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AIと、ショートショートを書いてみた。

 「AIと一緒にショートショートを書く」という試みをしてます。どちらかがBing AI、どちらかがメルシーベビー作。
 

「人手不足」 

「どこも人手不足だからな」
 課長は言った。
「ひとりが長時間はたらく以外にないんだよ。今日どうせ終電まにあわないだろ?ホテル取っといたほうがいいぞ」
 
 高崎はそれを聞いて、そッスね、と気のない返事を返し、社用のパソコンに向かって近隣のホテルを検索する。今晩はなにがあるのか、いつもなら余裕で取れるおばけ屋敷のようなところまで、予約で埋まっている。
 
「近くのスタジアムでなんかイベントがあるみたいですよ」
 横のデスクにいる林田が言う。彼もやはり帰れない。建築業界に就職して二十余年になる林田は、すでに前髪が後退し、頭頂部に達しようとしている。
「こうなると近隣は、ぜんぶおさえられちゃうんですよね」
 
 ですよね、じゃねえよどうする気だ、と心の中で悪態をつきながら、高崎は検索を続ける。幸い、職場からはやや遠いが、明日の朝礼に間に合うくらいの場所に部屋が取れた。古臭いホテルの名は『アラジン 魔法のランプ』。
 
 初めて使うところだったが、風呂もトイレも壊れていないし、幽霊も出ない。深夜の街から逃れるように部屋に入った高崎は、思いのほか居心地がいいのに安心した。これでもう少し職場に近ければよかったが、文句ばかり言っていられない。泊まるところがあっただけでも儲けものだ。
 
 ベッドの枕元には、安っぽいランプが置いてあった。

(魔法のランプか……こすると魔人が出てきて、願いを叶えてくれるんだよな……)

 すでに睡魔に負けかけていた高崎は、ふと思い立ってランプを手に取り、心の中で考え始めた。

(願いの数は三つだった……いまの俺ならなんだろう、まずは明日の仕事に間に合わないとだめだ、明日時間通りに起きる。それから2つ目は、いまの仕事を辞めることだ……こんな生活をしていたらいつか倒れてしまう。あとは大富豪にでもなって、家族に贅沢をさせてやれたら……)
 
 そこまで考えたところで、ランプからボアッと煙が出た。白い煙幕が消えるとともに、魔人が現れる。
「お前の願いは聞こえた」
 高崎は驚いたが、魔人に願いが届いたのを喜んだ。
「聞こえたか、魔人って本当にいるんだな。さあ俺を大富豪にしてくれ」
 魔人は言った。
「いや悪い、願い事は最初のひとつまでだ。この業界も人手不足なんだ」


「バックアップ」

 「あなたはバックアップされていますか?」と、突然画面に表示されたメッセージに、佐藤は驚いた。 何のバックアップだろう? と思いながら、画面の下にある「はい」「いいえ」のボタンを見た。 どちらを押してもいいのだろうか? と迷ったが、とりあえず「はい」を押した。
 
 すると、画面が真っ暗になり、しばらくしてから再びメッセージが表示された。
 
「バックアップ完了しました。ありがとうございます。」
 
 佐藤は不思議に思ったが、それ以上何も起こらなかったので、気にせずに仕事に戻った。
 
 その日の夜、佐藤は自宅でテレビを見ていた。 すると、テレビの画面が突然切り替わり、同じメッセージが表示された。
 
「あなたはバックアップされていますか?」
 
 今度はテレビだ。 どういうことだろう? と思った佐藤は、リモコンでチャンネルを変えようとしたが、反応しなかった。 画面の下にある「はい」「いいえ」のボタンも同じだった。 佐藤は不安になり、「いいえ」を押してみた。
 
 すると、画面が真っ暗になり、しばらくしてから再びメッセージが表示された。
 
「バックアップ失敗しました。再試行しますか?」
 
 佐藤は怖くなった。 何が起こっているのだろう? と思ったが、答える暇もなく、画面が再び切り替わった。
 
「あなたはバックアップされていますか?」
 
 佐藤は慌ててテレビの電源を切ろうとしたが、反応しなかった。 画面の下にある「はい」「いいえ」のボタンも同じだった。 佐藤は逃げ出そうとしたが、その時、部屋中の電気が消えた。
 
 真っ暗な中で、佐藤は何か冷たいものに触れた。 それはテレビの画面だった。 画面には白く光るメッセージが表示されていた。
 
「あなたはバックアップされていますか?」
 
 佐藤は叫んだ。
 
「助けて! 誰か助けて!」
 
 しかし、誰も聞こえなかった。 画面の下にある「はい」「いいえ」のボタンも同じだった。
 

最後に

 勤めている業界が出た時点で、常連さんにはバレバレだったかもしれません。最初のがメルシーベビー、2つ目がBing AI作でした。AI作のほうは、まだちょっと日本語が不自然かな……。

本を買ったり、勉強したりするのに使っています。最近、買ったのはフーコー『言葉と物』(仏語版)。