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占い師が使う「コールドリーディング」の極意!!

 皆さん、占いの結果を信じますか?
僕は一切信じません。勿論、エンタメとして楽しむ分には良いですが、中には占いに頼りすぎになってしまう方もいらっしゃいます。
はっきり言ってしまうと、占い師はあなたの未来や過去のことが見えているわけではありません。巧みな話術を使って、あたかもあなたの全てを見透かしているように振舞っているだけなのです。
 実はこの話法、メンタリストもパフォーマンスをする際によく使っています。なので今回は、メンタリスト視点ではありますが、占い師が行っている巧みな話術について解説したいと思います。占いが好きで、本当に信じている方は読むのをやめてもらって構いません。


Ⅰ.コールドリーディングとは

 コールドリーディングとは、即興(cold)で相手の心を読む(reading)技術のことです。つまり、相手をよく観察し、外見や持ち物から相手の趣味嗜好や性格を言い当てたかのように思わせるのです。今回は取り上げませんが、事前に収集した情報を用いて相手の心を読んだかのように見せかける「ホットリーディング」というのもあります。次の項目からは具体的なコールドリーディングの種類について説明していきます。


Ⅱ.コールドリーディング(バーナムステートメント)

 「バーナムステートメント」は占い師が使うコールドリーディングの中で最も基本的な話術です。どのようなものかというと、人の性格を巧みに一般化して、自分のことを正確に述べていると思わせるような言葉のことです。
いくつか例を挙げておきます。
・「あなたには、人から尊敬されたい、好かれたいという欲求があります」
・「自分にはまだ使えていない能力があり、周りの人は必ずしもその能力を十分に評価してくれないと感じる傾向があります」
・「あなたの希望や目標の中には、かなり非現実的と言っていいものがあります」
・「あなたは独立心が強く、独自の考えを持っています。他人からこれを信じろと言われて、それをそのまま受け入れようとはしないはずです」

 ざっと書きましたが、簡単に言うと誰にでも当てはまるようなことをそれっぽく言っているだけです。とはいっても、当てはまらなかった場合どうするんだという意見もあると思います。その瞬間こそが占い師としての技術が試されるところです。例えば、、、
「あなたは自分自身に対してかなり批判的になる傾向があります」
※(相談者が)肯定した場合

「あなたは他の人が気にならないようなことでも自分の間違いや欠点が気になって仕方ないことがよくあります。この点では、あなた自身が自分にとって最大の敵となりやすいのです。自分自身に批判的になりやすい性格のせいで、思い切って踏み出せなかった経験が何度かありませんでしたか?」
※(相談者が)否定した場合
「しかし、この傾向をあなたが抑制できるようになったので、最近ではめったに前面に出てきません。自分自身を受け入れられるようになり、自分の特別な才能や技術と調和されるようになったのです。」

 まあ割といい加減なところはありますが、何を言いたいかというと、否定された時の逃げ道を何本か持っておくことが大事です。


Ⅲ.コールドリーディング(曖昧な事実)

 「曖昧な事実」は、事実を述べているように感じられる言葉ですが、大抵受け入れられそうで、もっと具体的な事柄へと発展させる余地を大きく残すようにして構成されているというものです。例えばある人がどのように死んでしまったかという情報を霊と交信(するフリ)をする時、僕が霊媒師ならこう語るでしょう。
「胸のどこかに問題がある兆候を感じます。このあたりかもしれません(心臓や肺のあたりを曖昧に身振りで示す)」

 これだと当たる可能性が非常に高いです。心臓と肺に直接関係する病気で亡くなる人は随分多いからです。また、リーディングの評価は甘くなりがちなので、実際に当たっているように見える確率は更に高くなります。例えば、その人の死因が腎臓の問題だったとすれば、それは明らかに血液の循環に影響を与えると主張でき、つまり心臓の機能に関係すると言えます。このように解釈すると、当初の言葉が当たっていたかどうかは少なくとも五分五分には持っていけるということです。

 「曖昧な事実」の別のパターンでは以下のようなリーディングも行えます。このリーディングは占星術との相性が良さそうです。
「進んでいるか、または移り変わっている職業を示す兆候が出ています。あなたに関わることかもしれないし、誰かあなたに影響を及ぼす人の職業に関係があるのかもしれません」

 この例には、「曖昧な事実」が持つ2つの特徴が見られます。多分当たっていそうに思えることながら、細部をもっと具体的に示す余地を十分に残しています。「進んでいる」や「移り変わっている」という言葉が何を意味するか語られていません。仕事を得るのか失うのか、昇進、降格、新しいオフィスへの移転、責任の変化、顧客の獲得等、どのような意味でも解釈が可能です。実際に起きていなくても、このいずれかの可能性があるだけで、的中と受け止められます。


Ⅲ.コールドリーディング(当たりそうな予言)

 「当たりそうな予言」は、合理的に考えて的中する可能性のある、未来に関する推測を行います。「当たりそうな予言」はタイムスケールを含めるのがポイントです。例を挙げましょう。

・「来月中にはかなり長いこと消息を聞かなかった人から思いがけず連絡が来るでしょう」
・「来週かその次の週に、法律に関係することで連絡があり、直接的な影響を受けるかもしれません」

 どちらの予言もありふれていて、終始起きていることなので、的中する可能性はかなりあります。それでも、エセ超能力者の風変わりな自己宣伝的手法によって、こうした予言は驚異的なものに見えてきます。あと1つ例を挙げておきます。

「これからの一年に、あなたかあなたの家族を巻き込む事故、割れたガラスが落下する、ガラスに関係する事故が起きるでしょう」

 この予言も、よく起きていることなので当たる可能性はかなり高いです。また、エセ超能力者の言明には相当大きな許容範囲が適用されることも覚えておくといいでしょう。前記の「ガラス」には様々な物を当てはめることができます。ワイングラス、ガラス窓、鏡、車のヘッドライト、ガラス瓶、眼鏡、ガラスのテーブル、水槽、天窓等。凍った池の表面の様に単にガラスに似たものでも構いません。


Ⅳ.最後に

 いかがだったでしょうか。占い師がどのような話術を使っているかお分かりいただけてでしょうか。今回紹介した話法は氷山の一角に過ぎません。恐らくこれを読んでくださった方のほとんどは、コールドリーディングという話法に多かれ少なかれネガティブなイメージを持たれたかもしれません。しかしそんなことはなく、コールドリーディングは占い以外にも、ビジネスや恋愛など様々な場面で応用できます。コールドリーディングは「人を騙す」技術ではなく、「人を知る」技術なのです。

 最後に1つリーディングを行いたいと思います。「あなたの家に関して2という数字が見えます。恐らく住所に2が入っていませんか?」ではまた!



※おすすめの本:コールドリーディング 人の心を一瞬で掴む技術(イアン・ローランド)


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