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no.5_登山ザックを初めて買う

2012年10月

■購入したザック:MAMMUT CREON LIGHT 32  ■価格:約1万3000円程度 ■購入場所:石井スポーツ大丸東京店

初めての登山で、ザックは行動中にブレるとストレスと疲労の元になることが身をもってよく分かった。街用のマスターピースで登ったけれど、腰ベルトが無く体が動くたびにリュックが左右に振られて、非常にヘトヘトになった。やっぱり登山ザックを買わないといけない。さすが神器の一角だけあって代用が効かない。大変失礼しました。

ー ザック選びは本当にムズい。

おそらく多くの人がそうであるように、僕が普段の生活でリュックを買う時は基本的にデザイン重視なので、背中にフィットするということを考えたことがない。つまり、「フィットする」という状態を知らない。これだ、という経験がないので非常に難しい。

登山ザックに腰ベルトがあるのなんて当たり前。背負った時の背中と腰の比重のバランス、痛いところがないか、体と擦れて違和感・ストレスになるところはないか、など要は「デザイン」よりも「機能」と「相性」で選ばないといけない。「まずは肩のラインがピタッとしているか、あとは重りを入れてみて肩と腰のバランスを体で感じてください。」石井スポーツ大丸東京店の店長がたまたま応対してくれて、まずは最初にドイターの30Lくらいを試す。

ー こりゃ違うぞ。

ザックの「フィット感」なんて分からないと言っていた舌の根も乾かぬうちに、「相性が合わない」ということを感じる。そして次々と試す。グレゴリー、カリマー、ミレーなど30L前後の定番ザックをトライしては、重りを入れては、店内をグルグル歩いてひたすら「相性」が合うソノモノを求め続ける。が、相性が悪いのは分かるんだけど相性が良いのは結局分からずじまい。

この時は分からずだったけれど、且つ今まで登山を続けてきてベストアンサーは未だに無いのだけれど、少なくとも選ぶ基準は概ね分かってきた。基本はこの3点、「相性」「機能」「デザイン」だ。感覚的な部分もあるけれど、できるだけ解像度高く具体的に書く。

■相性:まずは肩のラインがピタッと収まること。そして背骨がスッと収まること。重心が背中の真ん中より上にあること(真ん中より下はダメだ)。横移動しても振られずにしっかり体についてくること、この点をチェックしてはまると「ああ、相性がいいな」と思う。

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■機能:大事だと思っているのは、「腰ベルトに収納があるか」、「ザックのコンプレッションが効くか。(ザックに付いている紐でザックをしっかり締め上げること)」だ。腰収納は、歩きながら食べるSOYJOYとか行動食をそのまま動きを止めずにさっと摂るのに便利だから。無くてもいいだろうけど、僕には必須だ。そしてコンプレッション。本当に大事。UL系ザックはこのコンプレッションが結構ダメで、その後いくつか買ったけど失敗しました。腰痛持ちなので、ULスタイル万歳なのだけどULザックに関しては登山中の腰痛悪化を2回経験したので、僕はもう買わないだろう。

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背面長とか、1気室だね、2気室よ、というのはあまり気にしないくていい。というか、初心者の僕は知らなかったから悩みポイントに幸いにしてならなかった。背面長はザックをたとえ購入しなくても、店員さんに測ってもらうことで数値で把握できる。1気室か2気室かは登っていくうちに理解できるようになるので、初ザックでは結果的に気にしないでいいと思う。ハイドレーションやレインカバーも今は大体備わっているので、一応チェックすれば良い程度だ。

■デザイン:気分が上がるのか、ニュートラルのままかを決める決定的なポイント。「相性」「機能」で欲しいザックが並んだらもちろんデザインで決まりだろう。でもこの境地に行くのにはやっぱりULザックで2回失敗したからで、やっぱり最初はデザインで決めていた。相性に違和感がないから、あとは機能も分からないし、MAMMUTってスイスのメーカーだし、なんかソレっぽい感じが初心者の心を満たしてくれたのだ。気分が上がるのが何より大事だ。

■その他:容量という初心者にはとっつきにくい問題がある。「日帰りなら30L」、「小屋泊なら40L」と登山店では掲示されているので分かった気になるのだけれど、よく考えてみるとリットルで所持品を計測しながら生活なんてしていないので、結局よく理解していなかった。リットル表記=容積で計算する、ということ。どれくらい嵩張るかということを表現しているだけど、ちょっとわかりづらい。そうお店にも説明で書いてくれるとさらにいいのだけれど。結論からすると、店の掲示数値はちょっとデカい、と思う。春夏なら、低山ハイク(高尾山、筑波山等)でツェルトとかエマージェンシーアイテムを入れても20Lで十分だし、小屋泊もきちんとパッキングすれば30Lでいけると思う。20Lか30Lか、または40Lかの違いは食事だろう。クッカー(鍋)、ストーブ(コンロ)、ガス(燃料)、作る食材の大きさ、が大きく影響する。登山初心者でいきなりクッカーを持って、というケースでなければそんなにデカくない方がいいと思う。何よりデカいとザックが登山中にブレる。

ー 買ってはみたものの。。本当にそんなに登るのだろうか。

たった1回しか登山をしていない、モンブラン行くとか言ってるけど、どことなく自分自身に臆していたものの、この日買ったMAMMUT CREON LIGHT32はその後7年間使うことになり、良い買い物だった。

さ、晴れて登山ザックを買ったことだし、このザックで登るのだ。

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