見出し画像

【連載小説】アヘアヘキングダム 3rd Season Story 6

★Story1から読んでやるぞという方は下記マガジンからどうぞ٩(๑•̀ω•́๑)۶★


<Dialog Neesou and Koyuki  ネーソーとコユキの会話>
ネ:んじゃコユキ。昨日の話の続き、聞かせてくれ。
コ:・・・うん。
ネ:ミライが病気になった時、ハルトくんはアメリカ行ってたってとこまで昨日聞いた。
コ:そうだね。ミライがちょうど1歳になるくらい。
ネ:ハルトくん、薄情だなぁってちょっと思っちゃったんだけど。何か事情があったんか?
コ:・・・・・・(´-ω-`)フゥゥゥ
ネ:(´◉◞⊖◟◉`)?
コ:・・・えーっと、ちょっとだけ時間巻き戻して、ミライの妊娠が分かった時のことから話すね。
ネ:おっけ。
コ:ハルトは、私の妊娠が分かってから、ダンスを辞めたの。
ネ:そうなんか。いさぎ良いっつーか、もったいねーっつーか。
コ:うん。私もそう思った。
ネ:子供が出来て、生き方変えたってことか。まあ自分の中で、何を優先すっかだと思うけど・・・
コ:妊娠が分かった時、私は産みたいって思ったんだけど、すぐにハルトに言いだせなかったんだよね。
ネ:どして?
コ:産まないで欲しいって言われるんじゃないかっていうのが怖くて。
ネ:でも、そんなもん言うしかねーだろ。
コ:うん。妊娠が分かってから、2日後にハルトに伝えた。
ネ:どうだった?
コ:最初はちょっとビックリしてたけど、すごく喜んでくれた。
ネ:そかそか。良かったな。
コ:「重荷にならない?」って聞いたんだけど、「なるわけない。産んでほしい。2人で育てよう」って、言ってくれて。
ネ:おっとこまえだなハルトくんは。結婚しようとはならなかったんか?
コ:私がまだ15歳だったから。
ネ:あーそか。おなごは結婚出来るの16からだっけ?
コ:うん。半年早かったw でも、結局16歳でも親の同意がいるから、無理だなっていうのは2人とも分かってた。ハルトの両親、妊娠を知ってすごく怒ってたから・・・
ネ:そか・・・コユキはコユキでおやっさんと断絶状態だもんな・・・
コ:うん。18歳になると親の同意が不要になるから、そうなったら結婚しようって話してた。でもね、私にとっては形式的なものより、ハルトがいて、ミライがいて、3人で仲睦まじく、平和に暮らせればそれで良かった。
ネ:まあ、コユキの場合はそこまでが激動すぎるしなw 落ち着いて生活したかったんやな。
コ:うん。親子3人で、公園を散歩したり、シート引いてお弁当食べたり、そういう日常に憧れてたw
ネ:分かるwww俺っちも子どもの頃、家族で出かけた記憶ってほとんどなかったから、そういうの羨ましかったなーw
コ:ネーソーさんもそうだったんだ。
ネ:まあ、コユキほどハードじゃなかったけどな。ウチはウチで色々あったんでw
コ:えー気になる!今度その話も聞かせて(´雪ω雪`)キョウミシンシン
ネ:どっかでなw んで、話を戻すと。ミライを産もうって2人で決めて、ハルトくんはダンスをきっぱりやめたんだな。
コ:うん。練習も大会に出るのも一切やめて、就職活動を始めて、バイトも増やしてくれた。
ネ:ん?就職活動して、バイトも増やす・・・?
コ:出産費用が必要だったし、産んでからも色々お金かかるし、まずはある程度まとまったお金が必要になるよねって。
ネ:なるほどな。
コ:ハルトはその時あまり貯金持ってなかったし、ハルトの親にも頼れなかったし、私の貯金なんか、言うまでもないしw
ネ:そっか。俺っちは子どもいねーから分からんけど、なんだかんだ金かかりそーだもんな。ハルトくんはどんなバイトしてたん?
コ:夜はコンビニでバイトしてて、プラス昼間に建設現場で働き始めたの。コンビニも建設現場も週6ずつ。
ネ:(´◉◞⊖◟◉`)ゲ・・・ ダイジョブかよハルトくん。いつ寝るんだよ。
コ:私も働きたいって提案したんだけど、身ごもってるんだからダメって言われて。
ネ:ハルトくん、やっぱラキア系ナイスガイやな・・・人気投票したら上位来そうやな・・・実はラキアの弟でした的なベタ展開はねーよな・・・
コ:(´雪ω雪`)ナンノハナシ?
ネ:いや、こっちの話w んで、金たまったん?
コ:半年で160万貯めてくれた。ネーソーさんからしたらしょぼい額かも知れないけどw
ネ:いやいやいや!!全然しょぼくねーし!!160万貯めるのがどんだけ大変か・・・
コ:うん。預金通帳を、毎月2人で眺めてた。ちょっとずつでも増えていくのが嬉しくてね。赤ちゃんが生まれたら、あれ買おうねとかこれ買おうねとか、こんだけ貯まったらもっと広いところに引っ越そうとか、目標作りたいよねって話を良くしてた。
ネ:ええなー。何か青春って感じだよな。
コ:その頃、2人で相談して、子どもの名前もミライって決めて。
ネ:そか。んで、ハルトくんの就職活動の方は上手くいったん?
コ:建設会社の社長さんに、このままウチで頑張って、社員にならないかって誘われたの。
ネ:おお。ええやん。しゃちょーさんに気に入られたんやな。
コ:うん。
ネ:んでも、そんだけダンスが上手いなら、ダンス教室とかやればいいのにとか思っちゃうけどな。需要あっただろーし。
コ:私もその話したことあった。でも、教えてると自分がやりたくなっちゃうからって。これを機にダンスとはスパッと縁を切りたいって。
ネ:ハルトくんいさぎよすぎねーかw
コ:私はハルトにダンスを続けてほしかった。趣味でもいいから。でも、ハルトは未練を残したくないって。
ネ:無責任な立場だから言えるのかも知んねーけど、もったいねーなって思っちゃうな。
コ:で、私はミライを無事出産することが出来ました。
ネ:おめっとさん!!よかったな!!
コ:ありがとうw ミライは、3ヶ月検診や6カ月検診の段階では何の問題なくてね。ハルトも正社員になれて。私が望んでた、3人での仲睦まじい生活が出来て、本当に毎日が楽しかった。
ネ:ええな。絵に描いたような幸せやな。
コ:うん。裕福な暮らしではなかったけど、あの頃は幸せだった。ミライが1歳になるまでは。
ネ:・・・・・・

~~~ Dialog Koyuki and Haruto  コユキとハルトの会話 ~~~
コ:ジェイミー・ヴァレンタインのバックダンサー!!??
ハ:うん。いきなり話が来て・・・
コ:ホントに!?
ハ:前から噂にはなってたんだよ。ジェイミー、次のツアーではダンサーを一新するんじゃないかって。
コ:でも、何でハルトに?(´雪ω雪`)ドッキリカメラ?
ハ:いや、そう思うよねw 次回のワールドツアーの前に、ダンサーのオーディションをやるみたいで。それで、ジェイミーのチームが世界中のダンサーのVTRとか見て、気になった人をピックアップして、オーディションに招待してるらしくて。
コ:それに引っかかったの?ハルトが?
ハ:うん。去年優勝したディファ有明の大会映像を見たっぽい。で、招待状が届いたんだよね。
コ:すごいじゃん!!大チャンスじゃん!!
ハ:・・・・・・
コ:・・・受けにいくよね?
ハ:いや・・・
コ:ダメだよ?私のことを考えて辞退とか、嫌だよ?
ハ:・・・・・・
コ:こういうチャンスをつかむために、ずっと頑張ってきたんじゃん。
ハ:・・・コユキとミライを置いて、行けるわけないよ。
コ:大舞台でダンスをするのが、ハルトの夢だったんじゃないの?
ハ:オーディションは半年後だよ。もし受けるとしたら、練習を再開しないといけないし、もしかしたら仕事もやめないといけなくなるかも知れない。演出の指示とかも全部英語だから、英語の勉強もしないといけない。
オーディションの3カ月前には現地に入って、ダンスや英語のレッスンを受けないと、まず受からないと思う。
コ:うん。そんなに甘くないもんね。
ハ:行けるわけないよ。今の状況で、行けるわけない。
コ:・・・・・・
ハ:・・・・・・
コ:ハルト。私の思いを言ってもいい?
ハ:うん。
コ:ハルトがケガで動けないとかだったら、しょうがないと思う。でも、挑戦できるんだったらしてほしい。私は大丈夫だから、挑戦してほしい。
ハ:もし何かの間違いで合格しちゃったら、1年くらい戻ってこれないかも知れないんだよ。
コ:大丈夫。私頑張るから。
ハ:1人で育児をするんだよ?
コ:覚悟は出来てる。ハルトが向こうで頑張ってる間は、私1人でちゃんと育てるから。
ハ:・・・・・・
コ:ハルト、まだダンス好きなんでしょ。踊りたいんでしょ。
ハ:・・・・・・
コ:ハルトの夢は、私の夢なの。こんなチャンス、2度と来ないよ。
ハ:・・・・・・

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<Dialog Neesou and Koyuki  ネーソーとコユキの会話>
ネ:ジェイミー・ヴァレンタインって、あのジェイミー・ヴァレンタイン?
コ:うん。
ネ:ヤバくね?俺っちでも知ってるぞジェイミーは。
コ:うん。ヤバいよね。
ネ:コユキがハルトくんの背中を押したんか。
コ:うん。行きたいんだろうなって思って。
ネ:そーなん?ハルトくん、コユキとミライを置いていけねーよって感じだったんだろ。
コ:もし本当に行きたくなかったら、そもそもオーディションに招待された話を私にしなかったと思う。
ネ:あーそっか。確かにな。黙って断りゃいい話だもんな。
コ:私にその話題を持ち出した時点で、ハルトは行きたいんだなって分かった。だって、ハルトの小さい頃からの夢だったし、そのためにダンスに全てを捧げてきたし、本当はダンスやめたくないのも分かってた。
ネ:でも、自分から行きてーとは言い出せなかったっつーことか。
コ:うん。あの時のハルトの心の奥には「押してくれ!」って気持ちが間違いなくあった。だから押したの。
ネ:まあ、コユキに反対されたら行かなかったろーな。
コ:だと思う。もし私が反対して、ハルトの夢を潰したら、そこから先、お互いモヤモヤした気持ちを抱えたまま、一緒に過ごすことになるだろうなって思ったの。それが嫌だった。
ネ:まあ分からんではねーけどな。で、ハルトくんは行くって決めたんか。
コ:最終的にはね。やっぱり1週間くらいは迷ってて。2人で色々と話した。ハルトの仕事のこともあったし。
ネ:あーそか。正社員になれたとこだもんな。
コ:会社の人もハルトを応援してくれて、またいつでも戻ってきて良いからって言ってくれたみたいで。
ネ:なるほどな。

~~~ Dialog Koyuki and Haruto  コユキとハルトの会話 ~~~
ハ:コユキ、1つだけ約束してほしいことがある。
コ:うん。なに?
ハ:もしコユキが辛くなったり、どうしようもなくなったら、たとえ合格しても、僕は日本に戻ってくる。
コ:途中で帰ってきちゃうの?
フ:大舞台に立てるダンサーになるのは確かに夢だよ。でも、今の僕にとって、コユキとミライ以上に大事なものはないんだよ。コユキが体調崩したり、ミライに何かあったら、すぐに帰国する。だから、そうなったら無理しないで言ってほしい。それだけは約束してほしい。
コ:・・・うん。分かった。約束する。
ハ:受ける以上は、合格目指して精一杯頑張るよ。たとえ不合格でも、全力で取り組めば悔いはないだろうし。万が一合格して夢を叶えられたら、それこそ未練なくダンスを辞められると思う。で、その後は、コユキとミライと3人でずっと楽しく過ごすっていう、新しい夢を叶えていきたい。
コ:うん。
ハ:まあ不合格で元々だし、チャレンジ出来るだけでも半分夢が叶うような感じだけどw
コ:ダメ!絶対合格して!( `³´)
ハ:相変わらず厳しいなーコユキはw
コ:合格して、夢を叶えて帰ってきたハルトを、私とミライでいっぱい祝福するから。そこから、新しい夢を一緒に叶えようね!
ハ:うん。ありがとう(^ ^)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

✉Mail from Haruto to Koyuki  ハルトからコユキへのメール
アメリカに到着しました。
2人と離れるのは寂しいけど、来た以上は精一杯頑張る。
背中を押してくれてありがとう。
ミライの様子はどう?何かあったらすぐに連絡してね。
✉Mail from Koyuki to Haruto  コユキからハルトへのメール
長旅お疲れさま。
夢への第一歩、無事踏み出せたね。
生活が落ち着くまで大変だと思うから、まずは自分のことを優先してね。
ミライは元気いっぱいだし、こっちは心配しなくて大丈夫!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<Dialog Neesou and Koyuki ネーソーとコユキの会話>
ネ:なるほどな。それで、ハルトくんが夢叶えて帰ってくるまで、コユキは1人で子育てしてたけど、例の病気・・・何だっけ?
コ:ゴーシェ病。
ネ:それ。それが誤算だったんだな。
コ:うん。私の見通しが甘かった。甘すぎた。
ネ:いや、そんな病気誰も予測できねーだろ。
コ:でも、私があの時ちゃんと対処してれば、未来は変わってたと思う。結局私が、ハルトの夢を2つとも壊しちゃった。
ネ:・・・・・・

「どうして嘘ついたの」

コ:(´:ω:`)
ネ:・・・・・・
コ:あの時、わたしが・・・ちゃんと・・・(´;ω;`)
ネ:・・・・・・
コ:(´つω;`)
ネ:コユキ・・・
コ:。゚(´っωc`)゚。
ネ:(´◉◞⊖◟◉`)つ□←テッシュ
コ:(´;ω;`) ゴメンナサイ
ネ:謝んなくていい。つらかったな (´◉◞⊖◟◉`)ノ゚(´っωc`)゚。


【Misaki’s Case    ミサキの場合】
え、そうなんですか・・・1週間前・・・そうですか・・・

今コユキちゃんがどこにいるかって、聞いてますか?

そうですか・・・分かりました。いえ、お時間取らせてすみませんでした。


痛恨。なりふり構わず、最初から来るべきだった。何やってるんだ私は・・・


【Ain's Case  アインの場合】
今日は冷たい雨の一日だ。街がどんよりとして、暗い。

p[【◎】]ω・´) 

画像1

この前の桜も、散っちゃったかな・・・


<Dialog Neesou and Koyuki  ネーソーとコユキの会話>
コ:ネーソーさん、ごめんね(´・ω・`)
ネ:いやいやいや、謝んなくていーって。

「どうして嘘ついたの」

(´;ω;`)

「もう、コユキとは一緒に生きていけない」

(´つω;`)

ネ:・・・・・・
コ:ごめん・・・(´つω;`)

(´◉◞⊖◟◉`)ノ゚(´っωc`)゚。

コ:ホントにごめん(´;ω;`)
ネ:無理するこたーねーぞコユキ。
コ:・・・(´つω:`)
ネ:思い出したくねーこともあるだろ。もういいぞ。
コ:・・・ううん、私ね、ちゃんと話したい。ちゃんと向き合いたい。ネーソーさんがいてくれたら、向き合える気がするから。
ネ:・・・そか。
コ:ネーソーさんは、こんな話聞きたくないよね・・・ゴメンね(´・ω・`)
ネ:んなことねーって。全部吐き出してリセットして、コユキが少しでも生きる希望を持ってくれんなら、喜んで聞くよ。
コ:(´・ω・`)
ネ:まあ、いきなり希望とまではいかねーかもしんねーけどさ、とりあえず死ぬのはやめとこーかなって、なってほしいしな。
コ:ありがとう。じゃ、続き、話すね。なるべく泣かないように頑張るw
ネ:泣きたいときは泣いていいってw てか、ここまでの流れで、何となくわかったけどな。
コ:え?
ネ:コユキは、ミライの病気のことを、アメリカにいるハルトくんに伝えなかったんだろ。
コ:(´・ω・`)
ネ:伝えたとしても、すっごく言うのが遅かったとか。
コ:・・・うん、そう。私、ハルトにミライの病気のこと、言えなかった。
ネ:なんか理由があったんか。
コ:ハルトからね、メールとか電話とか、毎日もらってたの。ハルトは心配性だったし、日本が恋しいっていうのもあって。
ネ:メッチャ分かる。メッチャ分かるぞハルトくん!!日本語で話したくてしょーがねーんだずっとアメリカにいると!!
コ:え?ネーソーさんアメリカにいたことあるの?
ネ:あ・・・まあ、ちっと前にな。てか、俺っちの話はいいからwそんで?
コ:うん。ショートステイ先が決まって、レッスンも順調で、向こうで日本人の友だちも出来たって。
ネ:(´◉◞⊖◟◉`)トモダチ・・・
コ:電話の声がね、すごく充実してる感じがしたの。
ネ:・・・・・・
コ:日本にいるときのハルトはね、やっぱりどこか我慢してるっていうか。自分で自分を抑えてたところがあったと思う。本当にやりたいことをやれないストレスというか。それが解放されてる感じがした。
ネ:コユキはそう感じたんだな。
コ:うん。で、ミライの病気が正式に判明したのが、ハルトがアメリカ行ってから2カ月半くらい。オーディションの2週間前だったの。
ネ:あー・・・本番前に言い辛くなっちまった感じか。
コ:オーディションに向けて最後の追い込みをしてるところで。ハルト、本当に楽しそうで、充実してて・・・言いだせなかった。
ネ:まー精神的に普通じゃいられねーかもな・・・オーディション前にそんな話聞いたら。
コ:もしあの時、私が言ってたら、ハルトは絶対に日本に戻ってた。
ネ:そーだよな。それが約束だもんな。
コ:でも、私は言えなかった。夢が叶う一歩手前のハルトを、引きずり下ろしちゃう気がして。
ネ:まーコユキの気持ちも分からなくはねーけど、状況が状況だしなぁ・・・俺っちなら、やっぱ言ってほしいかな。
コ:うん。絶対に言わないといけなかった。
ネ:まーでも、ハルトくんの背中を押したのはコユキだから、確かに言い辛いのはあるかもな・・・
コ:それもあったし、ぶっちゃけ、オーディション受からないんじゃないかっていうのもあった。
ネ:んだよそれwコユキが「絶対合格して来て!」って送り出したんだろ?信じてやれよ。
コ:もちろん、合格してほしかった。ただ、世界中からトップダンサーが集まるし、そんな甘いものじゃないよなって。ハルト自身も「不合格になると思う」とか、「最後の思い出作りだ」とか言ってたから。
ネ:冗談だなそれは。心の中ではゼッテー受かってやる!!ってなってたと思うけどな。
コ::うん。今考えるとそうだったと思う。当時の私は、オーディション終わって、ハルトが日本に帰ってきてから、ミライの病気のことを話せば良いと思ってしまった。
ネ:でも、ハルトくんはオーディション合格してしまったと。まーしてしまったってのもアレだけど・・・
コ:ホントに、私にとってそんな感じだった。素直に喜べないというか。そういう自分も嫌で・・・
ネ:2人の夢なんだし、本来は喜べるはずだけどな。コユキはミライのことで、それどころじゃねーもんな。
コ:言うならもうそこしかなかったんだけど、ハルトがすっごく喜んでて。「コユキのお陰で夢が叶ったよ!ありがとう!」って、電話口で言われて、私も条件反射で「おめでとう!」って返しちゃって、もう、伝えられる雰囲気じゃなくなって・・・
ネ:そこに来ても言えなかったんか。それはさすがに・・・
コ:言えなかった。怖かった。ハルトの夢を壊すんじゃないかって、怖かった(´・ω・`)
ネ:・・・・・・
コ:今さら遅いけど、ハルトに謝りたい。ずっと後悔してる(´・ω・`)
ネ:結局、最後までハルトくんに謝れなかったんか?
コ:うん(´・ω・`)
ネ:そか・・・ちゃんと謝れなかった後悔は、ケッコー残るよな・・・
コ:(´・ω・`)
ネ:もうこの辺でやめとくか?しんどかったら無理すんなよ。
コ:・・・ダイジョブ。で、ハルトはアメリカに残って、2カ月稽古とリハをした後で、ジェイミーのワールドツアーに帯同することになった。
ネ:ここだけ切り取ったら、ただのスゲー話だけど・・・
コ:ちょうどその頃、ミライの病状が悪化して、入院することになったの。でも、乳児型のゴーシェ病は進行が早くて、日に日に弱っていって・・・
ネ:・・・・・・
コ:私も、体力的にも精神的にもどんどんキツくなって・・・
ネ:それでも言わなかったんか、ハルトくんに。
コ:うん・・・現実逃避してた。ミライは病気だけど、絶対治る、良くなるって。何の根拠もないのに。
ネ:ハルトくんじゃなくても、誰かに相談するとかできたんじゃねーか?ハルトくんの親とか。
コ:ミライを妊娠した時点で、ハルトの両親は私に怒ってた。というか、ハッキリ言って憎まれてた。だから、頼ることは出来なかった。
ネ:そっか・・・
コ:でも、もしあの時に戻れたら・・・なりふり構わず相談すると思う(´・ω・`)
ネ:コユキの人生、ハードモードすぎるな。神様も少しは手加減してやってくれよ・・・
コ:ハルトの両親じゃなくても、他に相談できる人とか頼れる人は、探せばいたと思う。ミサキ先生も、厳しい時は力になるから、いつでも相談してねって言ってくれた。
ネ:・・・・・・
コ:でも、その時の私は、自分でなんとかしなきゃ、甘えちゃいけないって。1人でミライをちゃんと育てるって、ハルトと約束したんだからって。自分で自分を追い込んじゃってたと思う。
ネ:そん時アメリカにいた俺っちに相談してくれりゃーなぁ・・・ハルトくん引きずって日本に連れ帰ってたのによw
コ:ネーソーさんの登場が遅かったせいだね。じゃあ、もう全部ネーソーさんのせいってことでw
ネ:なんでそうなる!!
コ:www ・・・でもホントに、私がちゃんと対処してれば、今頃は全然違う世界になってたと思う。後悔しても遅いけど。
ネ:・・・・・・


【Yuimi's Case  ユィミの場合】
(๑꒪ټ꒪๑) ドーシヨッカナァ

(๑꒪ټ꒪๑) ・・・・・・

(๑꒪ټ꒪๑) アノオトコニ レンラクダ


<Dialog Neesou and Koyuki  ネーソーとコユキの会話>
コ:ゴメンね。重たい話で(´・ω・`)
ネ:いやいやいや。いーんだって。コユキの「私の話を聞いてほしい(>Д<)」って言ってた気持ちがよく分かったよ。人には言いづれー話だけど、永遠に自分の中だけで抱え込むのは、しんどすぎるもんな。
コ:ゴメンなさい(´・ω・`)
ネ:だからいちいち謝んなってw こうやって誰かに聞いてもらうだけでも、少しは気持ちが楽になるし、心の整理が出来たりすっからな。
コ:心の整理は、正直全くできてないです(´・ω・`)
ネ:まあ、コユキの場合は傷が深すぎるか・・・
コ:(´・ω・`)
ネ:今日はもう終わりにしよう。な?
コ:・・・もうちょっとだけ、話させて。
ネ:無理すんなって。明日でも明後日でも、ちゃんと話す時間は取るから。
コ:・・・ダイジョブ。あと少しだから。
ネ:・・・おけ。
コ:で、もうホントの限界が来て、アメリカにいるハルトに、ミライの病気のことを伝えたの。
ネ:ハルトくんはどんな反応だった?
コ:絶句してた。ショックを受けてた。
ネ:そりゃそーか・・・んで、ハルトくんは日本に戻ってきたんか?
コ:うん。私が連絡したタイミングが最悪で、ジェイミーのワールドツアー初日の前日リハ中だったの。
ネ:悪いにもほどがあんな・・・まーでもしょーがねーよな・・・
コ:で、ハルトは誰にも何にも告げずに、ツアーをバックれちゃったの。
ネ:マジか・・・
コ:ちょうどその時、ミライは心肺停止の状態になって、生きるために、気管切開の手術が必要だって先生に言われて。
ネ:おい待てってミライ!!パパが戻るまで頑張れよミライ!!
コ:ハルトは空港から病院に直行してくれたけど、管に繋がれて、自力で呼吸できないミライの姿を見て、泣き崩れて・・・(´・ω・`)
ネ:・・・・・・
コ:もう時間もなかったから、私たちはとにかくミライを死なせたくなくて、先生に手術を依頼して。この時は何とか一命はとりとめたんだけど、もうミライの身体は限界で。1週間後にミライの心肺はまた停止してしまって・・・今度はもうダメだった(´・ω・`)
ネ:・・・そか。
コ:(´;ω;`)
ネ:(´◉◞⊖◟◉`)つ□←テッシュ
コ:ごめん、また泣いちゃった・・・(´つω;`) 
ネ:涙は勝手に出てくんだからしょーがねーよ。
コ:(´;ω;`)
ネ:ハルトくんに伝えられなかったことは、コユキも後悔があると思うけど、それでもコユキは、ミライを生かそうと一生懸命頑張ったじゃねーか。
コ:(´つω;`) 
ネ:ミライもきっと、ママありがとう!!僕のためにがんばってくれてありがとう!!って、天国からお礼言ってると思うぞ。
コ:。゚(´っωc`)゚。
ネ:・・・いっぱい話してくれてありがとな。疲れたろ。今日はこんくらいにしとこうな(´◉◞⊖◟◉`)ノ(´;ω;`)


【Munetaro’s Case  ムネタロウの場合】
もしもし、ムネです。はい、先ほど無事に日本に到着しました。今回はわがままを聞いていただいて申し訳ありません。いえいえ、恐縮です。奥様のお気遣いにはいつも感謝しております。

はい、そうですね。予定にはありませんが、せっかくなのでネーソー様やショショノスケにも久々に会って参ります。いえいえ!そんな長期の休暇は頂けないです!はい・・・はい・・・そうですか・・・では、今回はお言葉に甘えさせて頂きます。ありがとうございます。何かありましたら、ご連絡ください。はい。では、失礼いたします。


図らずも2か月の休暇扱いとなってしまった。奥様の優しさが、五臓六腑に染み渡る。

2か月は長い。前回頂いた休暇は確か・・・ショショノスケがメスだと判明したのにショックを受け、恐山に3日間籠った時だ。あの時は3日間でも、仕事に穴を開けたのが心苦しかった。2カ月の休暇など、人生において初めてだ。
とはいえ、日本でネーソー様のサポートするのが目的だから、精神的には休暇という感じではないが。

今回は隠密行動だが、きっと奥様にはどこかで気づかれてしまうだろう。
ネーソー様がポロッと余計なことを言ってしまい、勘の鋭い奥様がすぐに気づくのがこの一家のデフォルト仕様だ。

ま、その時はその時か( ̄― ̄)

さて、ネーソー様にもメールで一報入れておこうか。ホテルに着いたら、ハルト様の情報収集の続きだ。

<Dialog Neesou and Koyuki at supper ネーソーとコユキの会話 夕食時>
ネ:コユキ、もういいんか?
コ:・・・うん(´・ω・`)
ネ:そか。そしたら、残りは俺っちがお夜食で頂いとくわ。
コ:ゴメンね(´・ω・`)
ネ:また謝ってるしw じゃ、俺っちは仕事してくっから。今日はもう何も考えんと、はよ寝ろよ。
コ:ホントゴメンね。お仕事の邪魔して、こんな話聞かせて(´・ω・`)
ネ:だから謝んなくていいっての!!俺っちはボランティアじゃねーぞ!!俺っちがコユキの話を聞きたくて聞いてんの!!( `皿´)
コ:(´・ω・`)
ネ:まあ・・・アレだな。コユキは、抱えきれない重たい荷物を、無理して1人で抱えようとし過ぎたんだな。
コ:(´;ω;`)
ネ:さすがに背負わせすぎたって神様も反省したんじゃねーかw だから、ここらで少し休みなさいって、俺っちを使わせたんだな。神の使いになるなんて、俺っちも出世したな(´◉◞⊖◟◉`)ニャハハ
コ:(´;ω;`)
ネ:今は荷物を下ろして、身軽になって、ここで休め。
コ:(´つω;`)ネーソーサン
ネ:先のことは考えなくていい。今はただ、ゆっくり休め。な?
コ:(´つω;`)ウン
ネ:ヨシヨシ(´◉◞⊖◟◉`)ノ(´つω;`) んじゃ、俺っち仕事部屋いくわ。何かあったらすぐ呼べよ。
コ:(´;ω;`)ワカッタ
ネ:よし。んじゃ、おやすみ。

【Koyuki's Case    コユキの場合】
本来なら全く関係ないのに。どうでもいいはずなのに。仕事で疲れてるはずなのに。ネーソーさんはちゃんと聞いてくれた。受け止めてくれた。励ましてくれた。

私の目に狂いはなかったって喜びよりも、迷惑かけちゃってる申し訳なさの方が圧倒的に大きい。だったら最初からお願いすんなって話だよね(´・ω・`)

私、何がしたいんだろ・・・本当は生きたいのかな。

ミライに会いたい。でも、死にたくない。どうしたいの?

「どうして嘘をついた」

(´;ω;`)

ダメだ・・・・・・苦しい・・・・・・

コユキは、抱えきれない重たい荷物を、無理して1人で抱えようとし過ぎたんだな。

うん。1人じゃ無理だ。ネーソーさんがいなかったら、きっと私はまた・・・

今は荷物を下ろして、身軽になって、ここで休め。先のことは考えなくていい。今はただ、ゆっくり休め。

ネーソーさん、ありがとう。

([▓▓]


【Neesou’s Case   ネーソーの場合】
もしもしムネさん?メール見たよ。うん、無事着いて良かった。ホテルはどう?そかそか。なら良かった。

ごめん、今日も家だから小声で話すけど、昨日頼んだハルトくんの件。何か分かった?うん・・・うん。そそ、日本に帰ってきたところまではさっきコユキから聞いた。

まだ足取り分かんねーか。ま、昨日の今日だし、まだ分からんよな。いやいや、謝んないでよムネさん。今日はただでさえ謝られまくってんだから・・・

うん。うん。そかそか。確かにな。ダンス続けてればそういう大会に出ててもおかしくねーもんな。ハルトくん、やっぱダンスやめちゃたんかな。おっけ。分かった。また新情報分かったらおせーて。はーい、んじゃねー。

フゥゥ・・・

もうこうなったら、ハルトくんに会うしかねーだろ。ハルトくんにちゃんと謝れねー限り、コユキの心の傷が癒えることは、多分一生ねーからな。

うっし。じゃ、仕事モードに移行しm

📱<♪♪♪♪♪♪♪♪

おっとw ムネさん何か伝え忘れたんか。

ゆたさん

📱⊂(´◉◞⊖◟◉`)オ?ユタサン?

コユキもう寝たかな・・・一応外で出るか。


<Story 7 Preview   次回予告>
ゆたさん劇場(´ゆωゆ`) / とりあえず一発殴らせろ
我に秘策アリ / 心優しき男前、参上
Coming soon・・・m9(´めωめ`)
※重たい話でスンマセン。書いてる作者が一番泣いてます。
次回更新は05/15(土)17:00頃を予定しています。

↓Go to Story 7↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?