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ビジネスモデルを効果的に検討するためのアプローチとは?


■今回のテーマ

<教授>
ビジネスモデルを考えるにあたって、どのように考えていけばよいのか?を今後数回に分けて取り上げたいと思います。
今回は全体像に関して一緒に考えていきましょう。

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※ ビジネスコンセプト開発のnoteはこちら


■そもそもビジネスモデルとは何か?

<教授>
”ビジネスモデル”という言葉を聞いたことが無いというビジネスパーソンの方が少なくなってきたと思いますが、”ビジネスモデル”とは何でしょうか?

<生徒A>
改めて聞かれると説明するのが難しいですね。。。
商品やサービスをどのように顧客に提供して、どうやって売上が出るかを整理したものですかね。

<生徒B>
顧客とのやり取りだけじゃなくて、その商品やサービス自体をどう作り上げるのかも必要じゃないかな?
そうなると売上だけではなくコスト面も検討されていないとダメかもね。

<生徒A>
商品やサービスを作るにあたって、自社だけで作り上げられることってあまり無いんじゃないかな。他の外部企業とのやり取りも考えないといけない気がします。

<教授>
2人が言ってくれていることは、”ビジネスモデル”を考える上では重要なテーマです。シンプルには”利益が出る仕組み/物語”と言えますが、そこには奥深さがあります。


■ビジネスモデルはどのタイミングで考えるか?

<教授>
さて、ビジネスモデルはどのタイミングで考えるべきでしょうか?

<生徒A>
これまで考えてきたビジネスコンセプトがまず先にあって、コンセプトが完成した段階でモデルを考えるんですかね。

<生徒B>
コンセプト検討よりは後だと思うけど、コンセプト完成まで全くモデルのことを考えなくてもよいのかな。。。
提供価値(Value Proposition)を考える際に自社の強みも併せて考えるというようなキーポイントもあったわけだし。

<教授>
まず新規事業用の新しいモデルを考えるか、既存事業の変革をテーマにしているかでもタイミングは変わってきます。今回は新規事業を前提に話しましょう。

2人が想定しているようにコンセプト検討の後でモデルを考えることになります。コンセプトとモデルの違いを押さえておくとイメージが持ちやすいと思います。

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コンセプトはモデルの重要なパーツである、と考えてもらえるとよいかと思います。最終的には必ずビジネスモデルを考えることになるのですが、まず重要かつ中核となるコンセプトを先出しして徹底的に検討することが効果的なんですね。

では、その検討をするタイミングですが、ビジネスコンセプトが煮詰まり始めたタイミングがよいでしょう。まだコンセプトが緩い段階からビジネスモデルを考えると、それだけ考えるべきことが多くなり、スピード感のある検討活動ができなくなります。一方で非常に良いコンセプトが作れたとしても、自社ではどうしても実現できないビジネスモデルが必要な際は、諦めざるを得ないケースもあり、コンセプト練り直しまで戻ることが求められます。

「もう少し検証は必要だけど恐らくこのコンセプトは成立しそうだ」と思える頃から並行して、仮説ベースでビジネスモデルを考えるのが効率的です。


■ビジネスモデルはなぜ難しいと感じてしまうのか?

<生徒A>
考え始めるべきタイミングは分かりました。あとは、具体的に何を考えればよいのでしょうか?

<生徒B>
先ほどの整理表では、
・ソリューションがターゲットに届く/展開される仕組みが構築できている
・ソリューションが創りあげられる仕組みが構築できている
・結果として収益化できる仕組みである
とありましたが、これだけでは何から手をつけたらよいかイメージがわいていません。。。

<教授>
いろいろ考え方はあるのですが、ここでは広く知られているフレームワーク”ビジネスモデルキャンバス”を紹介します。

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<生徒A>
項目が多くて考えることがたくさんありそうなツールですね。どこから埋めていけばいいかも分からないですし。

<教授>
そうですね。パッと見で分かりにくいですよね。
先ほど整理したビジネスコンセプトとビジネスモデルの比較を改めて見てみてください。

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”ビジネスコンセプト”=”ビジネスモデルの重要なパーツ”でしたよね。

ビジネスコンセプトを考える際に使用したツールは何でしたか?

<生徒A>
”バリュープロポジションキャンバス”です。
ビジネスモデルキャンバスと似たような名前ですね。

<生徒B>
右が顧客の分析であるCustomer Segment(CS)
左が自社の提供内容であるValue Proposition(VP)
でした。

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<教授>
そうです。
この2つが重要パーツであるということを念頭に置くと、ビジネスモデルキャンバスとの繋がりも見えてくるのではないでしょうか。

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<生徒B>
コンセプト検討時点で考えたことをそのままビジネスモデルキャンバスの”CS”と”VP”に入れてしまうことができるんですね。

<教授>
そうです。そこがビジネスモデル検討のスタートになります。それ以外の項目は新しい項目ですので、こちらが全体像です。

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<生徒A>
それでも考えないといけないことがたくさんありますね。。。
取りあえず埋めていくという感じでしょうか?

<教授>
そこが”ビジネスモデル苦手意識”を生み出してしまう所なんです。最初からビジネスモデルキャンバスを全部埋めようと頑張るのですが、段々ツラくなってきます。また、使いこなせてる感も無く、作業チックになってしまいます。そこで、苦手意識を持たずに効果的に考えられるアプローチがあります。


■おすすめのアプローチ

<教授>
ビジネスモデルキャンバスは非常に有効なツールなのですが、効果的な使い方をすることが重要です。そこでおススメのアプローチが
・骨子
・肉付け
・ディテール
という3段階に分けて考えていく方法です。

<生徒A>
紙粘土で作品作るみたいなイメージですね。まず針金で骨子を作って、紙粘土を当て込んで、最後細かく彫りを入れたりして作りますもんね。

<教授>
そのようなイメージです。最初から完成品を目指さないということですね。ビジネスモデル検討ではこのようなイメージを持ってもらうとよいでしょう。

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<生徒B>
ビジネスモデルキャンバスは肉付けなんですね。

<教授>
そうです。いきなり肉付けするのは大変なので、その前に骨子を作ることが必要ですし、キャンバスを埋めるだけではキモとなる部分が発見しにくいので深堀を行うことになります。

今回は基本的な概要ということで、ここまでにしましょう。

次回以降はそれぞれの検討の仕方やコツに関して説明していきます。


■今回のサマリ

① ”ビジネスコンセプト”は”ビジネスモデル”の中核パーツ
② コンセプトが固まってきたらモデルを考え始めるタイミング
③ 骨子・肉付け・深堀の3段階に分けて考えると効果的に進む

※自社サイトにもまとめました
https://www.mercenaire.jp/service

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