DVのもろもろ
ドメスティック・バイオレンス、DVについて調べている。日本語で書くと「家庭内暴力」だけど、単に殴る・蹴るばかりをいうわけではない。精神的な攻撃も、家庭内暴力のひとつにカウントされる。
なんで調べているかというと、夫婦生活がうっすら不安になったから。最近になって不安になったと言うよりは、いつもなんとなく気にかかっていたことを調べ始めたに過ぎない。
自分にしろ旦那さんにしろ、いつも穏やかでハッピーな人間ではないから、時には調子が崩れる。旦那さんが、赤ちゃんの泣き声に耐えきれず「泣き止ませろ」と怒鳴ったこともある。プツンと糸が切れた自分が、旦那さんを無視したときもある。
これは残念ながら、どちらも精神的DVに該当する。「大声で怒鳴る」や「命令口調でものを言う」の項目で旦那さんの行為はアウト。「何をいっても無視したり口をきかない」で、自分がアウト。
もっとも、DV行為の例として出ているのは「長時間、無視し続ける」なので、ギリギリセーフかもしれない。自分がなにも反応せず置き物のようになるのは、だいたい寝起きの数十分だ。そういうときに強く不満を言われると、すべての反応が停止する。
ギリギリセーフならいいとかいう話ではないので、改善できるよう努力はしたい。DVの定義って意外と広いんだなあ。精神的DVの中には「SNSで誹謗中傷する」というのも含まれていた。
今日の記事は事実の羅列なので大丈夫だと思うが、一応予防線をはっておく。旦那さん育休取って家事してくれてありがとー、でもなんかのときに大声をあげるとか、「~しろ」って口調になっちゃうのはやめてほしいな。はい。
DVには「心理的攻撃」のほか、身体的暴力や経済的圧迫、性的強要が挙げられる。
暴力はわかりやすい。殴るとか蹴るとか、髪の毛をつかんでひきずり回すとかしたらアウト。経済的圧迫も、読んで字の通り。「生活費を渡さない」とか、「デート費用を毎回、払わせる」がある。
性的強要は「避妊に応じない」や「見たくないのにポルノを見せる」などが該当する。自分のところで「これだけはないだろうな」と言えるのは、経済的圧迫と性的強要くらいか。旦那さんも自分も、相手の財布や性的決定を縛る考えを持っていない。
ただ残りは「あってもおかしくないな……」と思っている。身体的暴力と、心理的攻撃。これはどちらがどちらに対してやるのも、十分ありうる。相手からのそれを防御しつつ、自分も加害者にならないように気をつけないといけない。
そんな風に「気をつけないといけないねえ」と思っていられるのは、まだ深刻な加害者でも被害者でもないからだ。
たぶんだけど「SNSで(配偶者を)誹謗中傷する」って項目、あてはまってる人がそれなりにいそうなんだよなあ……。夫や妻に対する、中傷すれすれの愚痴って地味に見るんだけど、大丈夫なんですかねアレ。自覚がある人は気をつけたほうがいいと思う。
結婚すると、あたりまえだけど相手と密室に暮らすことになる。家庭っていうのはプライベートな空間だから、外からは見えない。そこで暴力や虐待が起こっていたとしても、見えない。
だから結婚したとき「こんなことは、信頼する相手とじゃないとできないな」と思った。特に配偶者が男性で、自分が女性なら、基本的に自分の方が力では弱くなる。「常時、自分の命を預けているようなものだな」と、同居して最初の晩にぼんやり考えていた。
家庭は落ち着ける場所なのが理想だ。でも外から見えない密室であるせいで、そこは地獄にもなりうる。よその家庭がよくわかないから、DVをしていてもされていても「こんなもんなのかな」と思ってしまいかねない。そこが怖い。
自分はまだ呑気にしていられるけど、知識は呑気でいられるうちにつけておくのがいい。こういうのがDVです、のサイトを今ざっと見て、ありうる事態に備えているところ。
本を買ったり、勉強したりするのに使っています。最近、買ったのはフーコー『言葉と物』(仏語版)。