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【書評】1日3分!天才に変わる方法 今村暁

ビジネス書の世界は、出たり入ったりが多い。新しいノウハウがもてはやされて、少し古い本はブックオフで100円~200円で売られ消費されている。しかし、ちょっと古い本にも秀逸な内容のものがある。

「習慣教育」の今村氏のこの本は、実践的でおすすめだ。

ノウハウの真価は「実践的」であること

具体→抽象の価値はよく分かる。抽象化しなければ、別業種や違う場面に応用できないので、どんなノウハウも価値を持たないものになる。しかし、あまりに抽象に寄りすぎると、漠然としすぎた自己啓発になり「よし!やるぞ」と思っても、実際には何も人の生活に変化を与えないものとなる。

私は、抽象化するのは読み手の責任だと思っている。一つの事例とかノウハウを落とし込んで、自分の業界や、自分の人生の成功法則として導き出すのは読者がなすべきことではないか。そうであれば、ビジネス書は、ビジネス書の名に恥じずに、できる限り具体的なものであってほしいと願う。その点、今村氏の書籍はどれも「実践的」で、読んだ人がすぐに使えるノウハウだ(本気でやろうとして入ればという前提があるが)

目標達成のためのアントレシート

よくできた仕組みは「アントレシート」だ。もともと、今村氏は学習塾の経営者だが、生徒たちにアントレシートという目標達成のためのワークシートを毎日書かせて、難易度の高い大学へ合格させてきた。

アントレというのは、アントレプレナー(起業家)のことで、起業家が目標を達成する方法を生徒の受験に応用したのだ。そして、それが、さらにビジネス書になっているわけだから、逆輸入であるw このシート、なかなかよくできている。

長期目標・短期目標・その日のコミットメント(約束)・目標達成率をはじきだすチェックリスト、日々の問題と改善点、その日発見した「成功法則」などを書き込むようになっている。

とくに秀逸なのは、日々の目標達成率をチェックリストにして、毎日点数化できることだ。自分が目標に向かっているかどうかを点数化できれば、やる気が増すだろう。私も、このアントレシートを真似したものを早速作成して、毎日のPDCAノートの振り返りに役立てている。

さらに、面白いのが、自分で発見した「成功法則」を毎日書き込むことだ。

「これがたまっていけば、1年では365個の成功法則が見つかります。これは、あなたにもっとも適する成功法則です。勉強だけではなく、仕事などにも応用していける貴重なものです。自分に「どうしてできたの」と聞いて、その理由を考えて書くことがコツです。できないことを探すよりも、できることを365個探せた方がはるかに建設的です。」(P177)

私もPDCAノートをつけているので、毎日、改善点や良かったことなどを書き込んで、翌日につなげる仕組みを持っている。しかし、それを「成功法則」にまとめることは考えていなかった。自分だけの成功法則をコツコツと作っていけるというのは、なかなかアドレナリンが出てくる考えだ。

今後、すでに、作成しているPDCAノートを基調にしながら、アントレシートの良いところを応用していくつもりだ。

できると思えばできる

人間は、自分の能力に自信を持っている時は、どんなこともできるのだという。今村氏は多くの生徒を難関大学に送り込んできたのだが、その時には「同級生の中で3万位に入ればいいんだから簡単だよ!」と生徒たちを鼓舞してきたという。

オリンピックで金メダルを取ろうと思えば、世界で1位にならなければならない。モデルやタレント、売れっ子俳優になるなら、同級生の中でも全国3位にならなければ無理だという。しかし、難関大学は、しょせん3万位だ。圧倒的に簡単ではないか。

楽勝だと思えば勝てる。絶対無理だと思えば勝てない。ほんとに単純なことだ。漠然とした目標値を、自分の中にどんどん落とし込んでいき「これ、行けるかも!」と思えるなら、そしてワクワクし始めるなら、目標は手の届くところにあるも同然だ。

あとは、アントレシートのような具体性のある習慣でコツコツと前に進んでいけばよいだけなのだ。うん、やる気になったぞ!

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq