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松の香りの潮風
ワインのキノコの香りの中に
葡萄畑を渡る風や突然の雨が
ミツバチの羽音やお日様の匂いが
ベニスの町にある墓地を船がかすめると
松の香りがする
きっとターナーが描いた大昔から
この香りは変わらないに違いない
大きくいっぱいに吸い込んだ
わたしの中にも
歩いたウェールズの唐松の小道
スコットランドの海の潮風ふかふかの林
アムステルダムで引き抜いたごぼうの土の香り
千もの夕焼け空
長野の河原の水音
記憶の大きなうねり
説明できないことのつらなり
つながった全ての糸の行方を信じたら
赤い風船がやっぱり
どのページにも必ず見つかる絵本のように
私たちの人生のどのページにも
それぞれの風船が見つかる
それぞれに違った色をして
ゆっくり自然なペースで更新していきます。