聴く力⑨ ドア・オープナーの言葉かけ
積極的傾聴
積極的傾聴(アクティブリスニング)を提唱したカール・ロジャーズは、積極的傾聴には、以下の3つが重要であるとしています。
①共感的理解
共感的理解とは、相手の話を「相手の立場に立って共感しながら理解する姿勢」です。
② 無条件の肯定的関心
③ 自己一致
また、カール・ロジャーズはカウンセリングの来談者中心療法でも有名で、上記の3つは来談者中心療法の3つの基礎態度とも言われています。
共感的理解の6つのテクニック
①の共感的理解をする為の6つのテクニックがあります。(心理学者アイビーが提唱)
1️⃣相槌
2️⃣繰り返し
3️⃣要約
4️⃣ドア・オープナーの言葉かけ
5️⃣気持ちを汲む
6️⃣沈黙
1️⃣2️⃣3️⃣は過去記事をご覧下さい。
今回は4️⃣のドア・オープナーの言葉かけについて深掘りしていきます。
ドア・オープナーの言葉かけは、相手の話の間に挿入しますので相槌と似ています。
ドア・オープナーの言葉かけ
ドア・オープナーの言葉かけとは、心理カウンセリングで使われるテクニックです。
相談者が表面的な話に終始している時「〜をもう少し詳しく聴かせて下さい。」「〜はどんな気持ちですか?」と相談者の気持ち・考え・価値観などが込められている部分を中心に問いかける事です。
相手の思いを促し、心の扉を開くきっかけを作ることができます。
この言葉で、相手の心のドアが開き、もう少し深い話まで聞き出す事ができます。
なぜなら、相談者は相談しながらも途中で、「こんな事相談してどう思ってるかな?」なんて思います。
そんな相手にこの言葉をかけてあげることは、
「その話を受け入れていますよ」
「その話をもっと聞きたいですよ」
というこちらからのOKサインなのです。
この言葉は自分が相談者になって聞いてみると、とても嬉しいものです。
「あ、受け入れてくれてる。もっと話していいんだ」と思えます。
ドア・オープナーの言葉の例
・〇〇してみてどうでしたか?
・〇〇についてもう少し詳しく教えてもらえますか?
など
注意点
明石家さんまさんはゲストの話を引き出す為に「ほいで?」というフレーズをよく使っています。これも深い話を聞く為のフレーズです。
若手芸人なんかは何も話す事がないのに深掘りしてくるから恐怖も感じるそうです。
たしかにさんまさんのテンポで「ほいで?」「それから?」「例えば?」って聞かれると急かされてるようでプレッシャーを感じます。
急かしたり、威圧的にならないように気をつけましょう。
また、関係性が浅いうちはあまりに深い話やプライベートな話は警戒されることもあります。
信頼関係を築きながら少しずつ深い話に持ち込むようにしましょう。
カウンセリングでは
カウンセリングでは、辛い事、苦しい事を具体的に聴くと良いそうです。
辛い事、苦しい事は解決の裏返しの状態で、裏返しの状態を知ることで解決につながりやすくなるのです。
例えば、「その事(辛い事)についてどう思いましたか?」「その事(苦しい事)について詳しく教えて下さい」などです。
ネガティブな話の時はミラーリングやペーシングという技法もあるように相手に表情や声のトーンなどを合わせるようにしましょう。
関連記事
質問力のオープンクエスチョンやフォローアップクエスチョン、聴く力の相槌が関連しているので良かったら参考にしてみて下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ドア・オープナーの言葉かけは、相手の話を促すテクニックです。上手く使って相手の気持ち・考え・価値観を引き出しましょう。
信頼関係構築にも役立ちますし、あらゆる人間関係で使えます。
関連記事と併せてご覧下さい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?