1か月前に受けた健康診断の結果が送られてきた。 
 晩酌をやめたので良い結果を期待していたのだが、封筒を開けてショックを受けた。
 まずはコレステロール。「総コレステロール」「LDL(悪玉コレステロール)」が高い。それから肝機能。γ-GTPとASTは下がったのに、脂肪肝が疑われる「ALT」が逆に高くなっている。
 「脂質異常症」につき内科を受診せよという紙も入っていた。
 どういうことだろう。不安になって検索してみると、判で押したように食生活を改善しなさいと書いてある。
 だがわたしは、健康によく、コレステロール値も改善するとされる食材を毎日摂っている。なにせ朝食は、玄米、納豆、豆腐、卵と決まっているのだ。身体によいものばかりではないか。


 いやしかし、コレステロールの観点からいって卵はだめなのか?などと数日間、検索してはくよくよ考えていた。
 しかし、自分でいくら考えていても始まらない。プロに相談しなければ。そう観念して内科を受診することにした。
 実はかかりつけの内科がない。以前行っていたところが閉院してしまい、それ以来15年くらい内科に罹っていないのだ。新型コロナウイルス感染症に罹ったときは、発熱外来のあるところを探して受診したが、徒歩30分なので、できれば避けたい。どうしよう。
 考えたあげく、コロナとインフルエンザのワクチンを受けたクリニックが新しくきれいで清潔だったことを思い出す。自宅からも徒歩圏内で通いやすそう。
 というわけで早速行ってきた。
 結果としては、ネット検索で得た情報とドクターの話はほぼ同じだった。コレステロール値はこのくらいなら仕方ないが、これまでほとんど摂ってこなかったキノコ、野菜、果物、海草などを努めて食べること、と書いてあるプリントを渡された。
 また、わたしはパンが大好き。昼食はほぼ毎日パンを食べるのだが、不飽和脂肪酸が多く「菓子パンではなくても勧められない(ご飯のほうがよい)」とのこと。これも検索でわかっていたが、「指導」されるとショックである。
 ALTについては、悪化した決定打は、自分で考えていたとおり「夕食を摂らない習慣」ではないかと言われた。
 わたしはこの1年ほど、「16時間断食」を実践していた。朝食、昼食はふつうに食べるが、夕飯は摂らない。いわゆる「オートファジー」だ。ダイエットのためではなく、こうすると胃の調子がいいことがわかったのと、面倒くさがりなので「夕飯は何を食べようと考えなくてよいし、後片付けもしないので楽チン」という理由である。
 しかし、オートファジーは肝臓に脂肪を溜めるという研究結果があるという。「非アルコール性脂肪肝」「低栄養性脂肪肝」などと言うらしいが、まさに自分にぴったり当てはまっている。
 というわけで、夕食抜きはいますぐ止めて「毎日、消化のよいものを夕食として摂る」よう言い渡されたのであった。
 仕方がないので食習慣を変えた。ヨーグルトと果物などの夕飯を食べるようにしたのである。2か月実践したらまた検査し、数値が改善したかを見るという。
 それにしても、加齢に伴い医療費も高くなるのだなぁと改めて感じる。突発性難聴になったり、転びやすくなったのも50代に入って実感していたが、ここへ来て「(自分では)食生活に気を使っているつもりでいたのに、まだ足りないところがあった」と判明し、数日間はかなり落ち込んでいた。
 身体のメンテナンスは「徹夜しない、食べすぎない、飲みすぎない」だけで通用するのは30代まで。40代からは規則正しい生活と食習慣に留意し(これをしなかったら、良性腫瘍が発見されて手術を受けた)、50代はプロ、すなわちドクターの指導を受けて自分自身を律していく。たぶん60代は、もっともっとそうなるのだろうなぁ。

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