話すのが苦手な人が講師になるとき 番外編「外から」整えてもらう

「毎日」の積み重ねが大事だけれど……

 「話すのが苦手な人」が講師業をするために、このシリーズ(マガジン)では、呼吸や発声トレーニング、話すのが苦手な人特有のスライドの作り方、パフォーマンス練習などを書いてきた。
 英語も翻訳も文章を書くことも、いやどんなことにもいえるが、トレーニングは毎日の積み重ね。すぐに上手くなる方法などあるわけもない。
 だが、「話すこと」については、苦手な人限定の即効術もある。前日と当日に発声練習をするというのも、それまでやってなかった人には効果があるだろう。ほかに「とっておき」の方法がある。

前日に整骨院(カイロプラクティック)へ!

 そう、整骨院(カイロプラクティック)に行くのだ。
 簡単にカイロプラクティックを説明しよう。骨格のゆがみを手技によって調整し、神経の働きを回復させるヘルスケアである。
 トムソンベッドという施術専用の台を使うところが多い。この台は、頭部や胸部など、人体の各部位が別々のパーツに乗るようになっている。
 患者がうつ伏せで台の上に乗ると、施術者はスイッチ操作でベッドの当該パーツをいったん少し上げてから、施術しようという身体部位に手で軽く圧をかける。すると当該パーツ(台)がガシャンと音を立てて落ちる。これを数十回繰り返す。
 これで「姿勢」が整うというふれこみの施術である。
 ほんとうは毎週行くとよい。その場で整えてもらうだけでなく、before、afterで鏡を見て「正しい姿勢・体重のかけ方」を身体に覚え込ませる。だんだん姿勢もよくなってくる。
 けれども、「毎週」行かれない場合にはどうするか。
 それなら、講師業の「前日」に行くとよい。その場で姿勢がよくなるし、翌日も少しは続く。それに、何よりも姿勢をきちんと整えてもらうと、緊張することもなく、よく眠れる。これが大きい。

「顔整体」を施術してもらおう

 もうひとつ、ほんとうの「即効」技がある。前日に整骨院へ行くとして、そのときに「顔整体」もオーダーするのだ。
 「小顔」メニューなどと載っていることが多いが、エステの「小顔」施術とはまったく違う。スチーマーで毛穴の奥の老廃物を出すとか、特別な美容液でパックをしたりするわけではない。もちろん、肌のツヤがよくなるということはない。
 整骨院の顔整体というのは、目や口周りの筋肉をほぐして筋肉の歪みを整えるものである。
 目や頬の周りをぐりぐりやられて痛いのだが、その効果たるや歴然だ。目の疲れが取れる効果もあるが、なんといっても「口」がよく開くようになる。
 とくに、英語を話すとあまりの違いに自分でもびっくりする。意識してはっきり話そうとしなくてもそれができるのだ。何度も書くが、「話す」というだけでたいへんな思いをしている人は、「楽に話せる」だけで講師業の重荷がとても軽くなる。
 「苦手な人限定」と書いたのは、「話す」ことが得意な人であれば、整体で整えた違いは、身体も顔も、おそらくわからないと思う。苦手だから、つまりふだんのレベルが低いから、整体でレベルが上がり「通常人」レベルになると、その差は歴然なのだ。

「いつもの人」なら安心

 行きつけの整骨院・整体院のある人は「前日に予約」をとるのを忘れないように。それがない人は「ときどき行く整骨院・整骨院」をつくっておくよう強く勧める。目の周りや頬をグリグリやられるし、痛さもある。何より、初めての施術者に顔を触られるのは怖い。「この人なら大丈夫」という信頼できる施術者をつくっておくことが前提条件だ。
 「いつもの人だから」という担当者を押さえておけば安心。柔道整復師の資格をもっているかどうかもチェックポイントかも。
 顔整体が「しゃべり」に効くとは、周りで聞いたこともない。そういう目的で受ける人はほとんどいないのだろう。だが、「話すのが苦手」な人が「話さなければならない」場があるならば、これは絶対のお勧め。ともかく一度行ってみてほしい。驚きの効果!!


今日の久松 文房具断捨離を断行する予定。書けなくなったペン、切れ味が悪くなったハサミ、さらに、「いつか使うかも」と「つい」買ってしまうものも。「いつか」は永遠にやってこない。だから捨てよう。

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