなど。

目につくものが増えてきて、歩くのが本当にたのしい。
写真と共にちょこっとご紹介。

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藪から抜け出ると、タカサゴサガリゴケがもっさもさ!
枝から垂れ下がる黄緑の細長い苔で、暖簾のよう。もっさもさなのは、藪が抜けて光がいっぱい入る環境だからかも?いいねぇ〜


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あれ?これってツチトリモチですよね?(一見キノコに見えるけど、主にハイノキの根に寄生する植物で、赤い部分は花。)


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あれーーー!?樹の上にいる!!!!
ハイノキの根に寄生するのがツチトリモチなので、樹の上にいるのは不自然なのです。=それがわかるのもたのしい! そして、なんでだろう?とその場で可能性を探るのもおもしろいです。


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杉は樹齢を重ねると、木肌が水のように流動する形になっていって本当にカッコいい。だいすきだー


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とても苔がうるおっていたので、スマホ用マクロレンズで撮影。
あるとたのしいです!スマホ用のマクロレンズは100円ショップにも売っていますので、手軽に始めてみるのもオススメです。ちなみにわたしの使っているレンズはこちらで、現状満足しています!


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うわーーーー。
縄文杉のように、でっっっっかい杉。以前は他の樹が目の前に立ちはだかっていて見えにくかったらしいですが、台風かなにかで倒れてこんなにひらけた場所に!!縄文杉は近づけないけど、この杉であればジッと観察できますね。なんだかお近づき感があってうれしい。


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流動の迫力!!!!

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ついつい自撮りもしてみました。
ひえーーーーでっかい!


■あれ?三角点は??

そんなこんなで観察とかたのしいことが多すぎて、ゆったりペースになってしまいましたが、山頂も!!

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頂上は展望はなくて三角点のみ。
あれ?三角点どこだろう?って探してたら…


「ありましたよー!」


…ん??

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わっ!!
苔かくしにあってた、笑笑。

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苔はむきむきして、湿った倒木の上に移動〜


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無事発掘!!
山頂では、これが一番テンションあがりました、笑。
三角点が隠れるって!なかなかない!!

それだけ人が来ないってことかなー?


■帰りの森歩きも驚き

帰りは来た道を戻るのではなく、また別の道。

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こちら、実は樹の中です。

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これは…
住める!!!

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なんだか樹が飲み込まれちゃったのかと思うぐらいのねじれ感!すごいですねーー。今まで気にしてなかっただけで、こんなことが森ではたくさん起こってる。


■感じたこと

今回もまた、ルートファインディングで連れて行ってもらいました。
そして展望のない羽神岳の山頂。

屋久島に限ったことではありませんが、
山頂に行くことだけが目的ではなく、目指しながらもその過程をたのしんだり、行き方自体を自ら見つけたり、相談しながら予測しながら観察をたのしんだり。その人次第でたのしみ方は無限に広がっていくのではないか?と感じます。

屋久島は苔の種類も多く、水が多いところにいる苔、乾燥に強い苔、コンクリートが好きな苔…などなど、見かける場所によって「あ、ここは乾燥しやすいのかもー?」など、みて状況をたのしむこともできます。
ちなみに日本の苔の種類は1600種ほどで、そのうち約600種が屋久島にいるようです。多いですね!!

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帰り道に振り返った森は、とても美しい森でした。


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