自分を許し愛し認めてあげること。
「もう楽になってもいいよね?」
あの日、この言葉を聞いて、
世界一悲しい言葉だと感じた。
それと同時に、若くして命の灯火が消えかかろうとする中、
もがき苦しんでいる彼女の姿が、
”私自身”であるかのように錯覚して怖かった。
母一人、子一人で必死に生きてきた姿を知っていたからこそ、
彼女にかける言葉が見つからず、
ただ頭が混乱して、
言葉を失って、
涙があふれた。
無力だなと思った。
あれから約5年。
現場をさってからも、
時々、彼女を思い出す。
私もこの5年間で紆余曲折あり、
自分を楽にすることにした。
自分を一番愛し大切にすることこそが、
無条件の愛に繋がると分かったから。
「もう楽になってもいいよね?」
あの頃、彼女の悲しさ・辛さ・死への不安を感じたけど、
あの言葉は彼女の自分自身への精一杯の愛情表現であり、
大切な娘へのギフトだったのかもしれない。
母一人、子一人。
我が子に何が残せるのか精一杯考えて、
自分をかえりみずにがむしゃらに生きて、
最期の最期に”自分を許し・愛し・認める”という、
人生で最も大切なことに気がついたんだなと思う。
彼女の最期はとても安らかだった。
自分を許し
愛し認めてあげること。
あの日彼女がしぼりだした、
”魂の言葉のギフト”
私も受けとった。
心の中であの日の彼女に
「ありがとう」
と伝えた。
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