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【感想】アナザーストーリーズ 「はやぶさ 奇跡の帰還 〜受け継がれた夢と志〜」

ついに、はやぶさ2のカプセルが帰還し、日本の宇宙開発事業が再び世界に誇れる成果を挙げた。あまりに嬉しくて、最近は、はやぶさ関連の話題ばかり見ている。と言っても、実は「はやぶさ」って何なのかを知ったのは最近なのだ(笑)。

もう古い映画になったが竹内結子さんが主演をした「はやぶさ」はおすすめだ。多少でも興味があれば一度見ておくと、はやぶさ2までの歴史が分かるようになり、ニュースについていけるようになる。

特に初代はやぶさの歴史は、まさに「奇跡の生還」としか言いようがないものでドラマチックなものだ。初代はやぶさプロジェクトの成功が、どのようにはやぶさ2につながっていくかを読み解くアナザーストーリーも秀逸だった。再放送もあるので、ぜひ見てほしい。

一人の目標から始まる

初代はやぶさが成し遂げたのは「小惑星サンプルリターン」だ。これまで世界で誰も成し遂げたことがない偉業だった。この目標を掲げたのは、初代はやぶさプロジェクトマネージャーの川口淳一郎氏だ。川口氏がJAXAに入所した時には、宇宙開発における日本の技術力は低く、欧米から二歩も三歩も遅れていた。

川口氏は、日本が今からでも「世界的な一歩」を踏み出せる目標を探したのだ。1990年にはNASAと合同で勉強会を行うも、なんと2年後にアメリカはこのプロジェクトを独自で行うと発表する。突然、はしごが外されてしまったようなものだ。川口氏は、悔しさと共に奮起する。必ず日本が小惑星サンプルリターンを実現する!と宣言したのだ。

そして1996年には、多くの難題を乗り越えつつ127億円の予算を獲得し初代はやぶさプロジェクトが立ち上がることになる。後に偉業と言われるプロジェクトでも、最初は誰かの「誰もやったことがないことをやろう」という一つの気概がきっかけになるのだ。川口淳一郎氏は、はやぶさプロジェクトの成功を手にいれ、多くの著書がある。

はやぶさプロジェクトを成功させたからこそ、川口氏の「目標というのは出来そうもないことを指す」という名言に深みが感じられる。

日本の技術力の結集

通常はプロジェクトのメンバーにしかスポットライトが当たらない。しかし、実際にはプロジェクトの成功には、決して名前が取り上げられることのない大勢の人が関わっている。特に技術者・職人たちの不眠不休の努力があって、はやぶさが完成したことを知ると感動する。

はやぶさが小惑星に着地してサンプルを採取する筒「サンプラーホーン」を作るためには試行錯誤の過程があった。
はやぶさが小惑星に着地する時間はわずか1秒。しかも岩だらけの斜面に着地しても壊れることがない伸縮性の筒でなければならない。なんといっても今まで存在したことのないものだ。JAXAからの発注の段階では、ホワイトボードに描かれたイメージ図しかなかったのだ。提灯の構造を真似した試作をもとに、このサンプラーホーン内部の構造は町工場の派遣社員(パッチワークの名人主婦)の「手縫い」で完成したのだというから驚く。

サンプルを採取した後に、サンプルを保管する容器「サンプルキャッチャー」を作るのも大変だった。完全な密閉性と強度が求められるため、小さな部品を溶接せずに作り上げる必要があった。技術者は50以上の道具を専用に作り、不眠不休で削り続けてついに完成させた。宇宙開発は国家機密。本人たちは、何を作っているか分からなかったという。ただ、そのクオリティは専門家たちを驚愕させた。

ある職人の言葉が心に響いた。「どこかで何かの役に立てるというのが、我々のモノづくりのプライドだ」。決して手を抜かず、精密な作業をやり遂げる日本の職人たちの手が加わって、初代はやぶさは完成したのだ。日本が小惑星サンプルリターンを世界で初めて成し遂げたのは偶然ではなかった。

「粘ることからしか成果は生まれない」

この言葉は、はやぶさ2プロジェクトマネージャーの津田雄一氏のものだ。この映画を見て分かるように、初代はやぶさの生還は奇跡だった。

特に危機的だったのは、機器の故障ではやぶさの姿勢が制御できなくなり、ソーラーパネルが太陽の方向を向かなくなり、電力が枯渇し、はやぶさとの通信が途切れたことだ。広大な宇宙空間の中で、はやぶさは行方不明になってしまったのだ。プロジェクトチームは、この危機的な状況でもあきらめずに、はやぶさに電波を送りつづけ探し続けた。

この時に、はやぶさを探し続けたのが津田氏だったのだ。どう考えても「奇跡」としか言いようがない仕方で、はやぶさは発見されたのだ。その後もイオンエンジンの故障や絶体絶命の危機にさらされつつも、お見事にカプセルを地球に届けた初代はやぶさ。若き研究員だった津田雄一氏は、はやぶさから「挑戦とは粘ることだ」という教えを受けた。

はやぶさ2の挑戦も決して順調ではなかった。しかし、初代はやぶさで培った、粘り強さが活かされて、はやぶさ2は二度目の小惑星サンプルリターンを成功させるという偉業を成し遂げたのだ。素晴らしいバトンが次の世代へつながった。はやぶさ2の初代プロジェクトマネージャー(現・JAXA所長)の國中均氏の特集も超おすすめ!

関連番組

はやぶさ2の挑戦は下記の番組で取り上げられていて、どちらも興味深いのでおすすめしたい。

コズミックフロントは、小惑星からのサンプル採取に成功した段階(まだ帰還していない状況)で放映されたもの。

クローズアップ現代+は、見事、カプセルが日本に戻ってきた段階でのインタビューが収録されている。

#はやぶさ2 #川口淳一郎 #津田雄一 #國中均 #NHK #アナザーストーリー #初代はやぶさ

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綿樽 剛@メンタルタフネス

大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq

もっとメンタルを強くしたくてしょうがない在宅ワーカーです。早寝早起き朝ごはん、睡眠至上主義、糖質制限プロテイン生活。本が大好き。自分でノウハウを作るのも好き。ライター業、kindle作家です。毎日の睡眠日誌(綿樽日誌)をつけて、疲労コントロールに励むのが趣味。