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ADHDには「ランドセルサイクル」が通じない。「普通」の人には理解できない感覚なんだろうな。

前もってちゃんと準備をしていれば、忘れ物が減るだろう。きちんとチェックすれば、失くし物が減るだろう。こんな論理は、ADHDには通用しない。私は、小学生の時に、学校からもらったプリントをまともに家に持って帰ったことがなかった。だいたいランドセルの中でくちゃくちゃになっているか、学校の机の中でくちゃくちゃになっているかだった。

ADHDと「普通」の人は、驚くほど感覚が違うのだ。最近、コンサルタントの野口氏の本を読んでいて感じさせられた。

ランドセルサイクル

「だから私は物事には早く着手して、余裕をもって終わらせることを徹底している(というか、やるべきことを後回しにしている状態が気持ち悪くて仕方がない)。これを私は、ランドセルサイクルと名づけているのである。
1週間前には大部分を仕上げるように心がけている。たとえば、締めきりの前日に徹夜で一気にレポートを仕上げるのと、1週間前に大部分を仕上げるのとでは、完成度がまったく違ったものになるからだ。さらには1週間という時間が、レポートの内容をより深く、キレのあるものにするための「熟成の期間」にもなる。」コンサルタントの習慣術 朝日新書 野口 吉昭

前の日に学校行く用意をすべて整えてランドセルを準備することを、著者は「ランドセルサイクル」と呼んでいる。これだけでも、著者がどれだけ、きちんとした生徒だったかが分かる。間違いなくADHDではない。だいたいADHDには「ランドセルサイクル」など、そもそも通用しない語彙なのだ。

私は、ランドセルが、遊びの道具だと思っていたので、雪道をそり代わりに滑って遊んで帰ってきていた(雪国だったので)。帰ってくると教科書が水でぐちゃぐちゃになっていた。ランドセルを振り回して遊んだり、ランドセル自体を忘れてきたりするADHDにとっては「ランドセルサイクル」という言葉自体が通じない。

具体的に教える

ADHDの子供は「きちんとする」「ちゃんとする」という言葉もわからない。何をどうやっていいのかわからないくらい、頭の中が混乱しているのだ。ADHDの子供は、とことん具体的に何をするかというルールを決めるのが効果的だろう。

学校から帰ってくると、まず、「ランドセルの中身をすべて取り出してプリントがないか確認する(してもらう)」が、「きちんとする」ことだと分かれば少しはよくなるかもしれない。私の経験からすると、本当に何をどうやっていいかわからないだけなのだ。家に帰ると、ランドセルの存在も忘れてしまうし、前の日にランドセルの中身をそろえようなんて、逆立ちしても思ったりしないのだ。

自分でやる気になること

そんな私だが、不思議なことに、大人になってからは徐々に自分の特性を理解し使いこなせるようになってきた。親からいくら言われてもダメだったが、自分で何とかしたいと思うと、様々な工夫をするようになるものだ。そして、やればそれなりにできるようになる。簡単ではないけれど。

私も今は、仕事に追われなくなった。締め切りの一週間前にはざっくりでも完成させてしまうことが多い。ADHDの子は、強制されても親の期待通りにはできない。でも、自分でやる気になれば、自分を律するようになる。

ADHDの子には、いかに、やる気を起こさせてあげるかが、カギなんじゃないかなと最近思っている。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq