英語教材(とくに模試・試験)校正の最終PDFがほしい

 先日の投稿「自分が校正した本を買う」をXで紹介してみたら、校正者や編集者、翻訳者(著者も?)から、いろんな反応があった。こうやって自分の投稿へのフィードバックを多くもらいやすいのは、Xのいいところだなぁ。

 ある翻訳者が「出版社は校正者に最終PDFを渡してほしい。コストの面から本が送れなくても、ファイルを送信するだけならできるはず。そうやってフィードバックすれば校正者の技量も上がるはず(大意)」と返信してくれた。それで気づいた。
 そういえば英語の模試・試験のフィードバックをもらったことはなかったと。書籍であれば、先方から送られてこなくても自分で購入するという手段がある。市販される英語教材や学習書であれば、調達した本を手元の納品データと照合すれば確認できる。
 だが、模試や試験を校正では、納品したあと、最終的にどうなったのかこちらには知るすべがない。
 当方の作業はWordファイル、PDF、紙ゲラといろいろだ。工程についても、初校直前の状態で送られてくることもあれば、初校ゲラのことも、再校のこともある。
 どの場合でも、次工程の担当者(大抵は編集者だろう)が、どのように自分のコメントに反応したのかを知れば、次から無駄なコメントを入れることもない(減らせるかもしれない)し、自分の足りなかったところもわかり、次は対応しようと思える。だが、それがわからなければ、また同じようにやるしかない。
 たまに、次の仕事をアサインするときに「先日の校正はとてもよかった」とひとこと添えてくださる編集者がいる。
 良い評価をもらえるのはとてもありがたいし、嬉しい。けれど、「完成品」で自分のコメントがどう処理されたかをこちらは知りたい。フィードバックを見れば、次から何をどう見ればよいのかが変わってくるからである。
 (たぶんいないと思うが)もし、ここを読んでいる某社や某社の編集者がいらしたら、次からは「完成品PDF」を送ってくださると嬉しい。
 わたしは編プロにいたり、版元に常駐していたこともあるので、「完成品PDF」の管理についても多少は知っている。入稿前、校了前のばたばたしているときに、ファイルすべてを、きちんといつでもわかるように保管しておくというのは厳しい。とくに校了後に複雑な直しが入った場合などは、ファイル名やファイルの場所などが整然としておらず、「どれがほんとうの最終なのか」がわかりづらいという事情も知っている。
 けれど、最終PDFが難しければその前の、たとえば校了ファイルであってもかまわない。これを送っていただく一手間によって、編集者は次から「この校正者いつもこうなんだよな……」とぶつぶつ言いながら直す時間が減ることにつながるのだ。ぜひ検討してほしい。

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