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【連載小説】アヘアヘキングダム 3rd Season Story 42

ツキアカ

ツキアカ:大手商社の企画・戦略部長。ユィミの活動をインディーズ時代から応援していた。インディーズ時代のファンクラブ「じゃんぴん歌姫」会長だったことから、ユィミには「会長」と呼ばれ続けている。ユィミがメジャー移籍後も、彼女の活動を陰で支え続けていた。ユィミの実の父親。元妻のユーヤとは、ユィミが1歳の時に離婚。ユィミには自分の正体を明かしていない。


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ユィミ:元プロ歌手で、現在は1児の母。癒し系の人気歌手だったが、結婚・出産を機に引退した。ツキアカは実の父親だが、ユィミはその事実を知らない。


【Talking at a café  カフェで2人話】

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ツ:僕がユィミさんに伝えたいこと、そろそろ言ってもいいかい?(笑)
ユ:あ、ごめんなさい(´ゆωゆヾ お願いします。
ツ:僕ね、スイスに移住することにしたんだ。
ユ:・・・・・・え?
ツ:それで、次にいつ日本に帰って来られるのか分からないから、出発前にユィミさんには会っておきたくて。
ユ:・・・(๑꒪ټ꒪๑)・・・
ツ:それで今日はお呼びだてしました(笑)
ユ:いや・・・・・・え?(๑꒪ټ꒪๑)
ツ:うん。
ユ:会長の仰ってる意味が分かりません・・・(๑꒪ټ꒪๑)
ツ:いや、スイスに移住を
ユ:分かりません。ダメです。却下します(´ゆωゆ乂)
ツ:却下って(苦笑)いや、急な話で驚かして申し訳ないんだけど。
ユ:えーーーーーやだーーーやだやだやだーーーヾ(:3ノシヾ)ノシ
ツ:ユィミさん・・・(苦笑)
ユ:えーーーー(´・ω・`)ーーーー・・・・・・いつ行っちゃうんですか?
ツ:明後日。
ユ:ちょっと会長!!もっと早く言ってくださいよ!!(`ゆДゆ´)プンスカ
ツ:ごめんごめん(笑)手続きとかでバタバタしててね。ギリギリになってしまったんだけど。
ユ:ギリギリにもほどがあります!!(`ゆДゆ´)プンスカプンスカ
ツ:本当にごめん(笑)
ユ:・・・てか、どうしてスイスなんですか?
ツ:ウチの奥さんがヨーロッパ好きだから(笑)
ユ:どんな理由・・・(๑꒪ټ꒪๑)
ツ:それは半分冗談で、実際は僕の仕事の関係でね。
ユ:あ、転勤ですか。
ツ:んー・・・まぁ形としては転勤になるのかなぁ。そのまま向こうに永住になるかも知れないけどね。
ユ:えー寂しいですーーイヤですーー(´・_・`)
ツ:そう言われても(笑)
ユ:イヤですーー絶対イヤですーー(´・_・`) 取り消してください(´・_・`)
ツ:いやいや、もう向こうに住む家も借りちゃったし、飛行機のチケットも買ってるし(笑)
ユ:c(,Д、と⌒c)つ彡 ヤダヤダヤダ  (((ヽ(o`д´o*)ノシ))) ヤダヤダヤダヤダ
ツ:(苦笑)
ユ:⊂⌒( つД´)ヤダァァァーーーーーーーーーーーー
ツ:ユィミさんには申し訳ないけど、もう決めたことだから。
ユ:(´・_・`)ウー・・・
ツ:ごめんね。いや、正直ユィミさんがこんなにショックを受けてくれるとは思ってなかった(苦笑)
ユ:何言ってるんですか会長!!(# ゆДゆ´)プンスカ  もうメチャクチャショックですよ!!泣いちゃいますよ!!(# ゆДゆ´)
ツ:いや・・・・・・ごめんなさい(苦笑)
ユ:(´・_・`)ションボリ
ツ:・・・・・・
ユ:たまには日本に戻ってきてくださいね、会長(´・_・`)
ツ:まぁ・・・しばらくはないかな。もし戻った時には連絡するよ。
ユ:えースイスにいても連絡はくださいー寂しいー(´・_・`)
ツ:じゃ、出来る時にね(笑)
ユ:あーあ。会長日本からいなくなっちゃうのか・・・寂しいなぁ・・・イヤだなぁ(´・_・`)
ツ:ユィミさんにそう思ってもらえるだけでありがたいよ。
ユ:(´・_・`)ションボリ
ツ:あ、でね。1つだけ、ユィミさんにお願いしたいことがあって。
ユ:・・・お願い?(´ゆωゆ`)ハテ
ツ:僕のわがままを1つだけ聞いてほしい。
ユ:会長のわがままなら何でも聞きます(´ゆωゆ`)ドントコイ
ツ:1曲でいいから、ユィミさんの生歌を聴きたい。
ユ:えw それって、やっぱり会長もあたしの復帰を・・・
ツ:違う違う(笑)そういうの関係なく、個人的に聴きたいだけ。
ユ:歌えるかなぁ・・・最近は子守歌しか歌ってないんですけどwww
ツ:忘れちゃってるか(笑)
ユ:でも、全然いいです!歌います!会長のわがままなら、受け入れる以外の選択肢はないです(´ゆωゆ`)バッチコイ
ツ:・・・ありがとう。
ユ:でも、さすがここでアカペラでは歌えないですwww
ツ:まあそうだよね・・・そしたら、近くのカラオケボックスはどう?
ユ:あ、良いですね!1日限定のユィミ復活LIVE inカラオケボックスですねwww観客は会長1人でwww
ツ:贅沢だなぁ(笑)いや、ホント嬉しい。1曲でいいからね。
ユ:頑張れば10曲くらい歌えますけど(´ゆωゆ`)ノドガチギレルマデ
ツ:いやいやいいよ(笑)本当に1曲でいい。
ユ:・・・もし失敗したら、リテイクはありですか?w
ツ:それは大アリ(笑)
ユ:分かりました!あたしも久々なのでちょっと不安ですけど、会長のために頑張って歌います!(´ゆωゆ`)ヤッタルデ


【Walking to Karaoke Box  カラオケボックスまで寄り道散歩】

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ユ:会長、この川忘れてないですよね?
ツ:もちろん。
ユ:・・・あたしが初めて駅前で路上ライブやった時、全然お客さん集まってくれなくて、ショボーンとしながら川沿いを歩いてたら、会長が声かけてくれたんですよね。
ツ:うん。「この子、ショックで川に飛び込むんじゃないか」って心配になってね(笑)
ユ:そこまで落ちこんでなかったですよwww でも、嬉しかったです。
ツ:・・・うん。
ユ:・・・・・・
ツ:ここから見える夕日が、また綺麗なんだよね。
ユ:はい・・・落ち込んだ時は良くここに来て、会長に励ましてもらってましたもんねw
ツ:はい。何度も呼び出されました(笑)
ユ:あー色々思い出したら泣きそう・・・もう、会長のせいですからね!!
ツ:だからごめんって(苦笑)
ユ:あーあ。泣いて歌えなくなったらどうしよう(´・_・`)
ツ:ユィミさん。そこは元プロ歌手として、泣いて歌えないなんてことがあっちゃいけない。泣いたとしても、歌は歌でちゃんと歌わないとね。
ユ:もう。こういう時ばっかりズルいですw
ツ:ファンっていうのは身勝手でズルいもんなんだよ(笑)


【In Karaoke box  カラオケボックスにて】

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ユ:🎤(´ゆДゆ`)アーアーアー マイクチェック1・2・・・
ツ:・・・・・・
ユ:準備おっけーです!で、会長、何歌えばいいですか?
ツ:お、リクエスト聞いてくれるの?
ユ:歌えるのと、歌えないのがありますけどw、なるべくお応えします!
ツ:ユィミさんといえば、やっぱりあの曲かな・・・
ユ:了解しました(´ゆωゆ`)b
ツ:まだ曲名言ってないけど(笑)
ユ:会長の心はお見通しですのでw 会長と私と言えば、あのピアノバラードですよね(´ゆωゆ`)ミナマデイウナ
ツ:はい、仰る通りです(笑)
ユ:では・・・ (´ゆωゆ`)つ■ ポチットナ
ツ:・・・・・・
ユ:会長、ここまでユィミを育てて下さって、見守って下さって、本当にありがとうございましたm(_ _)m
ツ:お、MCまでついてきた(笑)いやぁ・・・ホントに贅沢だなぁ。
ユ:スイスに行っても、健康で暮らしてください。そして、ユィミのことも、忘れないでください。
ツ:・・・忘れないよ。何があっても。
ユ:ありがとうございます。そんな会長に、今まで全部の感謝を込めて、歌います。聴いてください。「心拍数#0822」。


【Song    心拍数#0822】

 僕の心臓がね、止まる頃にはね
 きっとこの世をね、満喫し終わっていると思うんだ
 やり残したこと、なんにもないくらい
 君の隣でさ、笑い続けていたいと思うんだ

 この胸が脈打つうちは君をまだ守っていたい
 生きる意味なんてそれでいいの
 もう一つ、もう一つって同じ涙を数えて
 僕らはまたお互いを知るんだ

 高鳴る鼓動が伝えてく
 重なる音と流れる想いを
 もう離さないと約束しよう
 いつでも君が寂しくないように

 僕の心臓はね、1分間にね
 70回のね、「生きている」を叫んでるんだ
 でも君と居ると、少し駆け足で
 110回のね、「愛している」を叫ぶんだ

 この胸が脈打つうちは君をまだ守っていたい
 生きる意味なんてそれでいいの
 もう一度、もう一度って同じ心を重ねて
 僕らはまたお互いを知るんだ

 僕と君が出会えたことに
 何か理由があるとするならば
 運命かは分からなくても
 嬉しいことに変わりはないよね

つきあかゆいみ

 いつか僕をやめるときまで
 あと何度「好き」と言えるのだろう?
 ここに居られることに感謝しよう
 ただ生きていることにありがとう。

 高鳴る鼓動が伝えてく
 重なる音と流れる想いを
 愛し続けると約束しよう
 心拍が止まってしまうまで




ツ:88888888
ユ:ありがとうございました・・・(´;ω;`)ウウッ
ツ:何でユィミさんが泣いてるの(笑)
ユ:だって・・・だって・・・会長が遠くに行っちゃうんだもん(´つω;`)
ツ:ユィミさん、素敵な歌をありがとう。最後に良い思い出が出来たよ。
ユ:会長!!(´;ω;`) そんな・・・・・・最後のお別れみたいな感じで言わないで!!。゚(´っωc`)゚。
ツ:ごめんごめん(笑)
ユ:絶対日本に帰ってきてくださいね(´;ω;`) その時は、10曲でも20曲でも歌えるようにしておきます!!(´;ω;`)
ツ:うん。また日本に戻ってユィミさんの歌を聴けるように、スイスで頑張ってくるよ。


【Walking to the station  駅へのかえりみち】

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ユ:あーあ、あっと言う間に着いちゃった(´・_・`)
ツ:ありがとうユィミさん。もうここでいいよ。
ユ:何でそんな冷たいこと言うんですか会長!!(´;ω;`)
ツ:あ・・・いや、遅くまで付き合わせちゃって悪いなと思って・・・(苦笑)
ユ:ダメです!!ちゃんと改札までお見送りします!!(´;ω;`)
ツ:わかりました(笑)
ユ:ホントに!!今あたしちょっと押されただけで溢れちゃうんだから、気を付けて下さい!!(´つω;`)
ツ:ごめん・・・(苦笑)



【Seeing off in front of Ticket gate   改札前で見送り】

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ユ:会長、やっぱりあたしホームまで行きます(´・_・`) 入場券買ってきます(´・_・`)
ツ:いやいや(苦笑)それはさすがにいいよ。ここでもホームでも変わらないから。
ユ:(´・_・`)ションボリ
ツ:ユィミさん、今日はありがとね。
ユ:はい・・・(´・_・`)
ツ:そんな顔しないで(笑) 
ユ:会長、今日はウチに泊まっていってもいいんですよ(´・_・`) 
ツ:いやいや(笑)それはまた次の機会にね。
ユ:(´・_・`)ウー じゃあもうあたし、来年スイスに旅行にいきます!!
ツ:だから・・・(苦笑)ユィミさんも僕も、まだまだ人生長いんだし、そんな焦らなくても、きっとまた会えるよ。
ユ:(´・_・`)
ツ:・・・・・・
ユ:(´・_・`)
ツ:ユィミさん。
ユ:(´・_・`)ハイ
ツ:プロ歌手に復帰してほしいとまでは、僕は言わないけど。
ユ:・・・・・・
ツ:ユィミさんには、これからも歌い続けて欲しい。ファンの1人として。
ユ:・・・・・・
ツ:ユィミさんに出会った時から、ずっと変わらずに思ってる。
ユ:会長・・・
ツ:ファンっていうのはどこまでも身勝手だから(笑)
ユ:・・・身勝手にお応えできるように頑張りますw
ツ:(笑)
ユ:・・・・・・
ツ:・・・最後に、握手しようか。
ユ:え・・・
ツ:せっかくだから(笑)

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ユ:(あったかい・・・)
ツ:・・・ありがとう。
ユ:なにげに、あたし会長と握手したの、初めてかもしれないです。
ツ:だよね。僕も記憶にない(笑)
ユ:会長の手、あったかいんですね。
ツ:恥ずかしいこと言わないで(笑) じゃ、そろそろ行くね。
ユ:やだ(´・_・`)
ツ:ユィミさん・・・(笑)
ユ:いかないで(´・_・`)
ツ:♪ほんの少しのさよなら~だよ(笑)
ユ:誰が上手いこと言えと・・・(๑꒪ټ꒪๑)カイチョウ・・・
ツ:(笑) それじゃ、本当に行くね。
ユ:(´・_・`)
ツ:ユィミさん、今日はありがとう。
ユ:会長!!向こう着いたら絶対連絡くださいね!!あたしに1番に下さい!!くれないと怒ります!!一生恨みます!!
ツ:了解しました(笑)じゃ、ユィミさんまたね。

(´・_・`)       ε = ε = ε = (´月ω月`)


【Yuimi’s Case  ユィミの場合】
・・・行ってしまう。

(             )

(        )

(    )

改札を抜けて、会長の背中が、だんだん小さくなっていく。

やだ。

ホントに行ってしまう。

・・・1回くらい振り返ってくれたっていいじゃん(´・_・`)

(    ) ピタッ

(´月ω月`) クルッ

あっ・・・


(´月Д月`) ユィ・・・

え?何か喋ってる?

(´月ω月`) 

(´月Д月`) アイ・・・

何て言ってるの・・・聞こえないよ・・・

(´月◡月`)

待って

(   )ノ



・・・・・・

行っちゃった・・・(´・_・`)
会長、今なんて言ってたの・・・

もう少し、大きな声で言ってほしかった・・・(´・_・`)


・・・・・・

会長のぬくもりが、まだ右手に残ってる。
あったかい手だった。

会長・・・(´;ω;`)

。゚(´っωc`)゚。




<Story 43  Preview   次回予告>
あなた誰ですか / クッサンの目的
Booo!!!!!!! / 2人、対面の時
※次回更新は09/22(水)の20:00です。

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