見出し画像

ハラスメントストッパー <看護大学での講師のバイト> 連載6回目

6.紫陽花が咲いて ⓷
<前回までのお話>
1年前、某看護大学の講師のバイトを引き受けました。
テーマは「在宅での摂食嚥下障害を持つ方のケア」でした。
大学側から、講義の相手は社会人大学院生さんで、現場で看護師を指導していて、このテーマについてはすでに知識と技術を備えていると聴いてました。

では、今回のお話です。

担当する講義の裏メッセージを、先に決めてました。
摂食嚥下を持つ方へのリハビリを通して、自分が気づき、追求したことを 伝えたいと思いました。それは、当時すでに起こってしまった、大事な同僚へのハラスメントをやめさせたいことでした。

これを自分が学生さんに伝える形にしていくと、どうなるか。
イラストみたいにやってしまわないように、気をつけないといけません。

役に立ったのが、書き溜めきた読書メモでした。

摂食嚥下の話になりますが、
義歯は口腔機能の維持・改善に必要です。
しかし、当時の自分の職場では、未だに「ミキサー食は嚙まないで食べられるのだから、義歯は必要ない」と言われてました。

「義歯は必要ない」など古い知識、あるいは思い込みから更新することは常々必要で、現場に伝えていくことも自分の仕事です。

古い知識や思い込みから更新すること。
その1つが、

「自立とは依存先を増やすことである」

このことを語っていたのは、小児科医の熊谷普一郎先生でしょうか。

この一文を読んだとき、パーっと道が開けた感じがしました。
「自立とは依存先を増やすことである」は、思い込みからの更新 となりました。

この1文に出会うまで、自立とは人の手を借りずに生活することだと思っていました。
しかし、自分が担当しているのは「ことばのリハビリ」です。
コミュニケーションそのものが人と行うことなので
「人の手を借りずに」をリハビリの目標としてよいものか、すっきりせず、もやもやとしていました。
 

それでは、ハラスメントの話に移します。

「自分たちが受けた指導と同じような厳しい指導を後輩にすることはいいことだ」は どうでしょうか。
これは、思い込み、むしろ勘違いと言えるのではないかと考えました。

                              (続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?