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海外留学体験記 #6 名前について

私が人生で初めて行った海外はイギリス(語学留学)でした。
何せ初めてなのとベリーヤングだったので全く予習をせず、想像と憧れだけで飛び立ちました。極端ですが、出発の前日に『明日イギリスに行くんだ!どうやってステイ先まで行くんだろう?』と焦ったぐらいです。

まあなんとか無事に家に辿り着いてもこんな調子ですので体験する全ての事が超新鮮でとてもくだらないこと、例えば、ホームステイ先のお隣さんの家にステイ先の子供と遊びに行って、庭にウサギがいると言われると、まるで生まれて初めてウサギを見るかのようにはしゃいで言葉は全く上手く話せないので心の中で勝手にピーターラビットの世界に行き、大袈裟に喜んでいたりしました。(イタリア文学並の長い文章になってしまいました。関連記事に興味のある方はどうぞコチラご覧ください→https://note.com/mercoledi/n/nba5d64a8afd3 )

初めて見るイギリス人家庭の庭にウサギです。もう役者は揃ったというところでしょう、子供以上にウキウキの私に周りはドン引きしていたかもしれません。こんなノリで毎日を楽しく過ごしていましたが、ある日、すごく驚く出来事が起こりました。それは授業中の話ですが、なんと、日本人の私の名前はイギリス人にもあるというのです。今はもう色んな情報が飛び交っていますから、そんな事ぐらいなら日本でも知れる事ですが、当時は何の前触れもなかっただけに非常に驚きました。そしてそんな外国人にも等しく名乗られている共通名(日本の名前、苗字)が他にもある事を知りました。(0ではなかった) 私は何の共通点もないと思っていたので一気に距離が縮まったものです。
そしてその時、イギリス人の名前について授業を受けていたのですが、イギリス人は名前を言う時、正式な名前でなく、愛称で伝えたりしますとも教えられました。
例えばマージは実はマーガレット。みたいに。。。そして同じマーガレットでも私はマギーと読んで、とかその人に寄って選ぶものは違うみたいでした、なんだか与えられた名前と自分の理想とを組み合わせた自由さと楽しさを感じました。

その学校にはマージという先生がいたのですが、その後私はマギーというイギリス人と出会います。そう、実はこの二人はマーガレット。しかし、不思議な事にマギーはマギーでマージはマージとしか感じられない。もしマージがマギーだったらとっても違和感があります。もちろん別々の人間ですから違うに決まっているのですが、それぞれの選んだ愛称が実にベストマッチしていることに驚きです。与えられたものより自分で築くのが人生ですからきっとそうなるのでしょう。

その後私はイタリアに行くことになるのですが、イタリアでは子供の性別に関わらずミドルネームに異性の名前を入れることも結構あると知り驚きました。例えばフェデリーコ(男の子の名)・マリア(女の子の名)・スコラミエーリ(苗字)といった具合に男の子のミドルネームに女の子の名前が入っているのです。理由は先祖から受け継いでいたり、宗教であったり色々みたいです。
更にイタリア人の苗字にはDalla(ダッラ)とかDi(ディ)といった接頭辞がついたりする人がいるのでこれまた驚きです。日本語で言ったら田中太郎さんと言ったところでしょうか? 有名どころではレオナルド・・ヴィンチですね。まあ、こんな有名人がいても あっ、あのと同じか!なんて余裕はない。
要するにこういったものは文章の中で使われるものなのでどうして名前に?どころかコレ名前?って最初は気づかない。何がなんだかわからない状態になる事も多々ありました。紐解くと出身地から由来していたり、職業から由来していたり色々あるようですが、私は教授にDalla chiesa(ダッラ キエーザ)という人がいて、(キエーザは教会の意味)当初は名前なのか話の内容なのか見分けがつきませんでした。しかも美術史の教授だったのでなんだかイメージも加わって大変でした。
日本でもそれぞれ苗字に意味があったりしますが、接頭辞がつくわけではないので。
そしてイタリアでは結婚しても自身の名前と苗字に相手の苗字がプラスされるだけという事も知りました。そう、文学だけでなく、名前も長くなる。
余談ですが、イタリア人は日常生活において引き算より足し算が好き(私の感想)。

外国人とお友達になったら一度その苗字に何か意味があるの?って聞いてみてください。日本人と同じように何か意味があるかも知れません。あるオランダ人の人はオランダ人の苗字は(その人はナポレオンと言っていましたが歴史的に確かかどうかわかりません。ご存じの方、教えてください)強制されたのに反抗して変な苗字をわざと名乗った人も多いと言っていました。例えば"お腹"さんとか。
名前から歴史の一部分がわかるかも知れません。


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