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ブリジット・ジョーンズに重ねて

久しぶりにブリジット・ジョーンズシリーズを観た。
気づけば1作目のブリジットと同じ年齢となり、
なんなら少し年上になっていたりもする。
20代の頃から好きだった作品だけど
今改めて観てみると
30代に入ったからこそ苦しいくらいに共感できて、
やっぱりそんなことは起こらないだろうと思えるところもあって
数少ない好きなラブコメ作品だなと思う。

シリーズ3作目が11年ぶりに公開された2016年、
レディースデイの水曜日の夜。
職場近くの映画館に駆け込んだのを覚えている。

当時は渋谷で働いていて、
ほとんど定時で退勤なんてできない職場だったけど
無理やり仕事を終わらせて、映画館へ急いだ。
チケット売り場には数名の女性が並んでいて、
さすがに売り切れになることはないだろうと思っていたけれど
いざ自分の番が来てカウンターに行ったら、
最前列の1席しか残っておらず、
先に隣のカウンターに行った女性が悩んでいるところだった。

チケットカウンターの店員さんは
気まずそうに座席表を指差しながら
「ここしか残っていなくて…(あの方が購入したら売り切れです)」
と私に伝える。
そこは比較的小さい映画館で
スクリーンもそこまで大きくないことはわかっていたし
私は観れるなら最前列でも良いと思っていた。
つまり、彼女の決断次第で私が今日観れるかが決まる。

運命の時。

彼女はチケットを買わなかった。

そのおかげで私は11年ぶりの新作を劇場で観ることができた。
頑張って仕事を終わらせて
劇場まで走ったその想いが届いた瞬間だった。
ずっとTVやPCの画面でしか観れていなかったブリジットを
大きなスクリーンで観れたことの喜び。
そして期待を裏切らないブリジットのドジで前向きな性格。
たくさん笑ってとても満足した夜だった。
あの時のお姉さん、ありがとう。

当時まだ20代だった私に、
40代のブリジットのすべては理解できなかったと思う。
30代になった今、
焦りや葛藤、孤独…。理解できる部分が増えた。
もちろん、あんなに前向きじゃないし
ドジっ子で愛されるブリジットと私は違うけれど。
それでも私にとってブリジットは、
人生の先輩として勇気づけられる存在なのだ。

最近、4作目の制作が検討されているというニュースが飛び込んできた。
原作を読んでいないのでわからないけれど
40代後半か50代前半の設定になるだろうか。
ブリジットがスクリーンに戻ってくる日が待ち遠しい。
その日まで、私は何度もこの3作品を見返すだろう。


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