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最後まであきらめない力「チリ33人 希望の軌跡」アントニオ・バンデラス

2010年8月5日に、チリの鉱山で実際に起こった落盤事故を取り上げた映画だ(コピアポ鉱山落盤事故~Wiki)当時、我が家にはテレビがなかったため、世界中で話題になっていた事故だったが、あまり気に留めていなかった。今回、Amazonプライムで面白そうな映画を探していて、ふと目に留まった。そういえば、そんな事故あったなぁって。

33人全員が生還したことや、なんと69日間も鉱山の中に閉じ込められていたこと。何度も救出作戦が中止しかかったことなど、知らないことてんこ盛りだった。あきらめない大切さを知ったよね。私は、かなりあきらめが早いほうなので、こんな局面に達したら序盤で死ぬ自信がある。メンタルを強くする教訓は、これでもかというほど学べた。

チリ33人 希望の軌跡(あらすじ)

現実に起こった鉱山での落盤事故をモデルにしたノンフィクション映画。希望を捨てない家族たちの姿、最初から最後まであきらめなかった若き工業大臣、地下700mの鉱山に閉じ込められつつも希望を捨てなかった33人の姿が胸に迫る。一人でもあきらめてしまえば、奇跡の救出はかなわなかったのだ。

鉱山内で見事なリーダーシップを発揮するマリオをアントニオ・バンデラスが熱演している。格好いい男たちを見ることができる!ぞ。

教訓1:決してあきらめてはいけない

とにもかくにも、あきらめないことだ。水も食糧もわずか3日分しかない鉱山内に閉じ込められた33人は、驚くべきことに69日後に生還したのだ。閉じ込められたばかりの彼らは最初自暴自棄になった。貯蔵してある食料を、思い思いに食べ始めたのだ。そこで、リーダーのマリオ(アントニオ・バンデラス)が彼らを一喝する。「助けは必ず来る!だから、その時まで食料を持たせなければならない」。このシーンがなければ、誰一人助かっていないだろう。

地上にいた人たちが、33人の生存に気づいたのは落盤事故から18日目だったのだ。皆で食料と水を分け合って、食いつないでいたのだ。中には、パニックを起こして自殺しようとするものもいたが、やはりマリオが彼を食い止める。地上で待っている家族(妊婦だった)のことを思い出させたのだ。マリオは「必ず助けは来る!」という強い信念のもとに、仲間を励まし続けた。この信念だ。

冒頭でも書いたように、私はあきらめが早いので、おそらく3日くらいで、ほぼ無気力になっていただろう。本当かどうかは別にしても、とにかく事態は改善するという希望を持った方が、前向きになれるのは間違いない。根拠はなくても、とにかく先は明るくなると信じる力が大事だ。

今日、見ていたNHKのドキュメンタリーの中でも「3~4年後にはコロナも笑い話になるよ!だから頑張ろう!」と言っていたスナックのママの姿が映し出されていた。空元気でもいいのかもしれない。とにかく、そういう明るい発言が皆を生き延びさせるのだ。「もうだめだとか、死んだほうがましだとか、最悪だとか」ネガティブなことを言っても誰も救われない。根拠はなくても、明るいことを言う癖をつけておいた方がいいかもしれない。

根っからのポジティブ思考の人にはかなわない。私のように、根っこが悲観的な人は、思考訓練して考え方をとにかく変える努力をするしかない。

教訓2:とにかく、あきらめない

しかし、この奇跡の生還の背後にあったのは、実は、地上であきらめなかった人たちの尽力だ。この辺は映画で見なければ分からない。

鉱山のオーナーは、落盤事故が起きた瞬間からすでにあきらめていた。過去数十年で何度かの落盤事故があったが、誰一人助からなかったのだ。だから、3日以内に、もう無理だと考えた。チリ政府(大統領)は、この鉱山が民間の会社だったので、介入するのには消極的だった。若き工業大臣が現地入りして必死に指揮をとらなければ、誰も33人を救おうとはしなかっただろう。映画全体を通じて、この大臣がキーマンになる。

でも、大臣を目覚めさせたのは、家族からの一発の平手打ちだった。冒頭では大臣もあっさりあきらめそうになっていたからだ。家族が鉱山の前で泊まり込んで、一歩も引かなかったのだ。救出活動が行われていないことに気づいたからだ。家族は2か月以上もテントの中で泊まり込み必死で救出を祈ったのだ。家族たちが必死で圧力をかけなかったら、大臣もあきらめていただろう。

チリ政府から派遣された鉱山をドリルで掘るプロもあきらめようとした。あまりにも硬い岩盤で9機のドリルは次々ダメになり、最後に残った1機のドリルも33人のいる避難所をわずかに外した。救える可能性はなくなったと思えた。彼もあきらめそうになった。しかし、この局面でも大臣があきらめなかった。鉱山のプロではない彼が、プロをも唸らせるような秘策を編み出したのだ。

この人の踏ん張りがなければ33人は生存しているかどうかも気づかれずに死んでいただろう。可能性がゼロだと分かるまで、あきらめないことだ。避難所に通じたドリルを引き上げると、その先端に「33人全員無事」というメモが縛り付けられていた時の感動は大きかった。信じて頑張り続けて良かった、心から良かったと思っただろうなぁ。

この記事を書きながら、今まで、このNOTEで「あきらめない」をテーマに記事を書いたことがあるかを考えて調べてみた。実は「あきらめる」ことや、無理をしないこと、挫折する前に逃げることはたくさん書いているが、あきらめないことは書いていなかった・・・。自分の傾向が分かる。(参考:目標を変えるべきか?【書評】諦める力~勝てないのは努力が足りないからじゃない 為末 大

まあ、これは認めなければならないことなんだけれど、私には、あきらめない力が相当欠如している。今風に言えば、レジリエンスが弱い。ぐっと耐え忍んで最後まで突っ切る力だ。自分のメンタルに負荷をかけない選択をし続けた結果だろう。この辺はマジメに自分を変えなければならないところだ。

教訓3:実話の力

以前は、ハラハラドキドキ、どんでん返しのあるフィクション映画が大好きだった。ノンフィクションものは、筋も決まっているし、演出にも限界があるから好んで見なかった。でも「チリ33人」は実話だからこその重みを感じた。フィクションであれば、奇跡的な救出やヒーローが描かれることもあるだろうけれど、実話の場合はそうではない。とにかく粘り強くあきらめない姿勢。これだけが、奇跡をもたらした要因なのだ。

結局のところ、人間においての「力」とは、暴力ではなく忍耐力なんだなぁと感じさせられる。ヒーローはいないけれど、誰をもヒーローにする力が、あきらめない力なのだ。メンタルを強くするための修行として、意識しておきたい点だ。わりと、ヒーローのように即座に問題を解決することが、格好いいことだというステレオタイプが自分にある。でも、それはフィクションで、ずいぶん子供っぽい思考なのだと思う。

感想まとめ

実は、Amazonプライムビデオの中でも、この作品は私の目にはとまらなかったのだけれど、奥さんがいきなり見たいと言ったのだ。彼女はキッズ系か動物系しか見ないはずなのに、いきなり「チリ33人」か。でも、彼女の選択に従ってみると、意外と掘り出しものが多い。(自分の選択がハズレばかりというのもある)。素直に見て楽しめた。

これからも奥さんの希望で、映画を見てみようと思う。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq