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あがり症のあなたに。今すぐにできる処方箋と改善するためできることを書いてみた。

こんにちは。心健と言います。
このアカウントでは、しなやかなメンタルを作る、心身のパフォーマンスを上げるためのtipsや情報を発信出来たらいいなと思ってます。

書き手について

昨年、プレゼンでの失敗をきっかけに僕はあがり症になりました。
あがり症というとその人のパーソナリティとみなされることも多いですが、パフォーマンス限局型社交不安障害という別名がある、れっきとした病気です。

特定のシチュエーションにおいて、指の震えが止まらない、手足が冷たくなる、頭が真っ白になるといった症状があります。
僕の場合、スピーチやプレゼンをすることが怖くなってしまい、人前に立つことができない。
仮に乗り切ることができても、それを自信にできない。次の機会が怖い。
そんな、スピーチやプレゼンに対して、負の連鎖が続くような病気です。

そこから1年間、僕はこのあがり症を通じて、自分の根本にあるメンタルの在り方に向き合ってきました。大変なことも多かったですが、いろいろ動いてみたことがなんとか実り、今では、厳しい意見もたくさんもらうような研究発表の場でプレゼン発表をしたり(一応学生してます)、YouTubeにパネラーとして出演するくらいには上がり症を克服しています。

このnoteでは、その際に得た知識や役に立つ情報などを発信していければと思います。

初めての記事として、あがり症になった方がまずできる行動、選択肢について記載しました。同じような悩みを持つ方の力になれば幸いです。

何を書いたか

あがり症(パフォーマンス限局型社交不安障害)を克服していったうえで、筆者が行って良かったこと、実際に会った選択肢など

誰に読んでもらいたいか

人前で話す、スピーチをする、といったシチュエーションで、緊張しすぎて頭が真っ白になる方
緊張という感情と上手く向き合えない方

前提

※医療的エビデンスに基づいた精神疾患の治療法についての記述ではありません。あくまでメンタルヘルスの向上における筆者の体験談を中心に書いてます。

基本的にメンタルの向上や克服していくうえでは、短期的な対処と、長期的な取り組みに分けて考えると良いと考えています。
そもそも人間には、ホメオスタシスと呼ばれる、変化を嫌う習性があります。そのため、物事の捉え方(今回では人前で話すというシチュエーションに対する反応)を変えるためには、一定時間がかかることが多いです。
従って、長期的な取り組みによってこの認知を少しずつ変容させていく姿勢が必要になります。
一方で、長期的な取り組みによる変化のみを待っていても、プレゼンの機会は避けられません。そのまま放置していくと、先ほどの負の連鎖に突入し、病状が悪化する可能性があります。
そこで、短期的にできる対処を組み合わせて、まず目の前のことに対処していくことも必要です。
この短期的な対処を知らずに、なかなか負のループから抜け出せない人が多い印象もあります。
そこで今回は、短期的な対処と長期的な取り組みに分けて、あがり症克服に向けてできる選択肢、効果があったことを書いていきます。

短期的な対処

①あがり症外来にかかる

近年、この「あがり症」に特化して診療してくれる病院が増えています。
こういった、一見パーソナリティともとらえられうる症状については、精神科や心療内科を初め、医療機関かかることに抵抗を感じることも少なくありません。(病気と認定されるのが怖い、精神疾患系の病院は信頼しにくい、といった感情をお持ちの方も実際に多いと思います)

ですが、実際にかかることで緊張を抑える薬を処方してもらえたり、治療方針を立てたりと、あがり症を緩和していくうえでの方針が立つはずです。
僕の場合、実際に上がり症外来にかかったことで、β遮断薬という緊張を軽くする薬を処方してもらったことで、負のループにはまることが減り、ずいぶん楽になりました。

▽あがり症外来の例


②無理に慣れようとしない

人前で話すことに関して、「緊張は慣れ」「逃げても解決しない」と言われがちですが、あがり症の場合、恐怖感があるのに無理に行おうとする行為は逆効果なことが多いです。
無理にあがってしまう行為をしようとせず、時にはプレゼンなどの機会を断ることも大切です。
大事なのは、長期的でもいいからこういった機会に段階的に取り組めるようになること。下記の長期的な取り組みをする中で「これならできそうだと思うこと」を実践し、ちょっとずつハードルを上げていくのが結果的に1番の近道ではないかと思います。

③周囲にあがり症であることを正直に伝える

あがり症のような病気は、周囲からはわからないことが多いです。「緊張しい」としてとらえられてしまうことも。知らないうちに周りの言動が自分のプレッシャーにならないためにも、今の自分の現状をちゃんと伝えることも大切です。
僕の場合、研究室のボスに話したところ、ちゃんと理解をしてもらうことができ、出場を予定していた学会をキャンセルしました。
当時は自分を責めたこともありましたが、今となってはこの選択をしてよかったなと思っています。

長期的な取り組み

①「結果」ではなく「成長」にフォーカスする

あがり症の場合、「上手く行くか」や「人からどう見られているか」といった、「結果」「他者評価」を気にしすぎてしまっていることがほとんど。ゆえに、失敗を過剰に恐れて、緊張しすぎてしまいます。
ですが、この結果・他者評価は、一般的にはコントロールできないものです。コントロールできないからこそ、求めようとすればするほど沼にはまってしまいます。
確かにこれらは仕事で成果をあげていくには必要なものですが、あがり症を克服していくうえでは結果・他者評価と「自分の価値」を切り離すことがとても大事です。
そのうえでとても有効なのが、「成長」に意識を向けること。日々のちょっとした自分の成長、実践してみたことといった、「自分の中でのプラスな変化」に目を向けてみるようにすると良いでしょう。「自分の価値」を、日々の成長に見出すことで、少しずつフォーカスが変化していきます。

1番大事なのが、「自分がとった行動そのものに目を向ける」こと。例えば、「苦手な人の前で話す」だったら、「話したという行動そのもの」にフォーカスして褒めるのが大切です。「話した結果うまく行ったか否か」に目を向けると、「うまく行くこと、成功」に固執してしまい、成長にフォーカスしにくくなります。

また、実践していく上では、
(i)大げさに自分の成長をほめる
(ii)気が乗らなくても行動をする
ことがポイントになります。

(i)大げさに自分の成長をほめる
自分の成長をほめるときには、少し大げさくらいがいいと思います。そもそも人の脳は、ネガティブなものに目が行きやすいようにできています。(ネガティビティバイアスと言います
ただでさえネガティブに働きやすい中で、少し褒めた程度では、脳の記憶には残りません。したがって、自分の成長を脳に刻み込むくらいに大げさに褒めるのが良いです。

(ii)気が乗らなくても行動をする
やり始めると分かりますが、初めは結果・他者評価に目が行ってしまい、気が乗らないことがほとんどです。それでも自分の成長を振り返る行動をしましょう。そのうちに行動と脳が同期され、成長にフォーカスが移っていくのを実感できるようになります。

②情動と距離を取り仲良くする

あがっているとき、僕らはこの「緊張」という情動に飲まれてしまっています。消えてなくなってほしいと思うほどに、この緊張は僕らを支配し、飲み込んでしまうのです。

この「緊張」を対処するには、緊張を消そうとするのではなく、①距離を取り、②仲良くすることが重要になります。
よくプレゼン本などで「緊張を感じたらテンションが上がってきた~!と思うようにしよう!」と書かれていることが多いですが、それもこの1つの方法でしょう。
とはいえど、プレゼン本番前にいきなり緊張と仲良くしようとしても簡単ではありません。
そこでおすすめなのが「瞑想」です。
メンタルヘルス分野では頻出な瞑想ですが、自分の情動を客観的に観察したり、受け入れるトレーニングにも活用できます。
ここでは瞑想の詳細には触れませんが、自分はGoogleのマインドフルネスについて書かれた「Search Inside Yourself」という書籍内に出てくる「シベリア北鉄道」と呼ばれる手法を用いてました。
SIYに関しては要約などもたくさん出ています。

大事なのは、「緊張」を消そうとせず、快く受け入れること、そして視点を離して客観的に観察してみることです。
慣れてくると分かるのですが、意外と緊張はワーッとやってきてスーッと去っていきます。そのまま放置すれば大したことはないのですが、対処しようと躍起になることで、緊張はどんどん広がってくるものです。
緊張と仲良くなることで、徐々に人前での心臓の鼓動や手足の冷たさなどが気にならなくなっていきます。
※瞑想については、精神疾患をお持ちの場合、逆効果になることもあるので、担当医に相談することをお勧めします。

③メンタルの強い人の考え方やメンタルをよりよくするための情報をとにかくインプットする

先述したような「脳の変化」を生み出していくうえでは、効果が小さくても良いから、続けやすい習慣をちゃんと続けることがとにかく大事。
一般的に、「アウトプットする(話す、書く、行動するといった行為)」の方が、「インプットする(聞く、読むといった行為)」よりも効果が大きいと言われています。
実際、「習慣化しよう!!」となったときには何かアウトプットする(日記を書く、筋トレする)ことを具体的な習慣にしようとする方も多いのではないでしょうか。
ですが、個人的にはアウトプットを続けることはハードルが高く、継続が難しいと思っています。
そこで提案したいのが、「インプットをする習慣をつけること」。中でも、「メンタルの強い人の考え方や、よりよくするための情報をたくさんインプットする」のがおすすめです。
本を読む、noteを見るなどはもちろんのこと、最近はYouTubeなどにもコンテンツが豊富にあります。これらの情報にたくさん触れるだけでも、自然と脳が変化をしていき、より行動をしやすいようになっていきます。
僕自身は、初めはとにかくインプットに専念しつつ、徐々に変化していく中で①②のような考え方を実践したり、noteでの発信をしたいと思い、このような形で発信し始めたりできるようになりました。インプットから入って、徐々にアウトプットへとシフトしていっている感じです。

役に立ったYouTubeやコンテンツなどは、近日別の記事にて発信できればと思ってます。

まとめ

ここまで、あがり症に関して、自分が克服するまでに行った方法や選択肢について短期、長期に分けてお話させていただきました。
あがり症という切り口で話をしましたが、あがり症は原因を突き詰めると、その人の根底にあるものの見方、フォーカスの仕方と関わっていることが多いのかなと思ってます。
今後は、あがり症に限らず、メンタルを良くしていくうえでの色んな情報を発信できればと思います。
よろしくお願いいたします。




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