読書から考えること

趣味は?と聞かれて先ず思いつくものは読書である。とは言え、毎月何十冊も本を読むような読書家でもなければ、好んで読むのは小説で、そのテイストもかなり偏っている。

最近、読書家だと自負し、たくさんの本を所有しているという方から本を借りている。自分では手に取ることがないような内容の本。

「無知の知」なんていう、ソクラテスの言葉があったが、まさにそれを痛感する。歴史、政治、経済… 。30代にして、知らないことが多すぎる。知らないから、日本語で書かれているはずなのに内容が頭に入ってこない。難しいと思う。そして理解できない自分がもどかしくなる。

小説を読むときは自然と頭のなかに絵が浮かぶ。目から入った文字が脳で映像へと変形し、頭の中で映画を再生しているような感じ。でも、嗜好に合わない本を読んでいて気が付いた。小説でも文字がクリアに映像化されないものがある。

それは、著者の表現の仕方にも一理あるかもしれない。けれども、私が思ったのは知識と経験の有無だ。時代小説、海外小説なんかは、馴染みのない情景描写がある。見聞きしたことがないから想像がしづらい。

学生時代に、暗記方法として、覚えたい単語をイメージと紐づけて覚える手法を聞いたことがある。いちいち単語にあったイメージを考えるほうが時間がかかる(そういうことではないのかもしれないけれど)と判断した私は試したことがないけれど、読んで記憶に残る小説と残らない小説は、どれだけイメージを鮮明に描けたか否かな気がする。

一方で新書。目は文章をなぞるが、文字は映像化されずに、そのまま脳内のスクリーンに映し出されるだけ。要点がスッと掴めずに、何度も読み返しながらでなかなか進まない。けれども、小説ばかりではなく、新書を読むことも大切だと感じた。自分には持っていない考え方、思考の幅が広がる感じ。脳内の知識の引き出しが増える感覚。

本はオールドスクール型が良いので、電子書籍には手が出ない。でも今は海外在住。手に入れられる本は限られている。友達が電子書籍だと気に入った箇所をマークしたり、メモしたりしやすいのが良いと話していた。私も読書をする中で、幾度となく心に留めておきたいフレーズ、考え方などに出会ってきた。しかし、書き留めていないので、記憶からこぼれ去ってしまっているものがいかに多いかと嘆きたくなる。

iphoneで電子書籍を読むのはさすがに目に辛い。タブレット端末を購入して、電子書籍での読書を始めてみようと思っている。


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