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『メイド』 ステファニー・ランド (Trapeze)

洋書で外国の考え方に触れたいな〜となんとなく思っていた時、確かネットの記事で紹介されていたこの本。面白そうと思って買ったはいいけど、英語だし・・・と重い腰が上がらずしばらく積読してました。。
たまたま本屋をぶらぶらしていて、なんとなく最近似た傾向の本が多いから全く違う本を読みたいな、と思っていたら、日本語版を見かけて思い出し、本棚から引っ張り出してきました。

結果、夢中で一気に読んでしまいました。
途中、読んでいてとても苦しくて、これはいつまで続くのだろうと読むのを投げ出したくなったくらい。でも、良くなって欲しい、と心から願ってめくるページが止まらなかったです。

それは著者の境遇に対する願いだけじゃなくて、読んでる自分への願いなのかもしれないです。
著者の絶望的な境遇と体験自体は違っても、もうどうしようもない時ってあると思うから。必死で今一瞬なんとか賄うためにがめつく食らいつくしかなく、一寸の光が刺しても遮られてしまって、希望なんて言葉は思い出せない。誰も助けてくれない。自分に対する信頼なんてマイナスで、何をやっても絶対上手くいかないとしか思えない。

そんな絶望中でも、想像することをやめないでいる。好きなことを諦めない。自分の心の中の光を消さない。苦しいけど。
そして、とにかく生きて、働いて、人と出会って、助けを得て、逆に感謝される機会を経て、自分の心の中の光を自分で少しずつ温めていく。
そしたら、ちょっとした何かのきっかけで、マイナスの影響を与える物事を遮断できたり、一寸の光を掴めるようになるかもしれない。

著者の中で完全になくなりかけていた自分への愛や自尊心も、ゼロになる手前で必死に取り戻そうとするシーンが忘れられません。(カウンセラーから教えてもらったマントラをバスタブの中で無心に唱える)

自分への信頼を失いかけてしまった時、もう一度読み返したい本です。


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