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ゼロから始めるアイルランド日記~なぜアイルランドは幸福な国なのか~

しばらく投稿していなかったアイルランド日記ですが、帰国一ヶ月前になり、当初の目的のひとつであった、アイルランドのWell Beingに関して、現地で半年間生活してみて気づいたことなどの考察・感想をまとめておこうと思います。

1.政府の決断/意思決定が早い

まずは政府の意思決定の速さです。正直、驚かされる早さでした。「ロックダウンします」と決議してから、その2日後にはもうロックダウンが始まる、という速さです。

当然カフェはテイクアウトのみ、雑貨屋さん、アパレル、美容室も空いていません。基本的に空いているのはスーパーのみです。こうした状況への国民の対応力もそうですが、本当に早かった。それに加えて現在も変わらず毎月いくらかの支給は行っているそうです。

以前World Happiness Reportにも書きましたが、幸福度は政府の腐敗度によって影響すると言われていました。腐敗度だけでなく、国民が国を信頼しているかどうか、みたいな要素も含まれています。

日本はこの要素が低いですね。政府の対応の遅さもそうですが、最近思うのはマスメディアの影響もあるかと思います。政府の対応の悪さをコメンテーターが好き勝手に語り、国民の不満や不安を煽る。この構造は世代が淘汰されていくことで変わっていくでしょうが、しばらくはかかりそうですね。

2.めっちゃ運動してる。健康的。

ロックダウンしている中でも、散歩やランニングは推奨されております。私も最近は毎日ランニングしておりますが、毎日必ず、5組以上散歩している人を見かけるのです。(ちなみに年齢問わず、おじいちゃんおばあちゃんもウォーキング・ランニングしていますし、小学生2人組でランニングしている光景も見られます)

人口が北海道と同じくらいで、確かに外で運動するだけの広さや自然がたくさんあるというのもありますが、それにしてもよくこんな寒い中(12月や1月でも)運動していられるなーと感服しました。

3.休日の過ごし方が楽しそう

私は本日、アイルランドの港町であるダン・レアリーという町に来ているのですが、たくさんの方が海沿いの公園やお散歩コースを歩いていたり、ちょっとした小さな丘でピクニックをしていたり、ロックダウンで屋内で楽しめない中、活動できる範囲でとても楽しそうに過ごしていました。

アイルランドは年間の3分の2ほど雨が降る国です。それが理由かはわかりませんが、今日のようにとても晴れていて12℃くらいあれば、多くの人が外出し、散歩・ジョギング、公園でのフィットネスなど、とても健康的に過ごされています。雨が降ることが多いからこそ、晴れた日にはとことん外で過ごそうという気分になるのかもしれません(実際私もそうなっている、、)

さらに驚くべきことは、これが年齢問わずということです。おじいちゃん、おばあちゃんから、小さい子まで。公園で自転車の練習をしている子もいましたし、近所の広場には、大きな木に自作のブランコがつくられていて、小学生が遊んでいる光景も見られました。子供だけでなく、ただただ散歩している中高生カップルもたくさんいますし、駅のプラットホームで電車が来るまで、日向で瞑想している女性も見かけました←これはたぶんイレギュラー笑

また、人口も北海道と同じくらいでそこまで多くないので、バスや電車に乗っても人が少なくストレスもありません。タバコを吸っている人も少なかったりします。

健康的。本当に健康的なのです。見ているだけでこちらも幸せな気分になってくる、そんな国です。

4.金曜日のテンションがやたらと高い

ブラックフライデーなんて言い方が日本ではありますが、アイルランドの金曜日に対する捉え方は少し違います。

アイルランドの人たちと話していると、「今日金曜日だね!今日頑張ったら週末だよ!週末何するの?!」みたいな感じで、金曜日の始まりのテンションがやたらと高いのです。

日本ではどちらかというと、「やっと金曜日だー、、、」「金曜日終わったー飲みに行こうぜー」みたいな感じで、やっと金曜日終わった感があるような気がしていました。ですが、金曜日の始まりのモチベーションが高いのがアイリッシュの傾向なのかな、と感じました。

5.言わなきゃわからない文化

これはアイルランドだけでなく、海外全般でしょうか。どうしても日本では悟ってほしい、気づいてほしい、という思いが生まれてしまいがちだと思うのですが、「気遣う」ことをあまりしないような気がしています。

もちろん人による、という要素も大きいと思います。アイルランドの人は親切な方が多いので、寛容だったり、優しいなーと思う出来事はよくありますが、相手を気遣う(きっとこう思っているだろうからこうしよう)ではなく、純粋な「こうしたら嬉しいかな、喜んでくれるかな」という気持ちの親切は多いかな、という印象です。

個人的に感じたこと

ここからは個人的に感じたことを綴っていきます。

■切迫している雰囲気が感じられない

アイルランドはレベル5の一番きついロックダウンが何度も続いており、ヨーロッパ圏の中でも率先してロックダウンを行ってきました。その成果もあり少しずつですがコロナも減少傾向にはあります。

そんな中でも、アイルランドで生活している人たちを見ていてもあまりピリピリしていないというか、決められた環境の中で楽しく過ごすコツを知っているのか、多くの方がいきいきしている感じがします。

散歩していてもよく見られる光景として、近所のひと同士でお話する時も2~3mの距離をしっかり保った状態で外で会話していたり、ちゃんとルールを守っている方も多く感じます。もちろん破っている方もいますが、どちらかというと破っているのはアイリッシュではなく、別の国の方の方がルールを守らない傾向にあるような気がしますね。

日本で生活していた時と比較すると、心理的なストレスはアイルランドにいる時の方が少ない気がしています。感覚的なことですが、コロナによるストレスが大きいような気がするのですよねー。家族の話を聴いていると、マスメディアやテレビ番組が伝える情報や、不安を煽るような言い回しなども考えられます。もちろん国民性かもしれませんし、気のせいかもしれませんけど。

あとは運動している人の多さは大きな違いだと感じます。運動している人の方が幸福度が高い研究は数多くありますが、日本人より運動している人は圧倒的に多いですね。

■人が優しい

そもそも海外自体が二回目の私が判断できることではありませんが、アイルランドは優しい人が多いということを、渡航前からよく聞いていました。海外で生活していたら荷物を盗まれたり、すれ違ったら怒鳴られたりするのではないか、と渡航前はとても恐れていましたが、全くそんなことはありませんでした。

近所のおじさんはすれ違うと挨拶してくれたり、ボルダリングジムで知り合った方も色々と教えてくれたり、友達になってくれて連絡先も交換できました。日本人より優しい方が多いのではないか、と思ってしまうくらいです笑

■バレンタインデーへの認識が異なる

2月のイベントとしてバレンタインデーがあったので書いていますが、調べてみるとチョコレートを贈り合う文化があるのは日本と韓国、あとはアメリカのようです。

アイルランドやその他ヨーロッパ諸国では、花束を贈ることが多いらしく、スーパーに行くと花束がズラリと置いてあったりします。「チョコレートを贈る文化」として20年以上生きてきた私にとって、バレンタインへの認識が変わりました。

バレンタインデーは自分がお世話になっている人に、感謝の気持ちを伝える日である、と。

よく考えると日本には母の日や父の日、勤労感謝の日、はあっても、普段お世話になっている人に感謝の気持ちを届ける文化ってないなーと思いました。

■高層の建物が建てられない

どうやらアイルランドは法律で高い建物が建てられないようになっているらしく、ダブリンで一番高い建物はGoogle社だそうです笑

なので街が一望できる場所があまりないというのはひとつ寂しいことではありますが、そんなわけで空がとても広く感じられることはすごく好きなポイントだったりします。電柱も地中に埋まっているため本当にどこも景色が良いのですよね。

ロックダウンの中、半年間生活してみて

英語が全く話せない中アイルランドに来て、本当にたくさんの経験を得ることができました。料理も始めたり、人生で初めて物件も探したり、ロストバゲッジしたり、色々なことがありました。

それでも人生二回目の海外にしては濃い半年間を過ごせたのではないかと思っています。

渡航する前に私が考えていたことのひとつに、留学経験がある人はすごく大人な感じがする、というイメージがありました。勝手な想像かもしれませんし、もしかしたら同じように考えている人もいるかもしれません。

今回自分が留学してみて、自分がイメージしていた「留学経験のある人は大人な感じがする理論」は全く実感がありません笑 成長したかどうかも自分ではわかりません。

ですが、日本という国を離れて、ある程度自分の力で何とかやっていくということを経験できたことは大きな経験になりました。自己管理能力もそれなりに身についたと思います。

まだうまく言語化できていませんが、ただひとつ言えることは、就活から逃げてアイルランドに来たことは、私にとって正解だったといえる選択にできた、と思っています。

残り一ヶ月。悔いの残らないように生活していきます。ではでは。

※3月3日追記

先日、ある方に、これらが幸福度の高い理由なのん?とエビデンス不足を指摘されてしまったので、World Happiness Reportと照らし合わせて追記いたします。

政府の腐敗度に関しては1で説明した通り。

②社会的支援
「もし、あなたがトラブルにあったとき、あなたの関係する人や友人は、あなたが必要とすれば助けてくれますか?」みたいなことを聴いています。

これについてはアイルランドで生活したことで分かったことなのですが、とにかくご近所付き合いが良い。散歩してすれ違ったり、ワンちゃんを飼っている方同士ではよくお話されている光景が見られます。

また、コロナの関係で直接相手の家に上がることはしませんが、玄関先で2~3メートル離れて会話している風景は毎日のように見かけます。

③健康寿命

日本の平均寿命は2017年の時点で84歳ですが、アイルランドも負けず劣らず82歳。日本のおじいちゃんおばあちゃんよりも健康的な方が多そうな感じすらします。

その理由にもしかすると、アイルランドは日本と異なり、電車網があまり発達していません。そのため、通勤は自転車か車でされる方が多くいます。そういった背景もあるからかもしれません。

また、電車やバスも座れる場所が多いので、車内で立っている光景や東京の電車内のような光景は見られません。バスも満員になれば乗車すらさせてくれないので、次のバスを待たされることもよくあります。そのようなストレスは感じにくいなと思います。

④人生選択の自由度

これは正直あまりわかりませんが、アイルランドの学生は大学進学でもイギリスの大学を目指したり、イギリスで就職を望む人も多いと聞きました。

これは日本でいう、「就職をするなら東京」的な文化に近いとも感じました。

まとめ

レポートと照らし合わせるとこのような感じになりましたが、北欧諸国と同様に政府の意思決定や腐敗度が低いのはあると感じました。

北欧諸国は幸福度高いと言われがちですが、自殺者やうつ病の患者も多いです。しかしそれでも、幸福度の高さは政府の質にも影響する要因が大きいので、このような結果になっているのでしょう。また追記するかもしれませんがどうぞよしなに。


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