ドラッケンミラー氏:中国は将来性を感じない、日本株には強気
引き続き「Bloomberg Invest New York」から、今回はドラッケンミラー氏のインタビューをお送りします。ドラッケンミラー氏は、中国の将来性についての悲観的な見方と、日本株の強さ、AIブームの大きさなどについて語りました。
中国には将来性を感じない
まず、今の中国については魅力を感じないと一刀両断しました。
中国は鄧小平が資本主義を取り入れて以降、急速に成長しました。
グラフからは、1980年に底打ちしてから、一人あたりGDPが急速に伸びていったことがわかります。これが中国という広大な土地と膨大な人口を抱える大国が資本主義を取り入れた成果でした。
ドラッケンミラー氏は、トップが変わらない限り、中国に将来性は感じないと切って捨てました。
日本はついにデフレを克服した
続いて、日本株について聞かれたドラッケンミラー氏は、過去の苦い思い出を語りました。
日本株は、PBR1倍割れの銘柄も多く、明らかに割安に見えるのに、全然上がらないというバリュー投資家泣かせの市場でした。当時、ソロスファンドの運用担当者であったドラッケンミラー氏も、何度もそのバリュートラップに引っかかったようです。
しかし、今年に入って、日本株は強さを見せています。
いま日本では、東証がPBR1倍割れの解消を求めて、日本郵政のような大企業ですら自社株買いを始めています。日本株で起こっていることは、調子のよい数社が伸びているということではなく、あらゆる上場企業が経営のあり方を見直しはじめたという、根本的な変化だということです。
アベノミクス以降、約10年も金融緩和と低金利を続けて、ついに自社株買いで株価をあげるというアメリカ式の経営がはじまった訳です。
その行き着くところは、今のアメリカの状況と同じ、つまりインフレと高金利によるスタグフレーションだと思いますが、アメリカは2010年台を通じて、素晴らしい相場を享受したわけですから、日本株も目先は弱気になるべきではなく、まだしばらくの間は強気相場が続くと考えるべきでしょう。
いつまで強気相場を享受できるのかを決めるのは日銀の態度、つまり金融緩和次第です。少なくとも日銀が金融緩和を続けるうちは、あまり悲観的になる必要はないと思います。
ドラッケンミラー氏は、自虐で笑いをとるのを忘れませんでしたが、目先のトレードとしては、日本株は乗りやすい相場だと思います。
僕自身も遅ればせながら、5月の下旬から日本株をロングしています。
AIブームはしばらく続く
さて、日本株について、ブームはしばらく続くと書きましたが、ドラッケンミラー氏が次の大きなブームとしてしばらく続くだろうと予見しているのがAIです。
ドラッケンミラー氏は、ドットコムバブルで大きな損失を出したことをたびたび自虐していますが、AIについては、まだまだ相場は若いとしています。
ドラッケンミラー氏のAI関連銘柄のトレードについては、以前にニュースレターでお伝えしています。
他の投資領域については、以下もあわせてご覧ください。
結論:景気後退リスクをヘッジしながらであれば、いくつか投資妙味のある領域もある
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