ガンドラック氏:これ以上の利上げはない
written by @mercurys_assets
今回は、直近ベア派の筆頭格になりつつある債券王ガンドラック氏のFOMCに対するコメントをお伝えします。
なお、ガンドラック氏は、インフレを早い段階から警告しており、その後、今年のインフレ減速をピタリと当ててきました。一方で、FEDのFF金利については、5%を超えることはないと過去に発言しており、それについては外れています。
FEDは経済の先行きを予想できない
今回のFOMCは鷹派だというのが一般認識ですが、それについて問われたガンドラック氏は、鷹派ではなかったと回答しました。
ガンドラック氏は、FEDの言っていることと実際の行動がちぐはぐであることを指摘しています。FEDは本音では利上げをせずに様子を見たいと思っているであろうことは、先日のニュースレターで僕も指摘していました。
さらに、ガンドラック氏はFEDが経済の先行きを予想することが苦手だということを指摘します。
実際、インフレを早い段階で抑えていれば、今のような状況にはなりませんでした。それを「このインフレは一時的だから、いずれ終わる」と見過ごしていたたために、インフレが加速して、FF金利を5.25%まで上げる必要性が生じたわけです。
FEDの中には、ガンドラック氏と同じように米国が景気後退に向かい、FF金利が引き下げられると予想するメンバーも出てきています。
米国経済は強くない
ガンドラック氏が利上げ終了を予想する理由は、いくつもの経済指標が景気後退的な水準を示していることにあります。
本ニュースレターでも、いくつかの景気後退水準にある経済指標をたびたび紹介してきました。
また、最後まで強い経済指標として、僕が「まだ高金利の維持が必要だ」としたのは雇用統計です。
しかし、これについてもガンドラック氏は「決して強い数字ではなかった」としています。
仕事の総量が、就業者数 × 1人あたりの仕事時間で決まるとすれば、前者は伸びているものの、後者は減っているとのこと。
雇用者は、新型コロナで労働者を解雇したあと、新型コロナが終わって経済活動が再開されたときに、雇用者の確保に苦労したという経緯があります。そのため、今後の景気後退に備えるにおいても、労働者を解雇はせずに、労働時間を絞ることで様子を見ているのでしょう。
こうした経済指標の悪化を受けても、利上げをやめようとしないFEDについて、ガンドラック氏はインフレが起こっているのに「一時的だ」として利上げをしなかった過去のFEDと本質的に同じことだと指摘します。
結論:米国長期債でのリスクヘッジ
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