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#ADHDあるある:刺激とスリルを求める人生。暴走を止めてください。

起業家やアイデアマンには、ADHD傾向がある人が多い。とにかく、あちらこちらに、発想がひらめく。一瞬もじっとしていない脳内。うまく使えば「打ち出の小槌」だ。まあ、うまく使えることはほとんどなくて、その衝動性ゆえに、やり始めては放置、手をつけては放置が関の山だ。

ADHDは天才型だと希望に満ちた誤解をする人も多いが、現実にはADHDが大成する確率はかなり低い。刺激を求めてチャレンジするのは良いのだけれど、後始末が大変。そんな傾向もちゃんと自覚しておきたい。

ADHDは刺激を求める

自身もADHDである精神科医の星野氏によれば、ADHDには「新奇追及傾向」と「独創性」が共存しているという。

「彼らは基本的に飽きっぽく、退屈に耐えられず、少しでも退屈を感じると、すぐに何か新しいものを探して頭の中のチャンネルを切り替えます。古くからある決められたやり方や手順を嫌い、常に目新しいものや熱中できるものを探して、好奇心の赴くままに外界の刺激を追求する」

「実際、そのタイプの人たちは「あ~退屈だ、何か面白いことない?」と口癖のように言っています。彼らは、「刺激のない退屈な人生は生きる価値がない」「波乱万丈こそ人生だ」と思っているのです。(発達障害に気づかない大人たち 星野仁彦 祥伝社P72・74)

まさに、私のことだと思える記述だった。学生時代から一瞬でも間があくと「退屈だ、退屈だ」と言い続けていたし「何か面白いことしたい」が口癖だった。しかも、やり始めると、すぐに飽きてしまい続かないのだ。ほんと、周りの人の苦労たるや・・・ごめんなさい。

こういう傾向が引き金になり、ADHDのなかには、ギャンブルや危険な遊び、不倫などに陥る人もいるのだとか。私の場合は、そこまでいかないで済んでいるけど、新たな仕事にチャレンジし続けるなど、仕事中毒気味な生き方は、絶えず刺激を求める脳の渇望なのかもしれない。

ちなみに、星野氏によると、ADHDはアクション映画や冒険小説など、スリルや危険を感じるものを異様なまでに欲するのだとか。確かに。私は大学の時に、友人の勧めで初めて、ひたすら旅の光景が続くロードムービーを見たが退屈で死にそうになった。
風景を味わったり、間を味わったりする、情緒豊かなものは、一切無理だ。激しいアクション映画ばかり見ていた時期があったが、ADHD脳を考えると分からないでもない。

脳の機能不全を自覚すること

ADHDが危険なのは、このような自分の傾向を「刺激を求める生き方は魅力的だ」と理想化してしまうことだ。成功本や自己啓発本を読むと、多少なりとも、ADHD傾向のある成功者が、その新奇追及傾向や独創性をフルに発揮して、成功を収めているように見える。

そんな本を読むと「自分もできる!」と勘違いしてしまうのだ。「俺らって特別じゃない?」と舞い上がってしまうのだ。例えば、この本は、そういう本の典型という感じがした。

しかし、ADHD的傾向を活かして、成功している人はごく一握りだ。レアだから、そういう人の生き方が本になるのだ。成毛さんと自分を同一視しちゃいけない。うまく行った人が、最近になってADHDという言葉を知って「あれ?自分もADHDかも。でもうまく行っているし!君も大丈夫。」みたいな甘い言葉に騙されちゃいけない。

なんでも新しいことをしたくなってしまうのは、ADHDの特徴の一つだ。それは脳の機能不全だ。新しいことを始めても、だいたいうまく行かないことが多いのだ。ちゃんと自分を知らなきゃ。

ADHDは暴走を止めてくれる人を持つべき

ADHDの場合、暴走する自分を止めてもらうことが必要だ。ありがたいことに、我が家の場合は妻がストップ役だ。まるで、自動車教習所の車のようだ。助手席にブレーキがあるのだ。盛り上がってきて、こちらがヒャッホーでアクセル全開にすると、横で思いっきりブレーキを踏んでくれるのだ(涙)

ADHD傾向のある私は、すぐに、人生をかけた大博打を打とうとする。スリルのためなら糸目をつけないのだ。しかし、妻の許可が出なければ、一銭も使えない。これには感謝している。そうでなければ、今頃、すっからかんだ。

私が新規事業やプロジェクトの立ち上げで盛り上がり、深夜まで興奮して仕事をしていても、妻は、まずついてこない。同じように盛り上がることはない。私が話し出すと「まず、それちゃんとまとまってから話してね」と言われるのがオチだ。そんな時は、なぜ、この素晴らしさが分からないのだろうと、孤独に感じるものだが、2日くらいすると、こちらもすっかり冷めてしまう。

妻はわかっているのだ。パートナーがADHDの取り扱いを知っているというのは大事なことだ。いつでも変わらない妻に救われている。

プロジェクトでリーダーをやっている時には、思いつきでの路線変更を防ぐために、NO.2に細かくて厳しい人を選ぶようにしていた。私としては、この配置は辛いのだけれど、思い付きで組織が振り回されるのを防ぐ自衛手段だ。できれば、最初の立ち上げは全力でかかわるけれど、始まったら自分の手の届かないところに業務を置くのが安全であることも分かっている。思い付きで、どんどん変更してしまって、大ブーイングになるから。

これほど、自覚していても、ADHDの傾向を抑えるのは大変な時が多い。でも、自覚することは、まず、はじめの一歩だろうと思ってる。

うむ、なんだか、最近も退屈なんだよなぁ(涙)

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq