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『完全無――超越タナトフォビア』第十八章


(と、ここできつねくんが咳き込む。チビは心配する。ウィッシュボーンは心配する。しろは少し眠っている。きつねくんは、ちょっとお湿りを、と言ってドリンクのストローをちゅうちゅうと吸う。十秒ほど黙って、やがてしゃべるために口をあける。)


そして、
人間は無限に新しい言葉を生み出すだろうが、世界はそれらの言葉で捉えることはできない。

世界には人間だけが存在するわけではないという稚拙な理由のみからこのように挑発しているわけではない、ということをご了承いただきたい。

これまでの哲学者や思想家が定義してきた「すべて」、「全体性」、「一(いつ)」、「ONENESS」、「EVERYTHING」などの概念は、古今東西、無限と有限との桎梏として捉えられてきた。

もしくは、ただ単に無限であったり「永遠」「とこしえ」「果てしなさ」などと捉えられてきたにだが、わたくしはそれを超えるためにこの非哲学であるところの新しそうな(実際、新しいかどうかはどうでもよいことなのだが)体感的思想を語っているのである。

非哲学と呼ぶからには、理屈だけでは到達し得ない何ものか、への飛翔であるはずだろう。

哲学では駄目なのだ。

哲学をも超える、ということ。

ひとまず以上。

「そして」で語り始めた第十八章を引き継ぐ第十九章を、またもや「そして」で始めれば「そして2(ツー)」になるね。

乞うご期待。


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