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一日半ぐらい食事しなかった時

3年前、心の病で静養が必要となり、半年くらい家に引きこもっていた。

何もせずにいたわけじゃないが、ほとんどは寝て過ごしていた。自室で朝から晩までずっと寝て、夜になったらリビングに出てきてご飯をひと口、ふた口ほど食べると、また自室に戻って眠りについた。寝れない時はラジオ聴いたりゲームもしたりしてたけど、一日の半分以上は睡眠だったと思う。よく寝ていた。

ご飯は、静養する3ヶ月くらい前からほとんど食べられなくなっていた。

空腹感が少なくなって、そのせいで食欲もなくて。
なにかを食べても美味しさを感じれなくなっていた。

朝食は元々食べない派だった。学生の時も生活時間が主に夜間だったので、一日の始まりは昼頃からだった。
その後卒業したら完全な昼夜逆転の生活時間になって、朝に早起きするのが苦しかった。

仕事の通勤には往復3時間かかっていた。始発電車が走り出す時間には起きていた。
自分にとっては早起きすぎて食欲は全くなかったのだが、朝食を食べないと昼食まで何も食べないまま長時間耐えなければならなくなるので、無理やり飲むゼリーを食べてた。
しかし、あのわずかな量でも食べきれず残していて、それは日が経つにつれて半分以上残るようになっていった。

そして昼食も外食をしない限りは同じ飲むゼリーにしていた。上司に驚かれ心配された。でも、昼でも完食するのがしんどかった。食べれそうな時は飲むゼリーの味違いを2つにしていたが、2つ目を食べる時に吐きそうになってしまっていた。一方で、親しかった人と外で昼食を食べた時には、噛んで食べる定食などでも完食できていた。

それでも、圧倒的に飲むゼリー食が多かったので、どんどん痩せていった。元々は標準体型ぐらいの体重はあったが、静養に入る頃には39キロになっていた。小学生か中学生以来の30キロ台だった。

静養に入ってからもしばらくはまともに食事ができていなかった。

そんなある日、朝から晩まで寝過ごして、夜になっても起き上がらずにまた次の日まで寝た時があった。なぜだったか分からない。

圧倒的に足りてないはずの食欲より、足りすぎている睡眠欲が勝ってしまったのだろう。

気がついたら、一日半ずっと食事をしていなかった。


あまりの空腹感に記憶が曖昧になっている。
これだけ食事をとっていなかったことは無かったので、寝ていても血の気の引くような目眩がしていた。

まずい!と思い、目眩が軽くなったのを見計らって寝床からどうにか起き上がり、リビングへ出た。

最初から噛んで食べるものを食べたら高確率で体が受け付けない、というのは分かっていた。しかしお粥はないし、買いに行ける体力もなかったので、まずはドリンクから試すことにした。この時まで一日半、食べることだけでなく飲むこともしていなかった。

そこで冷蔵庫を開けてみて、手に取ったのは、ぶどうジュースだった。

冷えたぶどうジュースをコップに注ぎ、まず一杯飲み干した。

よし、これで大丈夫!と思いきや、全く大丈夫ではなかった。
血の気の引くような目眩がさっきより増していた。
そして視界には、青や紫の色鮮やかで不気味な砂嵐がやんわりとかかっていた。
そしてめちゃくちゃ気持ち悪くなった。

すぐにリバースした。液体だけキレイに。行為自体がキレイじゃないけど。
その最中にも不気味な砂嵐が自己主張激しめになってきていたので、無事生還できるのだろうかと不安になったが、無事生還できた。

そしてもう二度とこんなこと体験したくないなと思った。

ご飯を1食2食くらいなら抜かすこともあるが、やっぱり食べなさすぎるのは良くない。1番いいのはおそらく朝昼晩に3食しっかり食べることだと思うが、それが難しくてもせめて1食はちゃんと食べないと、不気味な砂嵐を見たりして命の危険を感じることになる。

ちなみに今は朝食としてグラノーラを食べながらこの文章を書いているが、朝食は未だに習慣化しておらず、昼食も食べたり食べなかったり、晩御飯だけはしっかりガッツリ肉食べてる。

なんでも少しでもいいから食べたいもの食べようぜ。

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