【感想】BS1スペシャル「市民が見た世界のコロナショック 11月~12月編」
世界各国の市民による自撮映像により、コロナ禍における世界の状況を知らせるドキュメンタリー。ちゃんと見たのはこれが初めてだった。自撮映像なので、クオリティがどうかな?と思って見過ごしてきたのだけれど、これが、なかなか良かった。普段のニュースでは知ることができない世界の状況を知る機会になった。これからも定期的に見たいシリーズだ。
イタリア:感染への恐怖
イタリアからの映像では、感染に対する恐怖がすさまじいということ。一週間に三回も身近な人の葬式があり、新型コロナが迫りくる感じがよく分かる。葬式に行こうとした父親(60代)に対して、声を張り上げて注意喚起する息子たち(30代)の姿が印象的だった。
父親には一人暮らしの母(85歳)がおり、定期的に顔を出したいのだが家族は大反対。母が発熱したとのことで、実家を見に行ったお父さんは、しばらくの間、家庭内隔離を余儀なくされた。爆発的に死者が増え拡がったイタリアだからこその感染症への恐怖を感じた。日本の雰囲気とはまるで違う。
スペイン:出稼ぎ労働者の失業
スペインではコロンビアから出稼ぎに来ていた労働者(レストランのウェイター)が失業してしまった様子が取り上げられる。求人に応募し続けるも、なかなか仕事を得ることができない。政府の支援窓口も予約を取って相談に行くのに2か月もかかるという有様だ。彼はスーパーのレジや品出しを希望しているという。生活していかねばならない。ロックダウンしていられない人たちも無数にいる。
フランス:学生と警察の衝突
これは衝撃的だった。学生たちがデモを行い校門を閉鎖、それを鎮圧しようと警察が若者たちに暴力を振るう。このデモの主旨は、ソーシャルディスタンスを保てない状況で授業を再開しようとした国への抗議運動だったのだ。若者たちが警察の暴力動画をSNSでシェアしたことで、大きなムーブメントが生じた。
やがて国は警察の動画を撮影することを禁止とする法案を作ろうとし、それに抵抗する市民により、さらに大規模なデモが起きた。ロックダウン中なのに、パリで4万6千人、フランス全土では13万人がデモを行ったという。まるで香港を見ているかのような、警察と若者の小競り合いに驚いた。フランスでも国家と市民の分断が進んでいる。
インド:アーユルヴェーダ
インドは感染対策として、アーユルヴェーダ(伝統医学)を推していこうとしている。西洋医学は病気を素早く抑え込めるが、伝統医学は予防に適しているという。アーユルヴェーダによる新型コロナ予防は世界も注目しているという。ただ、コロナ禍で仕事を失った一般市民たちは、即効性のない予防医学の薬を飲み続ける余裕はないのだとか。
アメリカ:マスクをしないトランプ支持者
取り上げられていたのは、共和党・トランプ支持者のコメディアン。彼はマスクをしない。家族もマスクをしない。感染した人の話をしている際に「用心しすぎたんだろう。用心しすぎると免疫力が下がる。コロナは単なる風邪だ。マスクなんて必要ない。」と言い放つ。
また、カメラに対して「俺は人生を自由に生きる!新鮮な空気を吸いたい。マスクはつけない!」と怒気をこめる。彼はトランプ支持者で、マスクをつけないというのは民主党(バイデン陣営)への抵抗の象徴になっているようだ。彼は未だにトランプ陣営の勝利を信じている。
まとめ
新型コロナ患者が増えているとは言うものの、なんだか余裕のある日本とは全く雰囲気の違う世界各国の姿だ。もちろん、多くの国も自分の住んでいる地方に新型コロナがやってくるまでは、それほど緊迫感を持っていなかったらしいから、これから日本もこんな姿になるのだろうかと想像した。
しかし、それにしてもアメリカ人と日本人の気質は全然違うので、少しでも致死率の高いウイルスが蔓延りだしたら、日本人は一斉総自粛する気がする。いくぶん整理されていないとはいえ、世界の今が分かる。これからも定期的に見たいシリーズだ。
大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq)