言語リハビリを行う私の当事者研究 6回目 接近と俯瞰
(2)俯瞰 後半
<前回の「(1)俯瞰 前半」を投稿しましたのが、5月8日なので
随分開いてしまいました>
後半では、失語症の患者さんが何の影響によって意思疎通が困難なのかを 探ります。
「細かなところ」として、まず注目するのは患者さんの「症状」のことです。
私は言語リハビリを担当しています。
「症状」のほんの一部を書き出すと、
・ことばが思い出しにくいのか
・発音しにくいのか
・相手が話していることがわかりにくいのか
などなど。
ご本人が失語症のために自身の状態を説明できないことを想定した上で、具体的な症状を早く見つけ出して、 早くアプローチすることは大切なのですが、
「人」である患者さんのことを、症状に特化して捉えるだけでは、
「症状」しか見えません。
ことばはさまざまなネットワークによって成り立ち、
表出されています。
失語症の患者さんが、何の影響によって意思疎通が困難なのかを捉えることが
「どういう影響があれば、意思疎通しやすくなるのか」につながります。
接近していると、見えない。
別の言い方をするならば、「先入観に頼らずに、自分をニュートラルな状態に持っていく」という言い方になるでしょうか。
これが、「聴く態」 「ただ、聴くこと」に専心する、につながっていくことが予測されます。
この「聴く態」は2年前、
失語症文化論仮説La hipotesis sobre la cultura de personas con afasia7章 「わかったふり」気遣い・支配 2.わかったふりに潜む支配
にも記載しました。
「聴くこと」を身に着けること。本稿にも、登場しました。
自分の言語聴覚士として、 そして人としての自身の課題になっているから、これからも 何度も出てくるのでしょう。
今年もあと数か月、自分は「聴くこと」をどれだけ身に着けることができるでしょうか。
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前回「(1)俯瞰 前半」の投稿してから、 ハラスメント問題が身近に 迫ってしまい、あたふたしていたら 実に4カ月開いてしまいました。
前回の 投稿を、この下に 埋め込みしています
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