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奈良・斑鳩1dayチケットのここがすごい!

観光客に自社の路線を利用してもらうため、様々な鉄道会社がフリーきっぷを出しています。その中でもコスパが良いもの悪いもの、乗るだけでお得なものから特典の施設を利用してナンボのものまで性質は様々。今回はその中でも私が愛するフリーきっぷの一つである、奈良・斑鳩1dayチケット(以下、奈良斑鳩きっぷ)を紹介します。


基礎情報(2024年度現在)

近鉄・バスのフリー区間の概要(近鉄ホームページより)
この他、購入した社局から近鉄の駅までの区間も乗降可

フリー区間は上図の通りで、近鉄線内は大阪難波~近鉄奈良、京都~筒井、生駒~長田、生駒ケーブル線。バスは奈良、西ノ京、法隆寺エリアが乗り放題となっています。奈良県内の全てのバスが乗り放題というわけではありませんが、一般的に奈良の寺社仏閣とされる場所は薬師寺や法隆寺も含めて概ね網羅できています。
これに加えて購入した社局の全線と近鉄の駅までの区間を含むエリアも乗り放題になります。例えば阪神だと上図の近鉄・バスに加えて阪神元町~阪神梅田、阪神尼崎~大阪難波、武庫川線が乗り放題になります。また、直接近鉄の駅との接続駅を持たない社局、例えば阪急などだと阪急全線+Osaka Metro全線+上記フリー区間となり、間で利用すべき路線まで全線乗り放題となります。
そのため価格は購入した社局によって異なり、最安の阪神で2100円、最高値の山陽明石以西で3100円と幅があります。詳しくは近鉄ホームページまで。

似たきっぷに近鉄線内のみ(フリー区間は学園前~近鉄奈良、平城~筒井、乗車可能なバスは奈良斑鳩きっぷと同じ)の奈良世界遺産フリーきっぷ(奈良・斑鳩コース)(以下世界遺産きっぷ)があり、1日用が1800円、2日用が2370円です。子供用はこちらにのみあり、1日用が900円、2日用が1190円です。以下ではこのきっぷとの比較も随時行っていきます。

すごいポイント① 高いバスが乗り放題!

奈良のバスは結構高いです。東大寺や春日大社に行く市内循環バスは250円、近鉄郡山駅から法隆寺まで行くバスだと570円もかかります。電車ならかなり歩くとはいえ郡山駅~法隆寺駅で190円なのに…。いくら目的地の近くまで行けると言ってもあまりに高い…。
でも奈良斑鳩きっぷがあれば大丈夫。主要観光地に行く路線は全部乗り放題です。もう大阪難波~近鉄郡山~法隆寺の往復だけで元取れますよ。
でもこれは世界遺産きっぷでもできます。奈良斑鳩きっぷの凄さはこんなものではないのです。

すごいポイント② フリー区間が広い!

奈良・斑鳩1dayチケットは、フリー区間がとてつもなく広いんです。前述した通り難波から奈良を通って京都まで全て乗り放題。加えて出発地側の路線も乗り放題。

近鉄・バスのフリー区間の概要(近鉄ホームページより再掲)
この他、購入した社局から近鉄の駅までの区間も乗降可

するとどうなるかというと、例えば大阪や神戸から奈良を経由して京都駅まで行くことができるんですよね。前日神戸の三宮周辺に泊まり、奈良で一日観光してから京都駅付近のホテルに泊まるみたいな芸当もできます。奈良・斑鳩1dayチケットならね。
加えて、フリー区間が広いということはその道中で途中下車することができます。案内には書いていませんが大阪府内の花園ラグビー場(東花園駅)や石切劔箭神社(石切駅、新石切駅)、京都の東寺(東寺駅)やニンテンドーミュージアム(小倉駅)に行くのにも使えます。京都と奈良の間にあって県境を反復横跳びできるでおなじみのイオンモール高の原(高の原駅)に行っても良いかもしれません。この辺のスポットって有効なフリーきっぷがあんまり無かったりするんですよね。
この途中下車ができるというのは出発地側でも可能なので、例えば阪急版なら奈良で観光した帰りに心斎橋で買い物をして十三で酒飲んで帰るみたいなことだってできるわけです。超便利。私も駅の調査とかで重宝してます。正直奈良で観光しなくても全然元は取れます。

すごいポイント③ 特典が充実している!

②は割と裏技的な使い方でしたが、もちろん奈良観光のために存在するこのきっぷ。各種スポットでの割引なんかも充実しています。世界遺産きっぷの方は春日大社国宝殿、元興寺、大安寺、大和文華館の4スポット+レンタサイクルの割引しか無いのに対し、奈良斑鳩きっぷは充実の52スポット(レンタサイクル3ステーション含む)!様々な寺社仏閣の拝観料はもちろん、駅のお土産屋や飲食店も割引になります。奈良名物の平宋の柿の葉寿司ももちろん1割引ですが、成城石井まで大和西大寺駅ナカ店なら5%引きなのはすごい。先ほど途中下車が道中全部の駅でできると言いましたが、逆に大和西大寺駅の中だけで晩ご飯まで済ませて翌朝のご飯まで買って帰るもできてしまう…。とんでもないきっぷだ…。詳しい割引スポットは近鉄ホームページまで。

注意すべき点① 近鉄線内では購入不可

このきっぷで注意すべきポイントとしては、近鉄の駅では買えないということです。近鉄からは三重・名古屋方面からも含めて世界遺産きっぷを使うことになるのですが、こちらは上記すごいポイントの②③がありません。本当に奈良の寺社仏閣を巡るだけのきっぷです。加えて世界遺産きっぷの方はフリー区間外での途中下車が大阪・京都・橿原方面いずれもできません。設定自体も三重・名古屋方面からは2dayしか存在しませんし、途中駅からの設定も伊勢中川以東にしかありません。京都の丹波橋駅や竹田駅だと世界遺産きっぷが無くて奈良斑鳩きっぷを京阪や地下鉄で買わないといけないというねじれが発生している…?
ちなみに京都駅や大阪難波~鶴橋駅には地下鉄の駅もありますので、計画に応じて奈良斑鳩きっぷを地下鉄の駅で買うか世界遺産きっぷを近鉄の駅で買うか検討してみてください。

注意すべき点② JRは使えない

あと、今までの話でほぼ出てこなかったことからもわかるように、JRは一切使えません。まあ奈良北部でJRが無いと行けないエリアはほぼ無いですし、そうしたエリアはバスでカバーしてますので…。

みんな奈良に行こう!

以上で奈良・斑鳩1dayチケットのとてつもない実力について御理解頂けたかと思います。私は実家が奈良にあるのもあって本当に大好きなきっぷなんですよ。関西在住の皆さんにとって無限の可能性を秘めた、使い勝手の極めて良いきっぷだと思っています。幸い奈良は京都ほど混雑していないので、この奈良・斑鳩1dayチケットで奈良で観光したり奈良以外で観光したりしてみてください。

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